12.鳥…ちょっと残念
綺麗な鳥だと思う。
ただ、なんとなく残念だが。
指に乗る鳥は全身、真紅で瞳も綺麗な赤。
そして特徴といえるのは羽だろう。
羽が赤から白にグラデーションしている。
よく見ると、ところどころ金というかキラキラ光るものが見える。
とても綺麗だ。
ただし、雀サイズ。
とても小さいため、この綺麗なところが逆に残念な印象をもたらす。
大きければ何とも迫力があって目を奪われるだろうが…雀サイズ。
小さい。
グラデーションはわかるが…残念だ。
俺の視線の意味が分かったのか指先をつつかれて攻撃された。
初めて知った、くちばし攻撃って地味に痛い。
そっと頭をなでると目を細めてすりすり。
可愛いではないか!
ちょっと興奮してしまった。
落ち着こう。
周りを確認。
結界を張ったおかげで影が侵入してこない。
ちょっと休憩しようか。
椅子みたいに盛り上がっている岩を発見。
精神的な疲れが結構ある。
世界が違うだけでなく、日常とは全く違う魔法のある世界、疲れないわけがない。
ちょっとゆっくりしたいが、視界の隅に映るオオカミ達が俺と入口を交互に見ている。
うん、わかってる。
知らないふりをしてるけど、見えているから。
先ほどから、空間に張った結界が異様な光を発している。
仕方がない、怖いけど確かめよう。
結界を出ないように気を付けながら、通路を見てみる。
黒い影が通路から空間に入ろうとして光が発せらているようだ。
影が入るのを結界が防いでくれているのだろう。
それにしては光り方が少し大げさだと思うのだが。
あれ?
通路の影が消え去っている。
あ、また影が何処からともなく現れた。
影がまた、空間に入ろうとして光が発せられると…繰り返しだな。
よく見ると光が通路を駆け抜けている。
それで通路の影が消えているのか。
…結界って攻撃を防ぐ…通路の影は…あれ?
そういえば、岩がぶつかってきた時も結界は反撃していたっけ。
もしかして部屋にかけた結界も反撃しているのか?
ん?
結界に攻撃を追加した覚えはないのだが。
おかしいな。
……
誰か先生がほしい。
魔法初心者には、難しすぎる。




