集結!新生ヴレイファイブ!
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「モモ、ありがとう」
そう言うと、僕はモモのエンジンカウルをポンポン、と叩いた。
『アア、ココデ待ッテイル。本拠地ニ乗リ込ム時ハ、私達ガ一番乗リダゾ、相棒』
「ああ、もちろんだよ」
僕達はモモから降りると倉庫の中へと入り、そして、反町一二三の待つ部屋へと向かった。
『上代くん、桃原さん、よく来た』
「そりゃ来るさ。これで……これで全てを終わらせて、僕達は始めることができるんだから」
中に入るなり、中央に鎮座する反町一二三を見据えると、僕はこよみさんの手を強く握りながらそう告げた。
「そや! ウチは、耕太くんと一緒に未来をこの手につかむんや!」
こよみさんが反町一二三に向かってもう片方の腕を突き出し、握り拳を作って咆哮した!
すると。
「えー、そこに私達は含まれてないの?」
その少しガッカリしたような声に、僕達は振り返る。
そこには、ニヤニヤしている先輩と、口の端を僅かに上げる飯綱先生がいた。
「まさか。もちろんお二人も一緒ですよ」
「だよねー!」
「ふふ……さあ、暴れてやろうではないか!」
僕達は強く頷き合いながら、お互いの拳を突き合わせる。
というか……飯綱先生、その左手のゴツゴツした腕時計って……。
「飯綱先生、その……」
「……ああ、私はまた、“怪人化”をしたよ」
「どうして……」
「当然だ……私は“ファースト”の一人、イタチソードなのだ。これは、私の“ファースト”としての矜持だ」
「…………………………」
静かに笑みを浮かべる先生に、僕はこれ以上何も言えなかった。
……いや、それでも一つだけ。
「……それで、どうして“ヴレイウォッチ”を?」
「ああ、これは反町様が私専用に作ってくださったのだ。全員お揃いのほうが、恰好が良い、と」
「ええー……」
あの脳味噌、何考えてるんだよ……。
その時。
「オ、オイオイ! 俺もいるんだぞ!? そろそろ俺についても触れてくれよ!」
「「へ?」」
僕とこよみさんは思わず気の抜けた声を出してしまった。
だって……この場所に、なぜか青乃さんがいたんだから。
「あ、青乃さん!? ど、どうしてここに!?」
「あ、あははー……実は、たまたま街で遭遇したブルーに問い詰められちゃって、つい……」
先輩が苦笑いしながらポリポリと頭を掻く。
「い、いや、ですが、この闘いはものすごく危険なんですよ!?」
「耕太! 俺だって“勇者戦隊ヴレイファイブ”の一人なんだ! そこに“悪”があるなら、闘うのがヒーローの役目だろ! それに、そんなことを言うなら、お前だってただの一民間人だろうが!」
「ご、ごもっとも……」
僕は青乃さんの剣幕にたじろぐ。
だ、だけど、青乃さんは高田光機が真の黒幕だってこと、知ってるのかな……。
「え、ええと、青乃さん、それで敵についてはもちろんご存知なんですよ、ね……?」
「当たり前だ! 今まであの男に踊らされてたかと思うと、はらわたが煮えくり返りそうだけどよ、あのオッサンぶっ潰すことでチャラにしてやる!」
そう言うと、青乃さんはパシン、と拳を掌にぶつけた。
うん……本当は青乃さんがいてくれると心強いのは確かだ。
「はい……よろしくお願いします!」
「おう!」
僕と青乃さんはお互いの闘志を確認し合うように、ガシっと腕をぶつけ合う。
「よっしゃ! これでウチ達も気合十分! 今なら世界かて獲れてまうんちゃうか!」
「あらあ、それは面白そうじゃない! 何なら、全部終わったら本気で獲っちゃう?」
「ふふ、それもいいかもしれんな」
「オイオイ!? 俺達は正義のヒーローなんだぜ!? なんだよその悪役みたいな発想は!」
「プ」
「くく……」
「「「「「アハハハハハハ!」」」」」
あはは……うん、これから最終決戦なのに、僕達は気合いもチームワークも十分だ。
これならいける!
『それで作戦だが……』
……いい雰囲気の時に、この脳味噌のせいで台無しだよ。
「今忙しいんだけど」
『む……い、いや、さすがに時間もおしているので、そろそろ作戦を……』
「チッ!」
僕はイライラして豪快に舌打ちした。
「あははー……ま、まあまあ上代くん、チョットだけお父さんの話を聞いてあげて……ね?」
「ハア……仕方ないですね……」
僕は先輩がそう懇願するので、盛大に溜息と吐いた後、やむを得ず話を聞くことにした。
『う、うむ、助かる……それで、作戦についてだが……』
反町一二三は今日の作戦について詳細に説明する。
既に現場で待機しているガネホッグさんと自衛隊の特殊部隊が定刻になり次第、ビル正面から突入し、待ち構える敵を陽動する。
その隙に僕達は裏の通用口からビルの中へ侵入、手薄となったビル内で敵を各個撃破し、司令本部にいる高田光機を倒す、という寸法だけど……。
「ちょっと待て、高田光機は間違いなく司令本部にいるんだろうな? まさか罠が仕掛けられているとかは……」
『そこは既に潜入しているガネホッグの部下からの情報で、司令本部に高田光機がいることは確認している。ただ、司令本部の全職員は退出命令を出したようだがな』
「つまり……」
『ああ……高田光機も、ここで決着をつけるつもりなのだろう……』
それを聞き、僕は拳を強く握る。
すると、こよみさんが僕の拳にそっと手を添えた。
「耕太くん……」
「こよみさん……」
僕はこよみさんと見つめ合う。
『ウォッホン』
……本当にこの脳味噌はあああああ!
「い、いい加減に……!」
『大事なことを伝えるのを忘れていた』
怒り狂いそうになる僕の言葉を遮ると、床がせり上がり……ヘッドセットとタブレット、そして拳銃と……一枚のコイン?
「これは……?」
『君が他の四人と連携をとるために必要となる通信機器と私と直接リンクするタブレット、護身用として対怪人用の拳銃“ハンニバル”、そして……そのコインは、いざという時がきたら、タブレットの横にあるスロットへ差し込むといい』
僕は反町一二三から差し出されたアイテムの数々を受け取る。
ヘッドセットを装着し、タブレットはカバンへ。
拳銃は……。
「青乃さん、この拳銃は青乃さんが……」
「いや、俺も反町一二三から武器は受け取ってる。だからこれは、お前が持っとけ。自分の身を護るのもそうだけど、ピンクはお前が助けるんだろ?」
そう言って、青乃さんはニカッと笑ってサムズアップした。
「はい……こよみさんは僕が護ります。もちろん、みなさんもですよ?」
「おう、期待してるぜ!」
「わわ!?」
そう言うと、青乃さんはガシガシと僕の頭を撫でた。
よし、それなら拳銃はズボンに差しておこう。
そして……コイン。
「……コレについては教えてくれないんだな」
『すまん……まだ言えんのだ……だが、それは必ず君達を救う切り札になるはずだ』
「チッ……分かったよ」
僕はコインをピン、と弾いてからキャッチすると、無造作にポケットに突っ込んだ。
「耕太くん」
「上代くん」
「上代くん……うむ」
「耕太!」
「こよみさん、先輩、飯綱先生、青乃さん……ええ、準備は整いました」
僕はすう、と息を大きく吸い込み、そして——。
「行くぞ! 僕達は未来をつかむんだ!」
「「「「おお——————っ!」」」」
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次話は明日の夜更新予定です!
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