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有り得ない書き換え

それではまずは皆さん、ステータスオープン、と言葉にしてください」



(……今、何だって?)



 皆の注目を集めた皇女の発言に心の中で顔を顰める白野。

 一方、白野と同じくしてレイヤも眉を顰めて不審がっていた。

 しかし、こちらは如実に顔に意思が出てしまっているのだが。

 姿を隠していて正解であったというところであろう。

 


「……ステータスオープン」



 どこかで誰かが呟いた声がした。

 それを皮切りに皆一斉に「ステータスオープン」と呟いていった。



「…………ステータスオープン」



 色々と思うところはあったものの、罠の気配は感じ取れなかったので渋々ではあるが小さく口に出した。

 その瞬間。



「……なんつー……ことを……」



 光り輝くウインドウ。

 それはまさしく……。



「凄い凄いスッゴーイ!!RPGみたい!」

「まるでゲームの世界にでも迷い込んでしまったような気分だな」



 横から同じくその言葉を呟いたのだろう。

 先程まで文字通り絡み合っていた女子高校生二名の声がする。



(……こんなことできるのって限られてくるよなあ)



 そう、RPGでもお馴染み。

 自らの実力を鮮明に数値化してくれる、ステータス画面が宙に浮いていた。



(有り得ない……)



 未だに眉を顰めたままのレイヤは心の中で呟く。

 余りに仰天したためか、その独り言も白野に念話で垂れ流しになってしまっていた。

 しかしながらもそれは無理のないこと。

 この世界にはそんなゲーム染みた馬鹿馬鹿しいものは存在していないのだから。



(そうでもないぞ、レイヤ)

(へ?まさか私の独り言が垂れ流しに……!?)



 レイヤのパニックはスルーしてやる白野。

 何も思ってないように見えて、少なからずもレイヤの素を見れたことに割と満足しているのだが。



(あー……次に行っても?)

(あ、はい!どうぞ!)



 一応、レイヤに確認を取ってから先程のそうでもない、といった発言について白野は説明を始めた。



(ま、こんな芸当……十中八九こんな王国の一人間達にどうこうできるようなもんじゃない。一人間にはな)

(…………)



 レイヤの方向とは違う方向へと顔を向けている白野はそのまま続ける。



(なら他の種族は?他の種族が英知を結集すれば可能か?答えは否、こんな世界のシステムを書き換えるようなふざけた真似は)

(神、ではないと不可能だといいたいのでしょう?)

(そそ)



 白野は未だ、視線を宙へと浮いているステータス画面より動かさない。



(しかしながら、神であろうとこんな、世界を書き換えるような芸当を、することが可能だと……!?)

(以外と今の状況なら簡単だろう、この世界にもこれくらいできる奴なんてまあ、限られてくるけどいるしな。ま、こんな遊び半分で一種族の国家を使い潰すような真似するような奴いないだろ……とは言い切れないところにこの世界の闇を感じるわ、うん)



 ちなみにこの場合、白野が知らないこのアンダー=ノート由来の神がいるという可能性は存在しない。

 当然、レイヤもそのことについては知っている為にわざわざそれを追求するようなことはしない。



(…………なぜ、今の状況ならできると?)

(答えは簡単、俺が居なかったから)



 今度は未だに自らのステータスを見てはしゃいでいる周りを見渡しはじめる白野。



(俺っていうか、主神が居ない世界ってのは案外脆いもんだしな。管理する奴がいなかったら雑草すらまともに刈り取ることはできないってこと)

(……申し訳ありません。その辺りは疎いものでして)



 謝ったレイヤに対して白野がフォローを入れようと、念話を送ろうとしたその瞬間。

 白野の目の前に女子高生が2人飛び込んできた。

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