第七十六話 知らねえよ
ガルドの死体をもう一度観察する。
肉片はたしかに綺麗な断面をしている。
「騎士団にも分からなかった……刃物で倒したわけでは無いのか?」
とにかく探さねばならない……どこにいようとも必ず見つけ出す。グチャグチャにしてこの世の地獄を味わせてやる…
そう考えた時…不意に友達の最後の言葉を思い出した。
『これは……戦争だ。どちらにも正義がある…し、どちらにも……悪が……ある』
……そうだな。だがやはりガンジス、ガルド、君達を殺した魔王軍は僕が必ず倒す。
「まずは相手の武器を知る必要があるな……」
しかし、あまりにも珍しい死に方なせいで何を使うのか見当も……
その時エルナの言葉を思い出す。
『しかし、ガルドさんはもっと大きな闇を使えたはず……何故こんな細い闇を』
そうだ、冷静に考えるとガルドに限って闇が小さくなるなんてことあるのか?
そもそも、小さくなるならともかく、これは意図的に細く作られている様に見える。
これは、ガルドが死の間際に僕達に何かを伝えようとした……つまりはダイイングメッセージという事だろうか?
しかし、細い何かなんて……
「まてよ、もしかして……」
ガルドの死体の一部をよく観察すると、断面の周辺は薄い紫色に変色していた。
「……なるほどそういうことか
犯人が使った武器……それは糸の可能性が高い。
ガルドは細い闇で糸を示そうとしていたんだ!」
「御明察!イヤーただのお馬鹿さんじゃないみたいだね、僕ほどでは無いにせよ中々頭が切れる様だ」
頭上から声が聞こえる。
「…お前がガルドをこんな風にしたのか」
見上げるとまだ幼い青髪の少年が楽しそうにこちらを見ていた。
「そうさ、この子も結構強くてね。殺すまでに1秒もかかっちゃったよ。しかも最後にダイイングメッセージを残すなんて…ところで君はケインちゃんで合ってる?」
「お前のようなものに名乗る名など無い」
「あはっ!良いね良いね。その調子で頼むよ。僕の遊び道具として長く使ってやるからさぁ!」
そう言うと、周りから大量の糸が迫ってきた。
確かに速い、エルナならともかく、ガルドは見切れないだろう。
だが、今の僕には朝飯前だ。
その糸に思いっきり剣を当てる。
しかし、糸は切れなかった。
「!?」
このままではまずいので僕は咄嗟に縮地で糸を避けた。
「ははっ、不思議かな?僕の糸は特別性でね、簡単には切れないよ。貴金属で出来ていて、炎にも耐性が高いんだ」
チッ!厄介だな。
しかし、四天王というのはいちいち自分の手札を見せないと気が済まないのだろうか?
「わざわざそれを教えてくれるとはな、余程の自信家か馬鹿か」
「フフ…そういえばまだ名乗ってなかったね。僕は魔王軍四天王が1人、スレッダーのネドリアさ。正直…僕は魔王様よりも強いよ?」
「へぇ…ハッタリだけは一人前みたいだな」
「フッ、ぬかせ!僕の糸は誰にも切られた事がない!つまり僕に勝つことは出来ない!」
「じゃあ僕がお前にとって最初で最後の勝者になってやるよ」
その言葉を合図に戦いを再開した。
名前 ネドリア
Lv 126
体力 24368(24367)
魔力 42863(27862)
筋力 12069(12068)
速度 36952(36951)
肉体硬度 7456(7455)
魔力強度 49569(34568)
幸運値 143
スキル
縮地
糸操作
金属操作
魔力操作
身体強化
操作能力上昇
称号
魔王軍四天王
四天王の名前については何も感想が来なかったので自分で考えました。
……申し訳ない




