02.火山?…その中に。
あ~、本当に火山だった。
シオンの背に乗せてもらって、火山に近づいてもらう。
日本ではテレビでしか見たことが無い。
俺のいる場所と火山までは、結構な距離があると思うが熱気を感じる。
すごい、本物の火山だ!
それにこの火山、デカいな。
…山頂が雲の上に突き出てしまっている。
俺の家から小さくても見えていたしな、そりゃデカいか。
…富士山ぐらいか?
……富士山の大きさが分からない…。
……。
そういえば…マグマが流れているな。
噴火した音って、聞こえたっけ?
…火山までは遠いから俺が気付かなかったのか?
マグマの量から考えると、結構な規模の噴火になると思うのだが…。
どうなっているんだろう?
あれ?
……マグマって熱い…よな?…。
マグマの高温で森が燃えている映像を、日本で見たが…どうなっているんだ?
森の中をマグマが通っているが、周りの木が燃えていない。
マグマの通り道からは、少し木は離れているが…それでも影響を受けるだろう。
…あのマグマは熱くないのか?
ん~異世界のなせる業って、ことになるのだろうか?
腑に落ちないんだが…。
あ、妹が言っていた、これがご都合主義ってやつか!
何だっけ、主人公にだけ、やたら都合がいいことが起きる…だったかな。
主人公…この森か?
…まぁ被害が出ない事が、一番だな。
そうだ、それ以外はこの世界の常識なのだろう。
そういう事にしておこう。
森を流れるマグマを追うと洞窟の中に入っていく…上からわかる事は、ここまでだな。
ん?…マグマが入り込んだ洞窟に、見覚えが…。
あのやたらとでかくて広かった洞窟か…。
あの場所って、マグマの通り道だったのか。
広いはずだ。
そういえば、あそこでもアメーバにあったな。
しかし、近づいて確信したが、この火山からすごい魔力を感じる。
…この魔力、知っている気がするのだが…誰のだっけ?
え゛!
いやいや、まじか?
火山の中に龍の姿があるのだが…魔力は…毛糸玉?
たしかに火龍だとは思っていたが、…あぁそうか、火山から感じる魔力が毛糸玉と似ているんだ。
おぉ…出てきた。
やっぱり毛糸玉で正解だったか。
すごいな、火山の中に居て無事とか。
うん…少し体を冷やそうか。
そのまますり寄られると、俺がやばそうだから。
「おはよう」
シオンの上に居る俺に、顔を寄せる。
撫でると、気持ちよさそうに目を細めるのが可愛い。
火山の中に居たよな…熱くないのかな?
…火龍だから、火や熱に強いのかもしれないな。
あ…あれってアメーバ?
アメーバ達もマグマの中で生きられるのか。
…マグマを泳いでいるように見える、すごい。
ん?こっちを見ているような…。
…さすがに、そちらには行けないからな。
俺は普通の人間だから。
…違うな、人外になったんだっけ?
そうだとしても、マグマとかありえないから!
火山を見に来たはずが、それ以上の衝撃が。
まさかマグマに耐えられる生き物が存在しているなんて。
さすが異世界!
毛糸玉が火山の中に戻っていく。
真っ赤な色で火をイメージしたが、その通りだったな。
…それなら、マシュマロは雪が必要だったな、雪山か?
見渡すが、雪山はない。
…これから、雪山が出現したりするのかな?
火山の時も、気が付いたら出現していたからな。
雪山か、ちょっと楽しみだ。
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