16.仲間…名前は。
…お!
体がガクッと前に傾いてビビった。
気づかないうちに、寝てしまったようだ。
両手を上にあげて伸びをする。
…背骨かな、すごい音がした。
さて、次にやるべきことの前に。
まだ俺の足を枕にしている1匹のオオカミ。
「なぁ、俺と一緒にいてくれるか?」
その、かなり願望の入った言葉にすっと顔をあげて俺を見る。
相変わらず顔は凶暴だ…なのに可愛く見える。
俺の視力は両目1.5!
今は関係ないな。
グルルと鳴く。
どっちだろう、わからん。
勝手に仲間の認定をしてしまおう。
離さん!
仲間なら名前だよな。
「名前つけていいか?」
グルル。
……わからん。
絶対離さん!!
勝手につけよう。
まずは最初に出会った一番大きいオオカミ、メス。
毛が少し長く綺麗だ。
長毛の長さまではないが。
顔は比較的怖い…いや、結構凶暴…可愛いけど。
特徴は赤い眼だよな。
深い紅色。
ほかのオオカミを見る。
最初のオオカミと同じ色を持っている2匹、メスとオス。
親子かな?
で、黒い毛の子と白い毛の子がいる、ともにオス。
茶色に黒が混じった犬、オスみたいだ。
そして、赤い鳥、性別不明。
さてどうしよう…聞いてもわかるわけないしな。
勝手につけてもいいかな。
赤か…随分と鮮やかな赤だよな〜。
漢字でつけてみるか。
最初のオオカミが「心緋」
コアと同じ色の2匹、メスが「空緋」オスが「緋桜」
黒のオオカミが「黒桜」
白のオオカミが「白音」
雰囲気を確認しながらオオカミたちに名前を付ける。
問題ないな…きっと。
次!
1匹だけいる犬。
こいつもでかいよな。
オオカミほどではないが、後ろ足で立ち上がったら絶対負ける。
毛色は茶色、「茶偉」
次に赤い鳥。
羽のグラデーションは綺麗、名前も綺麗な響きで…「紅炎」
勝手につけたけど不満はないかな?
…大丈夫そう。
……
うん、名前を考えるのに、やたらとテンションが上がった。
もう少しだけ現実を見るのを遅らせたいらしい。
…さて、名前も付けたし…現実に向き合おうか。
いや、もう少しだけ…。




