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97話 彼らは笑っていた



 誤字脱字の報告してくれてるみんな〜!!

まじでありがとう本当に。

誤字脱字じゃなくても、こっちのほうがいいのでは?というのもちゃんと全部見てますm(_ _)m

本当に皆で作ってるな〜って感じがして凄い嬉しいです。

ここは、このままかな~というところだけ無視してる部分もありますが………ちゃんと全部見てます!

本当に有り難う!皆!!









「この前、殿下が人族の戦争に介入したというのはその話の流れですか?」




 ガゼフのその発言を聞いて、知った顔をしたのが何人か居た事にアルスは少なからず驚いたのだが、よくよく考えれば魔国の上層部ともなればそれくらい知っていてもおかしくはないと納得した。





「そうだ……。実は、アルスは邪神の使徒と事を構えている」





 皇帝の言葉を聞き何人かが“なっ!?”と驚き、何人かが“なるほど”と納得した。





「邪神というのは人族の信仰してる神のことですよね?」




 ロイドの質問は皇帝ではなく皇太子に向けられていた。




「うん。その認識で間違いないよ。邪神というのは創造神の………」




 アルスは改めて邪神とは何者なのかを説明した。

創造神の悪感情というのを聞いて何人かは苦い顔をしている。




「だが、俺が使徒になっていなくても我が国は邪神とはいずれ争うことになっていただろう。父上は創造神についているから……」


「なるほど……」


「敵の本拠地を壊滅させればいいのでは?」




 納得するロイドに、ガゼフが割って入る。




「見つからないんだ。どうやら邪神が介入してるらしい。だが、その終末機構の幹部を一人捉えた。状況は変わるかもしれない」


「アルスのその報告を受けて、幹部達には事前に伝えておく事にしたんだ。」


「だが、あくまでこれは俺と創造神の戦いだ。蒼天の面々には事前に説明をしていて共に戦う意思を確認したが、無理して皆が付き合う必要はない。このまま奴らが力を付け続ければ、多分魔国の歴史上でもかなり大きな戦いになるだろう」




 あくまで皆の意思で戦って欲しい。

アルスは改めてそう伝えたかった。

それを聞いてまずガゼフが不敵にニヤリと笑った。




「殿下ー!舐めてもらっちゃ困りますぜ。俺達魔国の精鋭が、邪神ごときで引くわけない。それに守るべき皇帝と、次期皇帝が戦うと言うなら頷かない馬鹿はこの中にはいません!!」




 その力強いガゼフの決意表明にアルスは少し頬が緩んだ。

不器用だがその中に優しさと、そして何よりも強さが表れている。

さすがは魔国の軍団長にいる男だ。




「木偶坊と同じ意見なのは癪に障りますが、私も共に戦います。近衛の部下達は国を守るために置いていくことになっても、私個人は来るなと言われても付いていきますよ?殿下」




 ターナもニヤリと笑いながらアルスの瞳を見つめる。




「私も共に戦いましょう。参謀と言われていますがこの国の中でも上位の力を持つと自負しています。娘に恥じない戦いを見せますよ殿下」




 ロイドも同じように声を上げた。



 



 それから皆が参加すると表明した。

その顔には、一切の恐れも弱腰もなかった。

絶対に討ち滅ぼすという正しく魔族の顔を浮かべていた。

それを見て、アルスは改めて仲間の力強さを感じた。




「言ったであろうアルス。我が家臣達は戦闘能力だけでなく心も強いぞ?」


「ふっ……ハッハッハッ!!さすがは父上の部下ですね。心強く感じます」













 話が一区切りされたときアルスの頭の中に聞き慣れた声が響いた。




『さすがは魔国の者らじゃな。良き仲間を持ったな………アルス』


「前も言ったけど、あんたの仲間でもあるんだぞ?」


『ハッハッハッ そうじゃな………では、挨拶せねばならんのじゃ』




 唐突に独り言を喋りだしたアルス。

周囲が何事かと視線を向けるが、いつものことだとローナは納得し、相手が誰か理解しているシルバも冷静にそれを見ていた。




 部屋の空気が透き通った。

そう感じる程に神々しい空気が部屋の中に広がる。

円卓の真ん中にひらりと降り立った(実際には少し浮いているが)創造神が周囲を見渡した。

誰からなのかは分からないがアルスとシルバ以外の面々がその雰囲気にあてられて無意識に椅子から立ち上がり膝をつく。




 慌てるほどではないが驚いた様子のシルバも皇帝としての威厳は残しつつ立ち上がり頭を下げた。




「唐突に現れてすまんのぉ。アルスと共に戦うと意思を表明したおぬし達に挨拶をしようと思ったのじゃ」


「急に現れるな創造神………皆固まってるぞ?」


「ホッホッホ で、あるか」


「なーに外向きの雰囲気醸し出してんだよ………それとその神々しいのやめてくれ。皆がびっくりする」


「………む………威厳があるじゃろ威厳が。まぁそうじゃなこれでは話ができん」




 膝をつきながら皆が創造神とアルスの気安い雰囲気の会話に驚愕していた。

顔は地面に向いているが皆目を見開いていた。

そして、会話が途切れると同時に創造神の凄まじい神気、プレッシャーが消え去る。




「面をあげよ………なーにアルスまでとは言わんがそこまで気を遣う必要はない。……お、久しいな……確かローナといったか?」




 皆が顔をあげると創造神はローナを見つけて親戚のおじさんのような顔でローナに声を掛ける。




「お久しぶりでございます………創造神様。またこうしてご尊顔を拝見でき恐悦至極に存じます。」


「硬いのー………もう少しゆるくていいのじゃぞ?………それと、会うのは初めてじゃのぉシルバ」


「天啓は何度か……会うのは初めてですね…創造神様。」


「おぬしが邪神を否と考えて行動したこと大義であるぞ。本当ならもっと早くに会いたかったのじゃが………こうやって地上に出るのもかなりの神気を使うのじゃ。あまり気軽には来れんのよ………まぁ最近はアルスのお陰で信仰心が高まって神気が増えたのじゃが。すまんのぉ」


「いえ………我が息子を見守って下さり有り難うございます」




 創造神は次にケイレスを見た。




「ケイレスよ………よくアルスを見つけ、害意から守り育てたのぉ。ぬしにも会いたかったのじゃ………」


「創造神様………わ、私はただ、息子を守り育てるという当然のことをしただけです。私からも息子を見守り導いてくれたこと感謝します」


「………よい父を二人も持ってアルスは幸せじゃのぉ」




 にこにことしながら創造神はアルスに視線を向けた。

少し気恥ずかしくてアルスはそっぽを向く。




「改めてのぉ。皆がアルスと共に戦ってくれること………心から感謝する。元はと言えばわしの過失じゃ。本当にすまぬ」




 創造神のその言葉に皆は改めて頭を下げた。

誰一人として創造神を責める気にはなれない。

会えばやはりとても良い神なのだとわかる。

アルスとの掛け合いを見ても間違いないだろう。




「わしが地上で出来ることはほぼないのじゃ。神は直接干渉できん。だから、せめてもぬしらの命を少しでも守れるように加護を与える」




 加護と聞いて皆の肩がビクッと動いた。

創造神の加護ともなれば、普通なら間違いなく与えられることはない祝福。

それによって身体的にも、魔力的にも、格段に強くなる。




 光に包まれる室内。

その中ですでに加護があるアルス、シルバ、ローナ以外の者らにその光が降り注いだ。

そしてその与えられた加護は自身ですぐに理解出来るほどのものだった。




「アルスにはずっと苦労をかけてきたのじゃ。少しでも支えてあげてくれると嬉しいのぉ。それと、アルスには常々言っておるのじゃが、これは神であるわしの私情でもあり、それに寄り添ってくれた使徒であるアルスの戦い。わしもアルスと同じで皆の命を大切にして欲しいと思う。共に戦ってくれることは嬉しい、だがの………絶対に命は大切にするのじゃ。わかったのぉ?」



「「「「「「はっ!!」」」」」」




 皆がまた頭を下げた。

だが、すぐにガゼフ、ロイド、ターナ、ケイレス、シルバ、ローナは面を上げて創造神を見た。




「………殿下のことを命を掛けて守り抜きますぜ創造神様」

と、ガゼフ


「必ずや、邪神を滅ぼしましょう」

と、ロイド


「私も創造神様と殿下の敵と、精一杯戦います」

と、ターナ


「息子が死地に向かうなら、それを命懸けで守るのが親というものです」

と、シルバ


「微力ながら、息子の命を守り、そして必ずや敵を討ちます」

と、ケイレス


「私は……何があっても殿下と共にあります」

と、ローナ





 それを聞いて創造神は優しく微笑んだ。




「本当に良い仲間と家族を持ったのぉアルス。すまぬな皆………世界の為にも奴を滅ぼしてくれ」


「「「「「「はっ!!!!」」」」」」




 力強い声が部屋に響いた。

そしていつの間にか創造神は消えていた。

少し広くなったようなその部屋の中で、皆が改めてどんな戦いになるのか、そして自分に何が出来るのかを考えた。

そして、先程までより確かな顔でニヤリと笑みを浮かべた。










 後の歴史でこの会議の話は聖戦前の会合として書かれている。

ロクという書記官によって書かれたその文献の中で、対邪神とのその世界規模の大きな戦いを知ったその場の者らが確かに笑っていたと記載されている。





 それは好戦的な魔族だったからなのか。

それとも、違う種類の笑みだったのか。

それは歴史家達の中でも意見が別れるところだった。






 でも、確かにその時…………







 魔族の幹部達は笑っていた。














 え?最終章?

って思った方すいません。

まだまだ全然続きます。w

書きたいストーリーや登場させたいキャラ、そして………再登場キャラもまだまだ居ます!!

なので、今後とも宜しくお願いします!



 ここからは割と戦闘パートを書きたいと思っています。

作者的にはのほほんとした日常も好きなのですが、やはり血で血を洗う戦いも捨てがたいです。



 ちなみに100話はなるべく記念としてハッピーな話にしたいと考えています。

どんなハッピーかは………お楽しみに。



 ではでは、皆様!!

また次の話でお会いしましょうm(_ _)m



 追伸………いいねとブックマーク!!!

お願いしまーーす!!!笑

初期から見てくれてた人いるかなー?

この作品が日間ジャンル別4位、日間総合17位だって…………やばない?ww

みんな〜本当にありがとぉ〜




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