最終決戦!怪神デミウルゴス!⑭
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<ヴァルキュリア、“モード=アテナイ”、起動>
タブレットの画面に、その一行が表示されると。
「うわ!?」
「な、なんや!?」
突然、こよみさんの“ヴリューナク”と“アイギスシールド”がゴウン、ゴウン、と唸りを上げる。
そして、それぞれに亀裂のようなものが走り……金色の粒子? のようなものがその隙間から溢れ出した。
「こ、これは……!」
金色の粒子は、まるでこよみさんの全身を舞い、その身体を包んでいく。
『な、何だいこれは!?』
高田光機が焦った表情を浮かべ、こよみさんに触れようと右手を伸ばすと。
『な、何!?』
その右手が金色の粒子に触れた途端、指先から砂のように崩れていく。
『く、くそっ!』
高田光機は慌てて右手首の先を切り落とすと、その付け根から新たな右手を生やした。
「こよみさん……」
僕は……見とれていた。
まるで、こよみさんが金色の衣に包まれ、輝く姿に。
「耕太くん……」
「っ! は、はい!」
金色の粒子の中で僕の名前を呟くこよみさんに、僕は慌てて返事をする。
「ウチ……何やよう分からへんけど……身体の中から、力が溢れてくるんや……あの男を……高田光機を倒せと、叫んでるんや!」
「こよみさん!」
そして、金色の粒子は背中へと集約していくと、こよみさんの姿があらわになっていく。
見ると、“ブリューナク”と“アイギスシールド“はそれぞれ切れ目に沿って展開しており、その様相を変える。
こよみさんの両腕、両脚の甲冑も、その輝きを金色に変え、より重厚な作りとなっていた。
さらに。
「その、背中……」
こよみさんの背中に集まった金色の粒子は、一対の翼を模っていた。
その神々しい姿はまるで、ギガントマキアに挑むギリシャ神話の女神、“アテナ”のようだった。
「耕太くん……ウチ、絶対に勝つさかい! そして、耕太くんと帰るんや! あのアパートの、あの部屋に!」
「っ! はいっ!」
高田光機に対峙しながら高らかに宣言するこよみさんに、僕の魂が震える。
はい……! 帰りましょう!
僕達の……二人の、あの部屋に!
だけど。
『クフフ……いくら姿を変えたところで、“神”である僕の前では、さしたる変化ではないよ』
高田光機は今のこよみさんを見ても、まるで嘲笑うかのようにそう言うと。
『カア……ッ!』
高田光機がその身体に力を籠めると、その口から漆黒の粒子が溢れ出し……そして、高田光機の身体を覆っていく。
こ、これじゃ、こよみさんと同じじゃないか!?
そして……やはり高田光機もその身体に漆黒の鎧をまとい、右手には穂先のついた血の色の二又槍を、左手にはまるで人が群がっているかのようなレリーフの盾を携える。
『クフフ……君が“ブリューナク”なら僕は“ロンギヌス”を、“アイギスシールド”には“フィデース”をもって討ち果たそう』
高田光機が槍を振り払うと、ブオン、という音とともに、すさまじい風が巻き起こる。
だけど。
「それがどないした! ウチは……ウチは負けへん! 耕太くんの! バイオレットの! シルバーの! ブルーの! ガネホッグの! モモの! ……そして、アリスの! 全員の想いを乗せて、高田光機! お前を絶対にしばいたる!」
こよみさんはパワーアップを果たした“ブリューナク”の切っ先を高田光機へと向けると、こよみさんの……僕達全員の思いの丈を全て込めて叫んだ。
『クハハハハ! ならば、今こそ決めようじゃないか! “神”であるこの僕こそが最上なのか、反町一二三の最高傑作、“ヴレイヴブロッサム”こそが至高なのか!』
「やかましいわ! ドッチが上とかどうでもええねん! ウチは……ウチは、お前をとっとと倒して、耕太くんの作った美味しいご飯が食べたいんや!」
そして、二人が上空へと昇っていく。
今度こそ……決着をつけるために。
「こよみさん……」
僕はこよみさんをただ眺める。
こよみさんの無事を、祈りながら。
「それにしても……」
このタブレットに、そんな機能が隠されていただなんて……だったらあの脳味噌も、最初から説明……って。
「な、なんだこれは!?」
見ると、タブレットの画面に『4:02』と表示され、その数字が減っていく。
「こ、これって……!?」
いや、絶対そうだよ!
これ、こよみさんの活動限界の時間じゃないか!?
「あ、あの脳味噌おおおおおおお!」
僕はこんな大事なことを告げなかった反町一二三に怒りをこみ上げつつも、このピンチをどう乗り切るかで頭を抱えた。
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次話は明日の夜更新予定です!
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