03.川の魔力…アメーバの巣!
今日はソアの背に乗っている。
お供はソアの子供のうちの2匹だ。
最近、俺が移動をしようとすると、競って俺を乗せたがる。
何か意味があるのだろうか?
…分からないが、運動不足には気を付けないと。
気が付いたらお腹が弛んでいるとか嫌すぎる。
お腹をさすって確かめてみる…まだ、大丈夫のようだ。
森はまだまだ変化を見せている。
だが、川が長くなるのは落ち着いたようだ。
森の何処を見ても、川が流れている。
新しい湖も見つけた。
それより川については、気になることがある。
川の水には魔力が含まれている。
最近、それに気が付いたのだが、なぜかその魔力が俺の魔力に似ている。
どうしてだろう?
色々と考えてみたが、答えは出なかった。
何だかちょっと不安を感じた。
上から森の変化を確かめていると、洞窟発見!
洞窟では出会いが多い。
そのためか、ワクワクしてしまう。
いないかもしれないが…期待をしたっていいだろう。
ただ、地面をくねくね這う長い奴と、足がいっぱいある奴、それ以外を希望したい。
あいつ等は駄目!
洞窟の入り口に立つ。
見た印象は、これまでと一緒のようだ。
これと言って、おかしな魔力は感じない。
ソアが先頭になって、洞窟内に入る。
俺の前にソア、俺の後ろにソアの子供が2匹だ。
今回も、先頭には立たせてくれなかった。
俺は魔力が強いらしいが…戦闘経験は、ほとんどない。
それが原因だろうか?
仲間全員が、俺の事を過剰に心配しているような気がする。
まぁ、物陰から急に襲われたら対処できる気が全くしないが…。
心配されても仕方がないか。
…でも、この洞窟、怖い印象は受けないのだが。
魔獣などが、住処にしている可能性があるのかな?
しばらく歩いてみたが、ごつごつした岩がむき出しの普通の洞窟だ。
奥に進むと、水の音が聞こえてきた。
これは、今までにない状況。
湖を持つ洞窟へ行った事はあるが、あの時は水の音はしなかった。
少し緊張する。
音の大きくなる方向に進むと、広い空間があり、湖があった。
そして…。
「アメーバの巣…だな」
離れた所からでは水しぶきだけで気がつかなかったが、湖に近づくとその存在を確認できた。
小さいアメーバ達が水と戯れている姿だ。
小さい…掌に乗るサイズぐらいだろうか。
魔力を感じると、水のアメーバのようだ。
湖に近づくと、湖の奥へとアメーバ達が移動した。
ちょっと湖に手を付けてみる。
冷たくて気持ちがいい。
気が付くと水につけた手の周りにアメーバ達が…しかも大量。
初めに見た以上の大量のアメーバがいた。
…怖いです。
何かされたわけではないが…見た目が。
大きいサイズのアメーバは見慣れたが。
小さいサイズのアメーバ、しかもどう見ても数百匹いるような状態は怖い!
静かに、刺激をしないようにそっと湖から手を引き抜く。
数匹が手に引っ付いて来てしまった。
…どうしようか、この子達。
目の前の高さまで持ってくる。
…大量ではなく、3匹ぐらいなら可愛いと思うのだが。
下でぴちゃぴちゃとアメーバが大暴れしている。
見るのが怖い。
…よし、洞窟から出よう!
手に引っ付いていたアメーバを、なるべく優しく湖に戻す。
湖に居るアメーバ達に笑顔で手を振って、なるべくゆっくりを心掛けて洞窟の外を目指す。
笑顔が引きつっているとか、気にしない。
心もち駆け足になっているとかも、気にしてはいけない。
洞窟の外に出る。
全身から力が抜ける。
…怖かった、もう正直、怖すぎた。
1匹1匹は小さかったが、数は暴力になると思う…手に絡む大量のアメーバ、見た目が駄目だ!
小さいモノが溢れかえっているのも苦手なんだ!
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