大乱闘の予感……
GOMさんの作品とのコラボ企画!
「戦隊ヒロインのこよみさん」×「僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜」
第2話です!
「コウタ殿! コヨミ殿! 久しぶりなのじゃ!」
突然現れた魔神将のチエさんに、僕とこよみさんは驚きを隠せない。
え? え? どうしてこんなところに!?
「え、ええと……チエさん、お、お久しぶりです……?」
「うむ! よく来たのじゃ!」
僕は呆けたまま挨拶したけど、チエさんから返ってきた言葉は……これって……。
「ひょ、ひょっとしてですけど、僕達をここに連れてきたのって……」
「そうじゃ! もちろんワシなのじゃ!」
そう言って、チエさんは誇らしげに胸を張った。
や、やっぱり……。
「そ、それで、僕達を呼んだのは一体……」
「イヤイヤ、実はワシ、正月にタケ殿達とした対戦格闘ゲームにハマっておってな! せっかくだし、リアルでやったらもっと面白いかと思ったのじゃ!」
……嫌な予感しかしない。
「じゃから、ここでコヨミ殿やコヨミ殿達と、タケ殿達とのバトルロイヤルをするのじゃあああああああ!」
両腕を広げ、魔神将よろしくまさに高笑いをするチエさん。
そんな様子を尻目に、先輩がススス、と僕の傍に近寄ってきて耳打ちする。
「(ね、ねえ……この女の子、何者?)」
「(え、ええと……以前、こよみさんとポータムに行った際にお知り合いになった、魔神将のチエさんです……)」
僕はガックリとうなだれながら、先輩に説明する。
すると、今度は飯綱先生がススス、とやってきてこれまた耳打ちする。
「(……で、私達をどうやってここまで連れてきたのだ……?)」
「(……僕にも分かりません……ただ、武士さんは“ご都合主義”と……)」
「(そ、そうか……)」
うん、先生は考えることを止めたようだ。
「というわけで、タケ殿達も既に来ておるぞ? ホレ」
そう言って、チエさんが指を差すほうを見やると……あ、武士さんやリーヤさん、マムさん達まで、念入りにアップしてる……。
「と、とりあえず、武士さん達のところに行ってみますか」
「そ、そやね……」
僕達は武士さんの元に歩み寄ると。
「あ! コウタくん、コヨミさん!」
「コヨミ殿なのじゃ!」
僕達に気づいた武士さんとリーヤさんが、駆け寄ってきた。
「あはは……お久しぶりです……」
「こ、今回も大変だね……」
僕と武士さんは、お互い頭を掻きながら苦笑いした。
「相変わらず小っちゃいなあ」
「その台詞、コヨミ殿にそのまま返すのじゃ!」
うん、コッチもいつも通り仲が良さそうで何より。
「ところで……今回の件、詳しく教えていただけますか……?」
「うん、そうだよね……」
武士さんは複雑な表情を浮かべながら、詳しく説明してくれた。
何でも、正月にリーヤさんのご実家へみんなで集まり、その席でゲーム大会をしたことが事の発端らしい。
「……多分、有名なゲームだからコウタくんも知っているとは思うけど、あの色々なゲームのキャラが一堂に会して、バトルロイヤル形式で闘うあのゲームだよ……」
「え、ええ、それは知っていますが……それと今回とどう関係が?」
武士さんの説明を聞いてもピンとこない僕は、やっぱり武士さんに再び尋ねる。
「それが……チエさんがそのゲームに大層ハマっちゃって……せっかくだからと『みんなで大乱闘するのじゃ!』という号令の元、あれよあれよと色々やらかしちゃって……」
そう言って目を逸らす武士さん。
だけど、僕はそんな武士さんに違和感を覚えていた。
「ええと、チエさんがお正月の“おふざけ”で企画したことは分かりましたけど……武士さんもエレンウェさんも、珍しくそれを止めたりしなかったんですね?」
「っ!?」
僕の質問に、武士さんがピク、と肩をこわばらせた。
あ、何かあるな。
「……武士さん?」
「……や、やっぱり気づいちゃったよね……実は今回のこのバトルロイヤル、優勝者には賞品として、チエさんが“どんな願いでも一つだけ叶えてくれる”んですよ」
「ええ!?」
どんな願いでも!? 一つだけ!?
「ほ、本当ですか!?」
「うん……君も知ってるだろ? チエさんのデウスエクスマキナという名の“ご都合主義”を」
そう言われてしまうと、僕も首を縦に振るしかない。
確かに、チエさんなら何でもありですし……。
「……そういう訳で、この闘い、僕とリーヤさんは本気で勝ちに行くつもりだよ」
そう言うと、武士さんの瞳に勝利への意思が宿る。
「「「その話、乗った!」」」
すると、僕の後ろで三人の女性が宣言した。
うん……振り返らなくても分かる。
同じく話を聞いていたこよみさん達だ。
「よっしゃ! せやったらこのウチが、全員倒して賞品ゲットや! ……そんで、白雪姫城を貸し切りにしてもろて二人っきりの結婚式を……(ボソッ)」
「んふふ……いっそのこと、上代くんをピンクから略奪してやるわ……(ヒソヒソ)」
「ふふ……上代くんと永遠の師弟関係となって、大学から私生活まで一緒に……(ポツリ)」
呟きと共に、三人の瞳が妖しく光る……怖い。
「だから、君達にはせっかく来てもらって悪いけど、勝たせてもらうよ?」
「は、はあ……」
うん、意気込んでる武士さんには悪いけど、僕は曖昧な返事しかできない。
だって。
僕、闘えないんですけど……。
お読みいただき、ありがとうございました!
次話は16時を予定!
なお、異世界CSIの武士視点の番外編は下記からお読みいただけます!
物語本編と一緒にどうぞ!
「僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜」
https://book1.adouzi.eu.org/n0208gj/




