137.名前暴走…外に出たい！

大盛り上がりです。

龍達とウッドデッキに戻ると仲間が勢ぞろいしていた。

皆…龍だと知っていたのか。

くっ、コミュニケーションが取れない弊害が…。

仕方がないとはいえ…はぁ。

あ、子供達は2人とも驚いている。

お仲間発見！

ホッとするけど大人としてちょっと情けないな。

言葉の壁はでかいよな。

とりあえずは名前の問題なのだが。

3匹とも気に入っているみたいなんだよな。

飛びトカゲなんて違う名前を付けたのに無視されたしな。

たしか、マシュマロも…。

駄目だ、変えられる気がしない。

このままで大丈夫か？

まぁ日本語だから意味は分からないしな。

あとは赤い毛糸玉と水色の鱗の子か。

…なぜ毛糸玉で反応をするかな。

違うぞ、確かにちょっとその名前で呼んではいたが。

火龍だったら、もっとかっこいいほうが。

紅蓮、確か炎の色を意味するよな…グレンは？

反応してほしい。

グレン、グレンは嫌？

…毛糸玉…そうか、毛糸玉か。

なぜだ、音の響きでもいいのか？

気を取り直して、もう1匹は…？

ふわふわは水、飛びトカゲはおそらく土、マシュマロは雪、…毛糸玉は赤だから火か。

予想になるが水龍、土龍、雪龍？・・・氷龍のほうかな、で火龍だろう。

残ったこの子はなんだ？

色からいえば水色のオパールのようなんだが

水色、ふわふわより淡い色だな。

ん？今この子、何かに反応した？

…気のせいだよな、たぶん。

俺があと知っている龍と言えば、雷龍と風龍なんだが。

風龍かな…魔力がなんとなく風のイメージに近い。

風龍なら早く吹く風でハヤテがあったな。

ハヤテ、ハヤテ…いまいち反応がないな。

ハヤテ、駄目？

…駄目か。

風…風…色から？

水色…反応しないでお願い。

さっきはスルーしたけどやっぱり反応している水色に。

いや、期待された目をされても…。

水色？

…まじか。

龍達の名前が決まった。

ふわふわ、飛びトカゲ、マシュマロ、毛糸玉、水色。

…音か？響きか？気に入る要素はどこなんだ！

……

森の外に出たいです。

ならばどうすれば出られるようになるのか。

結界があるようには感じなかった。

魔力探知で違和感を感じなかったからな。

あと、考えられることは…呪いかな。

森に呪いが充満していたため誰かが外に出さないように封じた？

日本にも岩に悪霊を封じたとかいう昔話あるよな。

この世界にもあるのか？

あるかもしれない。

森から呪いが完全に消えたら封印もなくなるかな？

…やってみるしかないか。

できるかな。

えっと、まずは森を全て覆うようにイメージ。

…広いな…ドローン千里眼を使ってみるか。

上から…むり、広すぎる、見えなくなる。

これ、以前も挑戦したな…馬鹿だ。

…やり直し。

あ～封じている壁を利用してみよう。

魔力をぶつけるのではなく封じている壁に沿わせるイメージ。

大丈夫、イメージできた。

上も魔力で覆って…あとは土の中だけど。

染み込ませて、染み込ませて…結構深くまでイメージができたな。

「ふぅ～…浄化」

すごい、久々に膨大な量の魔力が一瞬で消えた感覚がした。

…でも、何だろう。

ものすごい勢いで魔力が補充されていく感覚もする。

これは初めてだな。

…面白い感覚だなこれ。

って、上手くいったのか？

あれ？

何だか周りにみんなが集まっているけど何？

…あ、そうか。

浄化の魔法はすごい光を発したりするからびっくりしたのかも。

ごめんよ。

さて、森の外に出られるようになったかな？

魔力を一気に森の外に飛ばすイメージ。

…弾かれた。

呪いが森に残っているのか？

ドローン千里眼を飛ばして森を調べる。

呪いから感じていた不快感をどこにも感じない。

洞窟の奥とかに残っているとか…あるかな。

もう一度、木々の葉の先から洞窟の最奥、湖の水の一滴まで、細かくイメージを作って。

「浄化」

出られない…なんでだ～！