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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
126/232

47話

「なんか甘い匂いがする」

「ほんとだ。何か作ってるの?」

 鞄も持ったままキッチンに顔を出した二人はどうやらこの甘い匂いが気になるらしい。餡子です。


「辻村先輩とお姉ちゃんと三人でお饅頭作ってるの!」

「へぇ。辻村くんこんにちは。いらっしゃい」

「間切先輩、部長、こんにちは。お邪魔してます」

 辻村が挨拶をする。……部長?


「辻村くんは茶道部だよ。僕部長なんだ」

「初耳ですよ……」

 本当に初耳だ。一宮さんが茶道部部長なのも、辻村が茶道部なのも。……ん? でも同級生はそんなこと一言といっていなかったような。辻村が部活に入ってるのなら噂になりそうなものなのに。いや、もしかして私の友好関係が狭すぎるだけか? 友好関係狭いから情報が入ってこないのか?


「辻村くんが部活に入ってるってなると騒ぐ子がいるから、基本秘密なんだ」

「部活動どうしてるんですか」

「毎日やってるわけじゃないからね。辻村くんと、あと一部の部員だけ別日にやったりしてるよ」

「大変ですね……」

 辻村も、その他の人も。


「辻村くんたちの周りの子がもう少し落ち着いてきたら大丈夫なんだけど……」

「すみません……」

「辻村くんは悪くないから気にしなくていいよ」

 あはは、と一宮さんが笑う。

「宏和、鞄おいて手ぇ洗ってきなよ」

「あぁ、そういえばそのままだった」

 一宮さんと入れ替わりにキッチンへ入ってきた。兄はいつの間にか私服に着替えていた。いつの間に。


「お姉ちゃんタイマー鳴るー!」

「お、ちゃんとできてるかなー」


 タイマーを切り、蓋を開ける。ふむ。いい感じにできていそう。

 簡単に確認して、それらを皿に移す。そしてもう半分もセットして蒸す。美味しくできているといいが。


 皿に饅頭を乗せてリビングのテーブルにでも出しておくかと振り返ったら男4人がじっと見ていた。あ、はい。食べましょう。









 出来上がった饅頭はとても美味しかったし、好評だった。そして辻村にはレシピを教えておいた。家で作って弟大好きな姉二人に振る舞うといい。

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