最終決戦!怪神デミウルゴス!⑧
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「な、なんちゅうしぶといやっちゃ!」
髑髏だけになって、なおも空中で浮遊するデミウルゴスを見て、こよみさんが驚愕の声を上げる。
僕も、デミウルゴス……いや、高田光機という男に、ある種の恐怖を覚えていた。
「クハハハハ! さあ、続きを始めようじゃないか!」
「な、何言ってるのよ! そんな頭だけの状態で、私達に勝てると思っ「モチロン! 思っているさ!」」
先輩の言葉を遮り、デミウルゴスは得意げにそう語る。
だけど、先輩の言う通りあの姿でどうやって僕達と闘うつもりなんだ!?
僕はデミウルゴスがどうするのか、その様子を窺っていると。
「クフフフ……フフ…………………………フンッ!」
薄く笑ったかと思ったら、デミウルゴスは気合を込めて勢いよく息を吐く仕草をする……な、なあっ!?
デミウルゴスの髑髏の付け根から、ほ、骨が……骨が、形成されていく……!?
それはまるで動画を巻き戻しているかのように、首から下が生まれていって、そして……足の先まで、全て復元されてしまった。
もちろん、あのラッパも……。
「クフフ……だから、私が君達に負ける要素は何一つないんだよ」
自慢気にそう語るデミウルゴス。
だけど……。
「(皆さん、静かに聞いてください)」
「「「「っ!?」」」」
僕の通信に、全員がピクリ、と反応する。
「(今の復元を見て確信しました。デミウルゴスの本体は、あの頭部です。恐らくは反町一二三と同様に、その脳を『DS-n細胞』の核としているんじゃないかと)」
そう小声で呟くと、先輩と飯綱先生は確信めいた様子でそっと頷いた。
「(だから……今度は、あの頭部を破壊してください!)」
「「「「了解!」」」」
全員が叫ぶと、一斉にデミウルゴスへと殺到していく。
『相棒、乗レ』
「モモ……うん!」
僕もモモに跨り、みんなの後を追ってデミウルゴスに迫る。
「オヤオヤ……第二ラウンド開始、ってところかな?」
「シッ! “サウザント・ワン”」
まず最初に、飯綱先生が低く構えた体勢からきりもみ回転でデミウルゴスに肉薄し、その身体に二本のショーテルを突きつける。
だけど。
「……やはり、傷一つつけることはできない、か」
「クハハ! だったら大人しくしてれば、ねえ!」
「グハアアアアアアッ!?」
デミウルゴスが右手のラッパで飯綱先生を思いきり横殴りにすると、飯綱先生が悲鳴を上げながら吹き飛ばされた。
「先生っ!? モモッ!」
『任セロ!』
僕はモモのアクセルを目一杯回すと、ホイルスピンをしながら一気に加速する。
そして。
「届けえええええ!」
ビルの端ギリギリで思いきり手を伸ばし、今にも地上へと落下しそうになっていた飯綱先生の腕をつかんだ。
『行クゾ耕太!』
モモがハンドルを急角度で切ってスピンターンをすると、遠心力で僕と飯綱先生は投げ出された。
「イタタ……先生、大丈夫ですか?」
「ゴホ……!? あ、ああ……」
……駄目だ。飯綱先生はそう返事するけど、デミウルゴスの一撃で満身創痍だ……。
「“インドラニードル”!」
「オラオラオラアッ!」
ガネホッグさんと青乃さんが、それぞれデミウルゴスに針と弾丸を打ち込む。
だが、それらが無情に弾かれる音だけが周囲にこだまする。
「フン、鬱陶しい」
そう言って、デミウルゴスは二人に向かって突っ込んで……。
「油断したわね! “カースド・ウィッチ”!」
あらかじめ床に這わしていたいばらの蔦が、一斉にデミウルゴスを取り囲む。
「そんなもの、足止めにすら……「本当にそうかしら?」」
デミウルゴスがラッパでいばらの蔦を薙ぎ払おうとするが、いばらの蔦をむしろラッパ、そしてその右腕へと絡まっていく。
「む……」
「今度こそ最初のようにはいかないわよ!」
そのままいばらはデミウルゴスの全身を覆い尽くし、なおもその身体に巻き付いていく。
「ピンク!」
「任しとき!」
こよみさんが“ブリューナク”を前方に構え、前傾姿勢をとる。
すう、と大きく息を吸うと。
「やあああああああああ!」
こよみさんは床を全力で踏み込み、槍と共にデミウルゴスのその頭部へ向けて発射した。
“ブリューナク”の切っ先が、勢いよくデミウルゴスへと迫り、そして。
——ギャリ。
デミウルゴスの頭部左側半分を削り取った。
「アカン! 浅かった!」
足首に絡まる先輩のブレイウィップでヨーヨーのように戻ってきたこよみさんがそう叫ぶ。
「だけど、効いたみたいじゃない?」
先輩がデミウルゴスを見据えながら呟く。
確かに、デミウルゴスの頭部からは、『DS-v細胞』による侵食を示す煙が立ち上っている。
なのに……どうしてデミウルゴスは言葉を発しないんだ?
苦しむなりしているなら、何か言っても……。
その時。
——ブチ、ブチ。
デミウルゴスは、ただ無言でいばらの蔦を引きちぎり始める。
「っ!? ならもっと……!」
先輩が無数のいばらをさらにデミウルゴスに向けようとして……!?
「先輩っ!」
「え? ……キャアアアアアアア!?」
突然伸びてきたデミウルゴスの左腕で、その身体が引き裂かれ……い、いや、咄嗟に“トゥエルブ・ウィッチ”で守ったおかげで、致命傷は避けられたみたいだ。
と、とにかく!
「モモ!」
『オウ!』
僕はモモを走らせ、先輩の元へと向かう。
「先輩! しっかりしてください!」
「う……か、上代くん……」
駄目だ……いくら致命傷は避けられたとはいえ、この傷の深さ……これ以上は、無理だ。
「モモ、応急キットを!」
僕はそう言うと、モモに搭載されている応急キットを取り出し、簡単に応急処置を施す。
とりあえず、止血はこれで……。
「ク、クフフフフ……いやはや、本当に鬱陶しい。第三形態にまで移行したというのに、まだここまで抗うんだからねえ」
全身のいばらを取り除き、見た目は満身創痍のデミウルゴスがカタカタと顎を動かす。
「やかましいわ! オマエもさっさと死んどかんかい!」
「クハ……本当に忌々しい……“ヴレイヴブロッサム”、反町一二三の最高傑作……私が……この私が……絶対にキサマをこの世界から抹消してやるううううう!」
「っ!?」
デミウルゴスが身体を震わせながら咆哮を上げると、突然、両腕両脚をだらん、と下げた。
そして。
「……“最終形態”に移行」
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次話は明日の夜更新予定です!
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