131.何処かで見たバトル…洞窟のアメーバ
見渡す限りの雪景色。
この世界で2回目の雪の季節…寒いな。
ウッドデッキに出る。
そこは結界を張り、寒さ対策は万全の空間。
広場ではマシュマロとふわふわが取っ組み合いの喧嘩…特訓中。
トカゲが2匹、立ち上がって腕を掴みあって…動物系の動画で見たような…。
いや、動物番組の中で流れたビデオだったか…。
あ、思い出したオオトカゲの映像だ。
街中でオオトカゲが喧嘩しているってやつだ…ちょっとこっちの方が大きいけど。
あ、水攻撃、よけた。
すごい、あぁマシュマロも氷の攻撃か。
…オオトカゲには魔法はなかったな、異世界バージョンって感じか。
「おはよう」
後ろから声が聞こえる、子供達がご飯を食べ終わって出てきたようだ。
姿を見ると…暖かそうなコートを着ている。
…すげぇな、三つ目。
「おはよう」
ようやく子供達からも声をかけてくれるようになった。
うれしい進歩だと思う。
広場を見てビビる回数も減った。
…慣れる事はいいことだと思いたい。
それにしてもトカゲ同士の取っ組み合いはなんとなく可愛かったが。
口から水とか氷とか飛び出す魔法攻撃は…怖すぎる。
子供達が俺の座っている長椅子に座る。
すぐに一つ目が暖かい飲み物を作って持って来た。
最近、特に思うが…完璧なメイド、違うな秘書…執事…一つ目はすごい。
掃除をしている一つ目を見る。
クリーン魔法で綺麗にしているが、なぜか拭き掃除もしている。
何か仕事を考えてあげた方がいいのか?
でも…無いよな。
お、寒い日にめずらしい。
子アリ達が外にいるな。
ハハハ、キッチンに一直線という事は食べ物か?
一緒に行った方がいいかな?
…あぁ、確かに食事に関しては一つ目が管理しているな。
子アリ達は正しい。
一つ目にしっかりと許可をもらっている。
無断で何かすると追いかけられるみたいだからな。
ワインだけでなく食べ物をもった子達が追いかけられる現場を何度か見ている。
そういえば最近は見ないな…まぁ、いろいろあった結果だろうな。
一つ目達は満足そうに子アリ達をも見守っている。
問題がないならそれでいいか。
……
それにしても雪が降っているのによくやるな。
特訓しているから寒くないのか?
親玉さんとシュリの家族はこの時期はすっごく嫌がるけどな。
不意に近づいてくる魔力を感じた。
仲間達も感じたようでそれぞれ探しているみたいだ。
何処だろう?
…おかしい、いない。
魔力は感じる、この距離ならもう姿が見えてもいいはずだが。
魔力探知の精度がよくなったのか相手の区別や距離が測れるようになった。
あとは敵意、これには結構敏感だ。
感じる魔力に敵意はないようだが、姿が見えないのが怖いな。
ウッドデッキの隅まで来るといきなり近くの雪が蒸発した。
驚いていると雪に穴が開きそこからアメーバが。
あ、この子…洞窟に居たアメーバか。
ここまで来たってことか?
それにしても、ものすごく見られているな。
どうしたらいいんだ?
マシュマロ?
アメーバが驚いたのかちょっとのけ反った。
…知り合いとか?
雪のアメーバの仲間?
マシュマロが1つ俺に頷いてからアメーバが作った穴にもぐって行ってしまう。
頷いたという事は大丈夫という事だろう。
それにしても洞窟からここまで結構な距離がある。
ずっと雪にもぐって移動していたのか?
すごいな、あのアメーバ。
お、新しいお茶か、頂こう。
一つ目、ありがとう。
俺が入れたお茶より格段にうまいよな。
総合評価が2万ptを超えました。
ありがとうございます。
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