俺の名はヴレイブルー!
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■青乃仁視点
「ああチクショウ! これじゃキリがねえっ!」
俺は脳味噌博士……反町一二三からもらった対怪人用ガトリングガン“タスラム”のトリガーを引き続けながら、怪人達を打倒していくが、怪人達は次々と押し寄せてくる。
「一体怪人どもは何体いるんだよ……!」
おっといけねえ……ここで俺が弱音を吐いてどうすんだよ!
俺はヴレイファイブの他のメンバー……レッド、ブラック、イエローの分まで闘わなきゃいけねえんだ!
元々ピンクが特別だってことは、ヴレイファイブ結成前の訓練の時から分かっていた。
俺達が必死で耐えていたあの過酷な戦闘訓練を、あのピンクは常人離れした動きで事もなげにこなしていたんだからな……。
それからだ、俺が……いや、俺達がピンクをバケモノ扱いして敬遠するようになったのは。
だけど……俺は、それが間違いだったと思い知ることになる。
あの上代耕太によって。
耕太が初めて司令本部に顔を出した時、ピンクと親しそうに会話してるのを見て、俺は余計なお世話とは思いながらもアイツに声掛けて注意するようにアドバイスしようとしたら、アイツときたら。
『ね、ねえ、こよみさん。そ、その、今日も可愛いですね……!』
だもんなあ。
でもって、ピンクもピンクで耕太の言葉に口元を緩めながら恥ずかしそうにしてやがるし。
あの時ほど、俺は自分のことを恥ずかしいと思ったことはなかったよ。
ピンクだって耕太が好きな普通の女の子なのに、それをバケモノ扱いしてたんだからな……。
だけど、その時から俺は、本当の意味で勇者戦隊ヴレイファイブだって胸を張れるようになった気がする。
確かに俺はピンクやバイオレットみたいに強くないし、足手まといでしかないことは分かってるが、それでも正義の心だけは負けないと、今でもそう思っている。
だから、バイオレットを街で見かけた……っつーか、探し出して見つけた時に問い詰めて、無理やりこうやって最後の闘いに参加したんだ。
そして、大切な仲間であるピンク、バイオレット、シルバーと、俺に正義の心を教えてくれた大切な弟分は高田光機との決戦に、今、挑んでるんだ。
だったら俺は、怪人どもにその邪魔をさせる訳には行かねえ!
「だから……だから、俺は死んでもここを通さねえ! 俺の名はヴレイブルー! 勇者戦隊ヴレイファイブの一人、“ヴレイブルー”だあああああ!」
俺は“タスラム”を振り回し、その弾丸を怪人どもにぶち込んでいく。
だが。
——ガガガガガ……カチ、カチ……。
「なあ!? チクショウ! 弾丸切れかよ!」
俺は慌ててマガジンを取り出し……って、最後の一つかよ……。
どうやら、本気で覚悟決めなきゃいけねーな。
俺は空になったマガジンを取り外し、最後のマガジンを装填する。
さあて……俺らしく派手に散ってやるぜ!
「オラオラオラオラオラアッ!」
再びトリガーを引き、怪人どもに弾丸をぶち込む。
恐らくあと三分ほどで、弾丸も切れるだろう。
その時は……。
「ま、いつも通りヴレイブーメランで闘うだけなんだけどな」
ポツリ、とそう呟き、迫って来る怪人どもを見据える。
その時。
「ギャギャギャギャギャ!?」
群れの一番後ろのほうから、突然怪人の叫び声が聞こえた。
ひょ、ひょっとして、まだ怪人が追加されたっつーのかよ!?
「バオオオオオオオオ!」
通路中に響く雄叫びを上げながら、一体の一回りも二回りも大きな怪人が、その長い鼻で怪人どもを吹き飛ばしていく。
あれは……!
「高田光機が生み出した怪人ども! このガネホッグが相手だ!」
「ガネホッグ!」
ハハ! マジか! 強力な援軍が来やがった!
こりゃあ俺も首の皮一枚つながったな……!
「ヨッシャアアア! 俺も負けてらんねーぜ!」
気合を入れて“タスラム”の銃口を怪人どもに向け、弾丸を打ち込むためのトリガーを……。
——ブオン。
ん? なんでビルの中でエンジン音が聞こえるんだ?
すると。
——ドガガガガガ!
怪人どもの頭上を疾走する、その姿は……。
「ヴ、ヴレイビークル!?」
『相棒、上代耕太ヲ助ケニ来タ。私ノコトハ、親シミヲ込メテ“モモ”ト呼ベ』
イヤイヤイヤ!? ヴレイビークルはピンクのマシンだろーが!
だったら相棒はピンクだろ!
『ソレデ、耕太ハドコダ?』
「はあ……耕太はピンク達と一緒に高田光機と闘ってるはずだよ」
俺は溜息を吐いた後、呆れた声で説明する。
『ソウカ。ナラ、怪人ドモニ耕太ノ邪魔ヲサセルワケニハイカンナ』
「まあな」
『ヨシ、私モ力ヲ貸シテヤル』
「え!? チョ!?」
そう言うと、ヴレイビークルは怪人の群れに突っ込み、怪人どもを蹴散らしていく。
イヤ、なんでそんなに強えんだよ!?
「バオオオオオオオオ!」
ガネホッグはガネホッグで、次々と怪人どもを弾き飛ばし、その数をみるみる減らしていく。
そして。
「は、はは……結局コイツ等にオイシイところ持っていかれた……」
全ての怪人を倒して佇むガネホッグとヴレイビークルに、俺は思わず苦笑を漏らす。
「それで……上代耕太やヴレイピンク達は?」
「あ、ああ、アイツ等は今頃、高田光機と闘ってるはずだぜ」
「そうか」
そう言うと、ガネホッグは階段を昇り始める。
「ヴレイブルー、お前も行くんだろう?」
『アア、モチロンダ』
イヤ、なんでお前が返事するんだよ!?
「フ……ならば、行こうか」
「へ、しゃーねーな!」
俺はガネホッグの隣に並び、上を目指す。
耕太、ピンク、バイオレット、シルバー……待ってろよ!
お読みいただき、ありがとうございました!
次話は明日の夜更新予定です!
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