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最終決戦!怪神デミウルゴス!⑪

ご覧いただき、ありがとうございます!

「アアアアアアアアッ!?」


 髑髏のヴァルキュリアが放ったランスが、こよみさんの右脇腹を抉る。


「こ、こよみさんっ!?」

「っ!? ま、待て! 耕太っ!」


 青乃さんが声を上げて制止するけど、僕はお構いなしにこよみさんの元へと駆け出した。


 こよみさん……どうか、どうか無事でいてくださいっ!


 全速力で走る僕。


 それを、なぜか三体の分身達と髑髏のヴァルキュリアは攻撃も仕掛けてこずに、ただ僕を眺めていた。


 そして、こよみさんの傍へと行き、すぐさまこよみさんに声を掛ける。


「こよみさん!」

「う、うう……耕太、くん……危ない、さかい、離れてな……」


 こよみさん自身がこんな状態なのに、僕の心配なんかして……!


 そ、そうだ! 怪我の具合!


 僕は慌てて怪我をした箇所……右脇腹を確認すると……くそっ! 致命傷ではないけど、出血がひどい……!


「モモ!」


 僕の呼ぶ声に呼応し、モモがホイルスピンをしながら疾走し、ドリフトして止まった。


「すぐに応急キットを!」

『分カッタ!』


 モモのボディに搭載されている応急キットの中から、消毒用アルコールと止血用のパッチを取り出す。


「こよみさん、少ししみますが我慢してくださいね」

「う、うん……くう……っ!」


 僕が消毒用アルコールをかけると、こよみさんが苦痛を堪えるように声を漏らした。


 そして、傷口の汚れとアルコールをガーゼで拭き取り、止血用パッチを貼る。


 とりあえずこれで……………………ハッ!?


 見ると、髑髏のヴァルキュリアは棒立ちのままだが、三体の分身は僕とこよみさんを見据え、それぞれ臨戦態勢を取っていた。


 ……来る……のか……?


 僕は護るようにこよみさんを背にしながら両手を広げる、


 だけど……どうする……!?


 思考をフル回転させるが、どうやっても今の状況を打開できる策がない。


 その時——三体の分身は、僕達に向けて一斉に襲い掛かってきた。


「くっ!」


 僕はポケットから“ハンニバル”を取り出し、銃口を正面のドラゴンに向け、発射するけど……当然、ドラゴンには効かず、ただ弾かれるのみだった。


「耕太あああああああ!」


 すると、青乃さんがこちらへと駈け寄ってくる。


 けど。


「ガハアアアッ!?」

「青乃さん!?」


 左から来るトランペッターに弾き飛ばされ、ビルの床にもんどり打って倒れる。


『ヤラセン!』


 モモもペイルライダーに突撃するけど……その胴体を、大剣によって真っ二つにされた。


「モ、モモ——————!」

『ジ……ジジ……コウ……ニ……ゲ……』


 僕は堪らず相棒の名を叫ぶと、ノイズの混じった声でそれでもなお僕の心配をしてくれた。


 そして……三体は今まさに僕と、後ろで横たわるこよみさんへと迫る。


 だけど、絶対に目を逸らしてたまるか!

 絶対に……絶対に諦めてたまるかあああああ!


 僕は効かないと分かっていても“ハンニバル”を打ち続ける。


 その弾丸の全てが弾かれても、それでも……!


 そして、ドラゴンがその巨大な(あぎと)を大きく開いた、その瞬間。


 ——ズシャ。


 ドラゴンの頭部を、巨大なランスが突き刺さった。


「え……?」


 僕は事態が飲み込めず、思わず呆けた声を漏らす。


 だって。


 髑髏のヴァルキュリアが、仲間であるはずの分身の一体、ドラゴンをそのランスで屠ったのだから。


『ム……どういうことだ……?』


 状況を嘲笑うかのように静観していた高田光機も、この事態は予想外だったのか、怪訝な表情を浮かべる。


 だが、ペイルライダーとトランペッターはお構いなしに僕達へと襲い掛かる。


 ——ギリ。


 それを、まるで僕達を護るかのように、髑髏のヴァルキュリアは盾を構え、二体の攻撃を防いだ。


「い、一体……」


 すると、髑髏のヴァルキュリアはこちらへと顔を向けると、カタカタ、とその顎を動かした。


 まるで。


『ホント、耕太はだらしないわね』

『そんな調子で、この私に釣り合うと思っているの?』

『こ……う……た……ア、イ……し…………』


「ア……リ、ス……?」


 なぜかは分からない。


 だけど、僕には髑髏のヴァルキュリアが、なぜかアリスに思えて……アリスが僕達を助けてくれた、そう思えて……。


 その時。


 ——メキ、メキ……。


 髑髏のヴァルキュリアの背中から二対の翼が新たに生えると、合計三対の翼を大きく広げた。


「あ……あ、あ……!」


 僕の瞳から涙が溢れる。


 だって……だって、アリスが……アリスがあ……!


「う……ク……!」

「っ! こよみさん!」


 聞こえてきた呻き声に僕は慌てて振り返ると、こよみさんが“ブリューナク”を杖代わりにして立ち上がった。


「クウ……アリスのアホが、あんな姿になってしもても、こうやって耕太くんを護っとるんや……耕太くんのお嫁さんのウチが……ウチが、こんなトコで寝てられるかいな!」


 こよみさんが、そう宣言すると。


「あああああああああ!」


 こよみさんはビルの床を踏み締めながら両腕を広げ、天空に向かって雄叫びを上げた。


挿絵(By みてみん)

お読みいただき、ありがとうございました!


次話は明日の夜更新予定です!


少しでも面白い! 続きが気になる! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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キネティックノベルス様から8/30発売!
どうぞよろしくお願いします!


【戦隊ヒロインのこよみさんは、いつもごはんを邪魔される!】
― 新着の感想 ―
[良い点] アリス……!! そしてこよみさんも立つ……!! 挿絵も相まって、奮い立つように、苦しいだろうけど……うん、頑張れェッ!!
[良い点] ぐっ アリス…
[良い点] やはり、アリス・・・ この展開はあるだろうなとは思っていましたが、何か切なさを感じるのは何故でしょうね?
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