100.木が立った…初めまして。
雪のアメーバと遊んで川のアメーバと遊んで…。
コア達と戯れて、チャイ達と戯れて、子供たちに遊ばれて。
リスに癒されて、アイ達と戯れて…カレンに驚かされて。
おかしいな、俺の10日余りの記憶が。
…ずっと遊んでないか?
いや、夕飯は頑張っている。
そう料理、俺だけでは量が量なので無理だが。
俺と一つ目たちが頑張っている。
これは俺が中心。
まぁ嫌いではないのでそれはいいのだが…いや、うん問題なし。
皆、喜んでいるし俺もうれしい。
一つ目たちが頑張るのでは?とちょっと不安に。
だがどうやら味覚がなく分からないみたいだ。
一度見た分量は覚えるようだが、味を見ながら修正したりすると難しい。
特にこの世界の食材はちょっと味が安定していない。
その都度、味の修正が必要となる。
塩コショウぐらいなら問題ないが。
…よかったと安心したのは秘密です。
一つ目たちが上手に焼き上げたパン。
…別に悔しくはないが、調理パンを作ってみた。
果実を混ぜたパンはオオカミと犬の子供たちに大人気。
最初お試しで焼いたのだが子供たちの争奪戦を初めて見た。
親と違って加減が…いや親たちも加減はなかったな。
うん、数が多かったからすごかった。
次からは大量に用意した。
調理パンは俺担当。
……
いつも通り遊び…いや、言い方を変えよう。
…見回りをすることにしようかな。
うん、見回り…いいと思う。
雪の状態と川の状態を確認するたび全身びしょ濡れ。
魔法で乾かしていると三つ目に見られた。
ものすごく悲しそうに見つめられた。
次の日、朝の遊び…見回りがいったん終わったら渡された乾いた服。
ありがとう。
毎回デザインや色が異なる服。
服の数とか怖い。
広いウッドデッキで果実水タイム。
そろそろまた森に入ってお茶を探したいな。
…どちら様で?
目の前には木。
立っている木がいる。
これは知っている、ナナフシだ。
知っているサイズより10倍くらいでかいが。
間違いない、ナナフシだ。
えっと魔物なのかな?
ナナフシを連れてきたカレンを見る。
えっとどうして自慢げなんだろう。
最近、何か褒めてというときにみんな同じように胸を張る。
俺にとってわかりやすいジェスチャーだと気が付いたようだ。
…ごめん。
何を褒めればいいのか分からない…そんな目をしない。
えらいぞ、ありがとう。
さて、どうしようか。
ナナフシはどこからどう見ても木…いや昆虫か?
木でいいらしい。
足が6本。
その内の2本を器用に使って立っている。
…普通に歩けるのか。
なんとなく感動。
ナナフシが前足にあたる足を動かして方向を示す。
そちらに来てほしいってことなのか?
カレンが紹介したのだから問題はないだろう。
……
ナナフシに誘導されて森の中に。
リス達がついてきている。
他には子蜘蛛がいて、コア達がいてシュリもいる。
何だか賑やかな集団だ。
着いた先は…今まで見たどの木よりも太い大木。
ただ、全体に元気がなく枯れている。
手を触れてみるが物悲しい気持ちになった。
ナナフシを見ると…仲間が2匹いるみたいだ。
3匹でこちらを見ている。
…何か求められているらしい。
困った、どうしようか。
両手を木に添えていると自然と魔力が木に流れているのが分かる。
このままでも大丈夫かな?
ナナフシを見るが問題ないのか止めようとしない。
ならこのまま、魔力を木に流す。
え!
木についていた葉がすべて落ちて枯れてしまった。
…!
まさか枯らしてしまうとは。
ナナフシたちも驚いて木に近づく。
うん、予定外だったようだ。
100話になりました!
多くの人が読んでくださっているようでびっくりです。
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