休暇⑥
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「あ、こよみさんお帰りなさい」
僕はお風呂から上がった後、部屋で待っていたら、同じくお風呂上りのこよみさんが部屋に戻って来た。
え、ええと、その……髪がしっとりと濡れて浴衣姿のこよみさんが魅力的すぎて目のやり場に困ってしまうんだけど……。
「? 耕太くんどないしたん?」
「あ、い、いえ、その……こ、こよみさんの浴衣姿、素敵です……」
「はわわわわ!?」
こよみさんは僕の言葉に慌てふためいているけど、それ、逆効果です……。
だって、こよみさんがそうやってパタパタと動くたびに、シャンプーと石鹸の良い香りが僕のところに……う、うう……。
「はわわわ……って、耕太くん!?」
「こ、こよみさんがいけないんです……こよみさんが……」
「! ……はむ……ん……ちゅ……」
僕は彼女を後ろから抱きしめると、その身体をこちらへと向けて求めるようにキスをした。
「れろ……ちゅ……くちゅ……ぷあ、こ、耕太くん……」
「こよみさん……こよみさん……!」
僕は唇を離すと、今度はこよみさんの耳元へと近づけ、軽くキスをする。
「ん……は……」
そして、その耳たぶを甘噛みすると。
「っ! ……んあ……は……あっ……!」
こよみさんの身体がビクッとなり、その可愛い口からは、甘い吐息と声が漏れた。
「こ、耕太くん……」
そして、僕はその手を浴衣の中へ……。
——コンコン。
「うわあっ!?」
「は、はわわわわわわわ!?」
「こよみ、耕太くん、食事の用意ができたさかい、呼びにきたで……って、何か悪いことしてしもたなあ……」
戸越しにお母さんからそんな言葉が漏れた。
い、いや……そんなことを言われてしまうと、逆に恥ずかしいんですが……。
「とりあえず、食事はもうちょっと後でもええよ?」
「っ! お母ちゃん!」
こよみさんの叫び声もむなしく、お母さんのクスクスと笑いながら部屋から遠ざかって行く足音が聞こえた。
「……すいません、僕のせいです……」
「あ、う、ううん……な、なあ……耕太くん……そ、その、耕太くんもしあのままお母ちゃんが来いひんかったら……ウチのこと……」
「……正直に言いますと、多分、僕は自分を止められなかったかもしれません……」
ダメだ……考えれば考える程、ダメなことをしてしまった。
こよみさんの初めてを、本能のままこんないい加減な流れでしようとしてただなんて……。
気づくと、そんな猛省しているところをこよみさんが上目遣いで下から覗いていた。
「こ、こよみさん?」
「そ、その……ウチは嬉しかったよ? 耕太くんがウチのこと、それだけ想ってくれてるっちゅうことやし、そ、それに、こんな身体でも、耕太くんは、そ、その、魅力的や……って思てくれた……んやろ……?」
「は、はい! それはもう! どんな女性よりもこよみさんが世界一魅力的です!」
「はわ!? う、うん……せやからその……うん……」
「こよみさん……で、ですけど、とりあえずは食事にしましょう、か……」
「そ、そやね……さすがに遅れて行ったりしたら、お母ちゃんに絶対勘ぐられる……」
僕はこの暴れる感情を何とか抑えつつ、こよみさんと一緒に食事場所へと向かった。
◇
「うわあ……す、すごい……」
「はわあああ……お父ちゃん、張り込んだなあ……」
僕達はテーブルに並べられている豪華な料理の数々に思わず目を瞬かせていた。
「さあさあ! 今日は腹いっぱい食べてや!」
「もちろん、お酒も用意してるさかい!」
そう言うと、お父さんとお母さんも一緒に席に着く。
「は、はい、失礼します」
「なんや耕太くん! もうワイと耕太くんは裸の付き合いやないか! そんなかしこまらんでもええで!」
「は、はい」
お父さんはガハハ、と豪快に笑いながら僕にビール瓶を傾ける。
「あ、ありがとうございます」
ビールをついでもらうと、今度は僕がお父さんについだ。
「お、おおきに! いやあ、息子についでもらうんもええもんやなあ!」
「も、もうお父ちゃん! ウ、ウチと耕太くんはまだそんな……!」
「こ、こよみさん、ち、違うんですか!?」
僕はわたわたと恥ずかしそうに否定するこよみさんをつい揶揄いたくなり、そんな風に言ってみた。
「は、はわわわわ!? こ、耕太くん!?」
「僕は……そのつもり、ですよ……?」
「は、はうう…………」
「ウフフ……お父ちゃん、これは孫の顔も案外早う見れるかもしれへんなあ」
「ワハハ! ホンマや!」
しまった……ちょっと揶揄うつもりが、僕も自分の首を絞めることになってしまった……。
すると。
「こよみさん……」
テーブルの下から、こよみさんが僕の手をキュ、と握る。
見ると、こよみさんは顔を赤くして俯きながら、嬉しそうにはにかんでいた。
だから。
「! 耕太くん……」
僕もその手を握り返し、こよみさんを見て微笑み返した。
「アラアラ、ええなあ。お父ちゃん、ウチ達もこよみの妹作ろか?」
「んな!? こよみと耕太くんの前でなんちゅうことを!?」
本当に、何て会話を……。
「ま、まあええわ。ほ、ほな、乾杯しようやないか!」
「は、はい」
僕達はビールの入ったグラスを手に持つ。
「せーの」
「「「「カンパーイ!」」」」
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次話は明日の夜投稿予定!
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