150.俺は俺!…変わらない
いつも通り一つ目に攻撃されて目が覚める。
…いつか攻撃される前に起きてやる!
朝食のために1階へ行くと、窓から子供達の姿が見える。
農業隊のお手伝いをしているようだ。
畑に入る許可がおりたのか。
…俺より…いや、畑に関して考えたら落ち込む。
農業隊にお任せしよう。
昨日は神様が来て午後からはいろいろあった。
ありすぎた。
もう本当に。
夜になって考えてみたが…だから?となった。
人外になってもだからどうした?俺は俺だ。
俺がいろいろやった事で、この世界はいい方向へ向かったそうだが、だから何?となる。
これから何かをするわけではない、もう終わった事だ。
つまり、俺は何も変わらないことに気が付いた。
ただ、魔力が強い事だけは覚えておこう。
「おはよう!ご飯だよ!」
「「おはよう」」
ただし、昨日の夜に後悔したことが1つ。
これを思い出した時には悶絶した、やってしまった~!と。
言葉!
神様だったら会話ができるようにしてくれた可能性がある。
神様と普通に日本語で話をしていたから、すっかり忘れてしまった。
これは後悔してもしきれない。
なぜかこの世界の神様が決まったら紹介してくれるらしいので、その時は絶対に忘れない!
神様の紹介より言葉の問題の解決!
……
コアに跨り空から森を見つめる。
「広い森だな」
【まがん】というモノの影響がなくなったので、どこまで見ても緑が覆っている。
木々の間に見える川は無数にあり、森を囲むようにも流れている。
森の外に流れている川もある。
川ができたからか森の近くまで畑ができ始めたようだ。
コアと…風のアメーバ。
いきなり空の上に現れたのでビビったが見慣れた存在。
…アメーバがなぜ空を飛べるのか、不思議はこの世界では考えてはいけない。
飛んでいるから飛べるのだ。
「お前、一番でかくないか?」
コアと一緒に空を駆けるアメーバは、今までで一番大きい。
体が太陽の光でキラキラと輝いて綺麗だ。
「あ、森の中に獣人がいる…軍隊?」
森の中にある獣道に獣人が複数名いるのが見える。
同じ格好で40人ぐらいだろうか?
あ、違う格好の獣人もいる。
こちらに気が付いたようだ。
手を振ってみた。
何だか随分とあわただしくなった、大丈夫か?
彼らの上空でコアに止まってもらう。
攻撃されるかなっと思ったが、大丈夫そうだ。
それより、倒れた者がいるようだが…。
お、風龍と水龍が飛んで来た。
今日はまだ挨拶をしていなかったな。
「おはよう」
俺の周りで旋回するなら小さいサイズでお願いしたい。
迫力がありすぎる。
ん?
彼らは本当に大丈夫か?
先ほどより倒れている者が増えたが。
あ、龍を見てびっくりしたのかな。
…水龍も風龍も神獣だったな。
悪い事をした。
「コア、移動しよう」
外の獣人と交流を持ちたいが、龍と一緒だと驚かせるな。
一緒に行くのはコアにお願いしよう。
と言っても今は言葉が通じない。
神様が来たら喋れるようにお願いする予定だから、今は早く神様が来るように祈ろう。
そういえば、まだ攻略していない洞窟があった。
まずはあれを攻略するか。
これからの目標は、森の洞窟を全制覇!
あとは獣人たちと交流を持って調味料を増やしたい!
卵とお米が欲しい!
丼ものが食べたい!
パンケーキが食べたい!
これからの事は分からないが、やっぱり俺は俺でしかないな。
第1章はこちらで終了です。
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【最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。】もよろしくお願いします。




