決着!怪人アリス=ヒュブリス=ルシフェル!
ご覧いただき、ありがとうございます!
「こよみさん……おかえりなさい」
アリスとの死闘を終え、無事に僕の元に帰って来てくれたこよみさんを、力一杯抱きしめる。
「うん……耕太くん、ただいま!」
ああ……こよみさんの声だ。
「アイタタタ……もう! 着地くらい上手くキメてよね!」
すると、勢い余ってこよみさんと激突した先輩が、頭を押さえながらプリプリと怒っていらっしゃる。
だけど、本当にこの先輩には感謝しかないな。
「先輩! ありがとうございました!」
「本当よ……いきなりあんな通信が入るんだもん。慌てて戻ってきたわよ……」
そう。
アリスとの戦闘中、グリフォニアとの戦闘を終えていた先輩達から通信をもらっていた僕は、こよみさんがアリス目がけて外へと飛び出した際、通信を入れていた。
すぐにこの部屋に戻ってきて、こよみさんに命綱となるヴレイウィップを渡してもらうために。
「それにしても、よくあそこまで届きましたよね」
「ふふーん! どう? ちょっとは見直した?」
僕がそう言うと、先輩は悪戯っぽい笑みを浮かべながら、下から僕の顔を覗き込んだ。
「ええ、先輩はすごいですよ」
「でしょ! でしょ! ということで、ほんの一週間程でいいから私とも付き合ってみない?」
僕に褒められて嬉しかったのか、先輩は満面の笑みを浮かべた上で、調子に乗って余計なことを言いだした。
「どさくさに紛れて何言うてんねん! そんなんアカンに決まってるやろ!」
そして、予定調和とばかりにこよみさんがすかさずダメ出しをする。
でも……このやり取りも久しぶりかも。
そう思うと、不謹慎ながらも僕はクスリ、と笑ってしまった。
「う……」
……さて、喜ぶ時間はまた後で。
今は。
「アリス……」
僕は、床に横たわるアリスへと近づく。
「こ、う……た……」
「……何だい?」
「ああ……こう、た……こうた、あ……」
「僕はここにいるよ……」
そう言うと、アリスの表情に笑みが零れた。
「わ、たし、ね……? あな、た、が……好き……なの……」
「うん……知ってる……」
「あ、り……がと……」
すると、アリスはそのか細い腕を僕へと伸ばす。
僕は……。
「ごめん、僕はその手を握ることはできないんだ……」
「あ、はは……そう、よね……じゃ、あ……ピン、ク……」
「……なんや?」
突然指名されたこよみさんは、一瞬驚いた表情を浮かべるも、すぐに元の表情に戻り、僕の隣に来る。
「手……」
「…………………………」
アリスにせがまれ、こよみさんはおずおずとアリスの手を握る。
「こう、た、も……これ、なら……」
「……うん」
一度は拒否したけど、僕は今度こそアリスの手を握る。
こよみさんとアリス、二人の小さな手を包み込むように。
「ピン……ク……こ、うた……の、こと……」
「……任しとき。耕太くんはウチが絶対に……!」
そして。
「こ……う……た……ア、イ……し…………」
アリスの手から、急に力が抜ける。
……アリスは、もう、何も話すことはなかった。
「耕太くん……ええよ……?」
こよみさんが両腕を広げる。
「こよみさん……!」
こよみさんの胸に抱きつき、僕は声を上げて泣いた。
「こよみさん……アリスが……アリスがあ……!」
「うん……うん……」
そんな僕の髪を、こよみさんは優しく撫でる。
僕はこよみさんに抱かれながら、かつて好きだった恋人の死を受け入れた。
◇
「……こよみさん、もう、大丈夫です……」
ひとしきり泣いた後、僕はこよみさんの胸から顔を起こす。
「ん……」
こよみさんは何も言わず、ただ、微笑みながら軽く頷いた。
「……皆さん、お待たせしてすいませんでした」
「あ、ううん……私達は別に大丈夫だから……」
「そうだな……それより上代くん、もう……いいのか?」
「はい、ご迷惑をおかけしました……わ!?」
すると、後ろからガシガシと乱暴に頭を撫でられた。
「バカヤロウ……だけど、ま、無理すんな」
「青乃さん……」
本当に青乃さんは……ありがとうございます。
「さて……いよいよ残すはあと一人ね」
「ああ、これで最後だ」
「おう、一発ガツンとかましてやる!」
「耕太くん……行こ!」
四人が決意に満ちた表情で僕を見る。
もう……これで終わりにするんだ……!
「行きましょう! 高田光機を倒して、そして……そして、未来をつかむんだ!」
「「「「おお!」」」」
僕達がこれ以上ないくらい、気勢を上げる。
その時。
「……ゲコ」
「「「「「っ!?」」」」」
突然、カエルのような怪人がこの部屋に姿を現す。
な!? この怪人、一体どこから!?
「ゲコオ!」
怪人の口から長い舌が飛び出し、アリスの亡骸に巻きついたかと思うと、怪人は口を大きく開き……アリスを丸呑みした。
「っ! 今度は逃がさないわよ!」
先輩が左腕のヴレイウィップをカエルの怪人へと伸ばす。
だけど。
「ゲコ」
「っ!」
カエルの怪人が突然その姿を消した。
「クッ! どこよ!」
僕達は部屋の中を見回すけど、怪人の姿はもう、どこにもなかった。
お読みいただき、ありがとうございました!
次話は明日の夜更新予定です!
少しでも面白い! 続きが気になる! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!




