対決!怪人アリス=ヒュブリス=ルシフェル!②
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「何でって……こよみさんは僕の婚約者だから、危なかったら止めるのは当たり前だと思うんだけど……?」
「ハアッ!?」
僕の言葉に、アリスが空中で固まった。
「……ちょっと、それってどういうこと……?」
アリスが半目で尋ねてくるけど……。
「聞こえへんかったんか? ウチと耕太くんは将来を誓い合った仲っちゅうこっちゃ! なー、耕太くん!」
そう言うと、こよみさんは下から僕の顔を覗き込んだ。
うん、マスク越しでも分かる。
こよみさん、今すごく喜んでる。というか、絶対ドヤ顔のはず。
「う……嘘よ!? くだらない冗談言わないでよ!?」
「嘘じゃないよ。僕はこよみさんと婚約した。こよみさんさえよければ、この闘いが終わったら、正式に籍を入れようと思ってる」
「っ!?」
「はわわわわわわわわわわ!?」
狼狽するアリスに、僕ははっきりと言い放った。
そしてこよみさんも同じく狼狽した……アレ?
「こ、耕太くん!? 今の話、ホンマなん!?」
「あ、え、ええ……結婚式はさすがに大学を卒業してから、とは思っていますが、せめて籍だけでもすぐにしたいなあ、と……」
そう、僕はこよみさんと籍を入れて、正式に一緒になりたいんだ。
も、もちろん、こよみさんにも色々と考えがあるから、そこは闘いが終わってから相談と思ってはいたんだけど……この反応は……。
「だ、駄目でしたか……?」
僕は不安に駆られ、おずおずとこよみさんに尋ねる。
すると。
「わっ!」
突然、こよみさんに抱きつかれた。
「ウチ……ウチ、嬉しい……耕太くんと、ホンマの夫婦になれるやなんて……ウチ、こんな幸せでええんやろか……」
「こよみさん……」
僕はこよみさんを強く抱きしめると、こよみさんの顔に……って、マスクしてるんだった。
すると。
——チュ。
こよみさんは、マスク越しではあるけれど、僕の頬にキスをしてくれた。
「えへへ……」
「こよみさん……闘いが終わったら、たくさんキスしましょうね?」
「うん……大好き……」
「フザケルナアアアアア!!!」
突然、僕達の様子を見ていたアリスが激高して叫んだ。
「ふざけてなんかいないよ、アリス。僕は、こよみさんを心から愛しているんだ。だから、たとえ君がどう想っていようと、どんな真似をしても、僕達のこの想いは変わらない」
僕はアリスにそう言い放つ。
アリスには、僕とこよみさんを引き裂くことなんてできないことを分からせるために。
「……もういい」
アリスが震える声で呟く。
「もういい! だったら……耕太が私のモノにならないんだったら、もういらない! 耕太なんていらない! ヴレイピンク諸共、この世界から消えてなくなってしまえばいいんだあああああ!!!」
「「っ!?」」
アリスは悲鳴に似た叫び声を上げ、その両手を天へとかざした。
「ああああああああああっ!」
アリスが呻きながら、光……いや、黒い球体!?
そして、アリスはその身体を、足のつま先から侵食するように純白から漆黒へと塗りつぶしていく。
「フ、フフ……アハハハハハハハハ!」
侵食はとうとう首筋にまで到達し……その顔も漆黒に包まれた。
「消えて……消えてなくなれっ! ヴレイピンクも、世界も……そして耕太も、全部消えてなくなってしまええええええ!!!」
黒い球体は稲妻を迸らせながら、先程の“明けの明星”と同じ大きさに到達した。
「“宵の明星”」
そう呟くと、アリスは黒い球体を僕達目がけて放った。
「っ! 耕太くん離れて!」
「いえ……僕はここで、こよみさんと一緒に迎え撃ちます」
「耕太くん!?」
「どのみち少々離れたところで、意味はなさそうですし……アレを見てください」
僕が上空を指差す、その先には。
「なあっ!? 瓦礫の一部があの黒いモンに吸い込まれていっとる!?」
「どうやらそうみたいですね。だったら……だったら、僕はここでこよみさんと一緒に、アリスと決着をつける! それに、僕は信じてますから……こよみさんが、あのアリスを倒してくれるって、無事に僕の傍にいてくれるって、信じてますから!」
「っ! うん……!」
僕の言葉に、想いに、こよみさんが力強く頷いた。
「耕太くん、見ててや……ウチは……ウチは、どこまででも強くなれる! 耕太くんの想いが、このウチをどこまでも強くしてくれるんやっ!」
「こよみさんっ!」
こよみさんが“アイギスシールド”を正面に構え、そして、前傾姿勢でその両脚に力を籠める。
「耕太くん……背中、押してくれる?」
「はい……!」
僕はこよみさんの背中に手を添える。
そして。
「行けええええええええ!」
「やあああああああああ!」
僕は叫びながらこよみさんの背中を強く押すと、こよみさんは限界まで弦を引き絞られたバリスタから放たれた槍のように、黒い球体に……その後ろにいるアリスに向かって放たれた。
僕は……。
「……先輩、もう着きますか?」
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