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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
153/232

74話


 中等部3年の秋には修学旅行がある。今日は班決めを行うことになった。まぁ、こういうのは大抵さっさと決まるものだ。


 私はいつもの四人、そして篠崎と同じ班になった。班行動は男女一緒でも構わないと言われたからだ。勿論部屋は別。


「よろしくね、篠崎くん!」

「こちらこそ」

「すぐ決まってよかった……」

「うちのクラスはあっさり決まったねー。……隣のクラスは荒れてるけど」

「……なんか、すごいね」


 比較的すんなりと班決めが終わった私達のクラスメイトはそれぞれ教師が用意したパンフレットなどをみながらどこを周るか相談し始めていた。

 そして、そんな状況で流れているBGMは隣のクラスの騒ぎ声だ。


「隣は……辻村様と赤坂様のクラスだったよね」

「そうだね。まぁ、喧嘩みたいな声ではないし、平気じゃないかな」

 どちらかというと黄色い歓声というか、まぁ、邪険な感じではないので心配することはないだろう。

 BGMを聞き流しながらパンフレットを机に広げる。


「どっか行きたいところある?」

「自由行動ってどんくらいあったっけ」

「2日目の午後と最終日」

「そこそこ時間あるな」

 取り敢えず各々行きたいところを挙げていく。時間が限られているため、どうしても行ける場所は限られてしまう。


「あ、あと波留ちゃんが迷子になったときの集合場所も決めておこう……」

 早苗ちゃんのそんな発案に篠崎が固まる。そして私の方を凝視してきた。


「え、まい……迷子? まじで?」

「去年の学園祭でも逸れてたじゃん、波留さん」

 知ってるよね、と秋田くんが首を傾げた。

 大変不名誉なことだが、私がよく逸れることは事実なので否定はしない。


「波留ちゃんは校外学習のとき教師の目を掻い潜って迷子になるレベルの強者だよ!」

「気が付いたらいなくなってるからね」

「もう慣れちゃったよね」


「間切……お前……ヤバイな」



 何も言い返せないのが辛い。

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