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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
76/232

1話 入学式

中学生編スタートです。




 桜が咲き誇るこの季節。今日は私の中学への入学式だ。






 指定されていた時間に登校し、下駄箱に行く前に張り出されているクラス割を確認する。したい。しかし、この時間帯、同級生からクラス割の前に大量にいて確認できない。どうしたものか。


「委員長〜」


 どうしようかと、大群の後ろで考えていると、秋田くんがこちらに駆け寄ってきた。


「おはよう秋田くん」

「おはよう委員長! 委員長! 俺達また同じクラスだったよ! 2組!」

「7年一緒か」

「すごい確率だよね。あと浅田さんは同じクラスだったよ」


 二人で下駄箱に向かいながら話す。ん? 浅田さんは?


「早苗ちゃんは?」

「1組。離れちゃったね」

「あらま」


 6年間一緒だったから少し寂しい。

 教室につくと黒板に座席表が張り出されていたので自分の名前を見つけて席につく。座席表には名字だけが書かれていた。


「波留ちゃん」

「おはよう美野里ちゃん……………え、と、早苗ちゃんおはようどうしたの」


 私が席について鞄を置くと美野里ちゃんが挨拶してきたのでそれに返す。返したときに美野里ちゃんをみたら後ろから早苗ちゃんが抱きついていた。どうした。


「一人だけクラスが離れちゃいました……」


 しょんぼり、という言葉がぴったりなほど目に見えて落ち込む早苗ちゃん。


「でも中学からはお昼ご飯は自由な所で食べられるし、一緒に食べよう」

「うん……」


 まだ不安はあるのだろうが、それでも少しだけ浮上したらしく、早苗ちゃんの雰囲気が明るくなった。よかったよかった。


 暫く三人で話していると、教師が教室に入ってきた。もうすぐ入学式だ。





「入学式の流れはそんな感じだ。では整列。出席番号順で」


 先生の言葉を聞いた生徒たちが整列する。殆どの人間が初等部からの持ち上がりなので見知った人間ばかりだ。


 代わり映えしないなぁ、落ち着くけど。あぁ、数人知らない顔がある。








 式はすんなりと終わった。途中寝そうになったけど、なんとかなった。


 式のあとは明日からのことについて担任から話を聞いて終わりだ。なのですぐに終わる。



「ねぇ」


 担任からの話も終わったので帰ろうと、荷物をまとめていると声をかけられた。私の席のところに来ていた声の主を見ると、少し前に学校見学で迷子になっていた子だった。無事入学できたのか



「君は学校説明会のときに迷子になってた……」

「いや、うん、まぁそうなんだけど。……同じクラスなんだね」

「みたいだね。これからよろしく。私は間切波留。君は?」


 折角の縁だし仲良くしたいな、なんて思いながらそう声をかける。するとその男の子は嬉しそうに顔をほころばせた。




「篠崎忍。これからよろしく、間切」






 聞き覚えのある、いや、知識として知っているその名前を聞いた瞬間、私は固まってしまった。その男の子の顔をガン見したまま。










 篠崎忍という男子は、あのゲームの攻略キャラのうちの一人だ。










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