116.森の変化…子蜘蛛の成長
数日のおかしかったテンションもようやく落ち着いた。
結果…山のように積まれた解体された獲物。
ここ数日だけで1つの保存部屋が埋まった。
子鬼たちがやりきったと満足そうだが。
ご苦労様です。
水のアメーバと畑のアメーバの合体踊り。
いつの間にか混ざってた。
もう大満足です、本当に。
徐々に時間を延ばそうとしないようにお願いしたい。
日常に戻ってよかった。
本当に良かった…あ、今日お酒の解禁日だ。
…あと1日!
おかしなテンションでお酒を飲むと、いつもより手が付けられなくなる。
…いや、知ったところで俺にどうしろと。
止められないから!無理だから!
被害にあったリス達の視線が…痛いです。
俺にはあれを止めるのは無理だから。
ナナフシがアメーバの真似してなのか、ある日の朝から踊りを披露してくれた。
木がくねくね…呪いですか?
あ、いえ、わざわざありがとう。
……
洞窟探索をリベンジ。
広い洞窟だったので朝から挑戦しようと森を疾走…なんだか森が違う。
数日前から森全体を覆う魔力が変わったような気がする。
魔力にはいろいろ種類と言うか個別に違うようで森にも森独特の魔力があった。
それがゆっくりとだが確実に変わってきている。
ちょうど、仲間のテンションがアップしたころから。
これがうれしくてテンションが上がったのなら、いい事なのだろう。
そう思うが、俺だけ分からずちょっと…いや、悔しくも悲しくもないからな!
森を走って違いに気が付いた。
以前の魔力はどこか刺々しい印象を受けたが今は包み込むように優しい。
ここまで変わるには何か大きなことがあってもいいと思うのだが。
…森は広いからな、どこかで何かいいことが起こったのだろう。
近かったら俺も気が付いたのに。
気になったので結界まで行ってみる。
驚いた。
結界の外はまだ影が濃く呪いの影響が強かった。
その影が薄くなってきている。
あれ程、苦労させられた呪いが消えかけている?
呪いの影響が薄くなったら森の魔力が変わったのか、なるほど。
ハハハ、満足、洞窟を探検しよう。
……
本当に広い。
どこまで走ってみてもまだまだ続く洞窟。
何かあるかと期待したが…巨大な道が続くだけ。
もしかしてずっと道だけが続いているとかだったらどうしようか。
本気でこのまま突き進むのか迷う洞窟。
途中でお昼休憩をしてまた再開。
正直、俺が飽きてきた。
ん~お!
道が2つに!
ちょっとした変化にワクワクする。
ただ道が2つに増えただけだが、変化がうれしい。
どちらに行こうかと迷う。
…何か発見したい!
ここまで来て、ただ道が続いていただけとか…泣ける。
本気で何か発見したい!
とりあえず今日のお供の親玉さんに丸投げ。
どっち?
…子蜘蛛がとうとう親玉さんサイズに成長していた。
朝の見回りの時にわざわざ親玉さんが紹介してくれた。
…戸惑ったが、仲間の成長はうれしい。
そしてこの親玉さん、羽がなくなってなぜか真っ黒なはずのボディに白い線のデザインが。
突然変異と言うものだろうか?
健康に影響はないようなので、問題なし。
森の移動のときに気が付いたがこの親玉さん糸の操り方がものすごく巧い。
進化しているようだ。
で、どっち?
親玉さんを先頭に洞窟の道を突き進む。
ハハハ、何もないな。
目の前は行き止まり。
親玉さんも何気に落ち込んでいるようだ。
大丈夫、気にしないでいいから。
今日は帰ろうか。
気を取り直してまた来よう。
……
…アメーバ。
洞窟の道が分かれた所にアメーバがいる。
魔力を探知してみたがどうやら家にいるアメーバとは違うようだ。
さて、どうしたらいいのか。
困って立ち止まっていたらアメーバと目があった。
…ような気がする。
アメーバの目は小さい、でもなんとなくわかるんだよな。
最近はその見えない目でいろいろ訴えられる。
特に踊りをやめさせようとしたときの訴えるような目。
あれはつらい、だが踊りもつらい…長いんだとても。
見るから踊りの時間を短くしてほしいとお願いしたが、通じたと信じたい。




