対面
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「ん……」
ベッドの中でまどろみながら、僕は隣で眠るこよみさんを眺める。
こよみさん……僕の奥さん……。
僕は、そんな奥さんの頬をそっと撫でる。
「うん……愛してる……」
僕は眠っているこよみさんにそっとささやく。
すると。
「ウチも……愛してる」
こよみさんが目を開け、柔らかな笑顔を浮かべながら僕を見つめた。
「こよみさん、起きていたんですか?」
「えへへ……うん」
「こよみさん」
「耕太くん……あ……ん……」
その時。
——ピピピ。
スマホの着信音が鳴る。
こんな時に一体誰だ!?
僕は不機嫌になりながらも、スマホを手に取り画面を見る。
発信者は、飯綱先生だった。
「はい、もしもし……」
『ああ、上代くん、こんな夜中に突然すまない……とうとう、来たぞ』
「来た……まさかっ!?」
『ああ……ガネホッグから連絡だ。今日の深夜四時、横浜港のふ頭にある第七倉庫、とのことだ』
「深夜四時……」
僕はチラリ、と時計を見る。
あと……三時間。
「分かりました……じゃあ、現地で集合ということで」
『うむ……では現地で』
「はい……」
僕は通話終了のボタンをタップした。
「耕太くん……」
「こよみさん、いよいよです」
「うん……」
こよみさんが僕の背中にピタリ、と寄り添う。
僕はこよみさんの温もりを、その心臓の鼓動を感じながら、こよみさんの手を握った。
……いよいよだ。
◇
「みんな、お待たせ!」
先輩が横浜港に到着し、これで全員が揃った。
「うむ。では、行こうか」
「「「うん」」」
僕達は飯綱先生の後について行き、指定された第七倉庫へと向かう。
——ギイ。
倉庫の扉は鍵が掛かっておらす、ドアノブを回したら普通に開いた。
「中は真っ暗、だな……」
僕はスマホのライトを点灯して倉庫内部の様子を窺う。
すると。
「待っていたぞ」
現れたのは、怪人ガネホッグだった。
だけどその顔は包帯で覆われ、血で滲んでいた。
「ガネホッグ……それで、反町様は……?」
「コッチだ。ついてこい」
俺達は倉庫の奥へと進むガネホッグの後を追う。
そして。
「ここだ」
ガネホッグが立ち止まり、床を指差す。
そこには、木更津のあばら家にもあった、床下への扉があった。
ただし……こちらは金属で出来ているようで、その重厚な見た目が威圧を放っていた。
——ギイ。
ガネホッグが金属の扉を持ち上げ、仲に入るよう促す。
中は、やはり下へと降りるためのはしごがあった。
「……私から降りよう」
そう言うと、飯綱先生が先に降りて行く。
そして、僕、こよみさん、先輩の順で降り、最後にガネホッグが扉を閉めてその後に続いた。
「コッチだ」
一番下まで降りた僕達は、ガネホッグの案内でさらに奥へと進む。
そこは。
「これは……!」
かなりの広さを誇る部屋。
壁には燭台のロウソク? が明々と灯り、床の赤のカーペットが照らされる。
部屋の中央にはガラスの容器があり、そこには……人間の脳? ……いや、人間の脳よりも二回り以上大きい、ソレが入っていた。
「反町様……お連れいたしました」
『うむ……すまない……』
「っ!?」
僕は突然聞こえたその声に、思わず部屋の中を見回す。
だけど、反町一二三と思しき者の姿はどこにも見当たらない。
一体どこに……!?
『私はここだよ』
ここだと言うが、やはりどこにも……………………まさかっ!?
僕は中央のガラスケースを凝視する。
『そうだ。上代くん、君が今見ているものが、私……反町一二三だ』
「あ……あ……」
あの脳味噌が反町一二三、だって……!?
み、みんなは!?
僕は両隣りにいるみんなを見ると、やはり僕と同じように驚いた表情を浮かべ、声を失っていた。
「そ、そんな……反町様……!」
「お父さん……!?」
『由宇、イタチソード……二人とも……久しいな……』
やはり……そう、なのか……!?
僕は掛けているカバンの中に手を入れる。
「……オマエが反町一二三かどうかはまあええ……それよりも、今までのこと、全部話してもらうで!」
こよみさんが反町一二三を睨みながら吠える。
『ああ、もちろんだ……君達には全てを知る権利がある。ガネホッグ』
「はっ!」
ガネホッグはポケットからリモコンのようなものを取り出して操作すると、上から白いスクリーンが下りてきた。
「これは……?」
『これは、私の記憶を映像として映すためのものだ。このような姿になり不便でもあるが、こういったこともできるようになった』
そう言うと、部屋の燭台の灯りが消え、そして、スクリーンに映像が映し出された。
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次話は明日の夜更新予定です!
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