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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
149/232

70話 2年冬休み



 今日はクリスマス・イブである。



 恋人もいなければ部活もない、冬休みに何か特別なことがあるわけでもない私は家で相変わらず勉強をしている。数学楽しい。圭もこの寒い中走りに行く元気はないらしく今は家で苦手な英語と向き合っているし、兄は何故か英語ではない外国語を学んでいた。父に本を貰ったらしい。


 数学を解いていればベッドに放りなげていた携帯がけたたましくなり始めた。どうやらメールが来たらしいので、一度ペンをおいてそれを確認する。木野村からだ……と、あとほぼ同時に早苗ちゃんからも来ている。


 まずは木野村のメールを開いた。


『たすけてぬださい』


 誤字かな……。


 訳がわからないので一旦放置して早苗ちゃんのメールを見る。


『きのむらさまがほんやさんにこうりんしていまいっしょにあいすてぃーのんめる』


 ………………。


二人のメールを総合すると「木野村が本屋に寄っていたら早苗ちゃんと遭遇して、そのまま何故か一緒にお茶してる」と言うことかな……。


 取り敢えずどちらのメールにも「落ち着きなさい」と送っておく。なぜ二人して私にメールをしてくるのか。

 暫くするとまたメールが届いた。



『取り乱しましたすみません。本屋で漫画を買っていたら同級生に見られてしまいましたどうしましょう』

 相手が早苗ちゃんだし、そこまで気負わなくていいと思うが……まぁ気にしてたもんな。学校では高嶺の花で通ってたことも考えると漫画を読むなんてイメージからは程遠いキャラなんだろう。取り敢えず気にしなくていいのではという旨をメールで送る。



 木野村からの返信を待っていると今度は早苗ちゃんから返信が来た。


『木野村様美しい。』


 ……。


 そうだね、と送っておこう。確かに木野村は美人だ。うん。ていうか意外と平気そうだな。


 早苗ちゃんに返信をすればすぐにメールが返ってきた。早い。


『なんか同じ空間にいるのが申し訳なくなってきたよ……』


 ……。


 早苗ちゃんからのメールに何も言えずにいると木野村からも返信がきた。ところでこの子達今一緒にいるのではなかったか。無言でメール打ってるのか。



『話しかけても平気かしら? 怖がられない?』


 怖がられはしないだろうが、萎縮はされると思う。木野村を神聖視しすぎて。

 木野村には「大丈夫だよ、話しかけてみな」と送って、早苗ちゃんには「頑張れ」とだけ送っておく。


 暫く待ってみたが返信は来なかったので、また勉強を再開した。何事もなければよいが。














 その日の夜、二人からメールがあった。どうやら友達になったらしい。二人とも字面からもう嬉しそうだった。良かったね。

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