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パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
番外編

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第32話 魔物がいる場所は

 ラノアのお母さんへの挨拶を終えた私達は、教会に戻って来ていた。

 お墓参りに参加していなかったアンナさんとカルーナさんとも合流して、私達はこれからのことを話し合っている。


「件の魔物がどこにいるかは、今の所わからない……とはいえ、予測ができない訳じゃない。魔物も生き物である訳だから、当然食事や睡眠が必要になるはずだ。つまり、問題は魔物の餌場となるだろう」

「餌場といっても、魔物は最近人間を襲っていない訳だから、他の餌を見つけていると考えるべきだよね?」

「ああ、その場合に注目したいのは、先程私達が遭遇した出来事だ」

「なるほど、つまりお姉ちゃんは先程のデビルベアが新手の魔物の餌になっていると言いたいんだね?」


 アンナさんとカルーナさんは、そのように予測を述べていた。

 確かに、それはあり得ない話ではないだろう。あの道で、デビルベアがあそこまで出現するなんて聞いたことはない。

 あれは、何かから逃げて来たと考えるべきだ。それは、新手の魔物であると考えるべきであるだろう。


「アノン、クラーナ、デビルベアの住処を知っているかな?」

「はい。大体の生息地ならわかります」

「なら、そこに向かうべきかもしれないね」


 アンナさんの主張は理解できる。確かに、そこに行けば新手の魔物がいる可能性は高いだろう。

 とはいえ、それはとても危険だ。そもそもデビルベアが強力な魔物であるし、それを餌にする程の強力な魔物もいる。恐らく、かなり厳しい戦いになるだろう。


「流石に、ギルドに頼んで増援を呼んだ方が良さそうね。デビルベアの住処なんて、四人で行くには無謀過ぎるわ」

「そうだよね……」

「……アノン、クラーナ、その必要はないよ」

「え?」

「デビルベアがいくらいても、私とカルーナがいれば問題はない。あの程度の魔物なら、片付けられる」


 クラーナの提案をアンナさんはそう言って否定した。

 彼女の目は、先程と比べて少し鋭くなっている。それは、戦士の目だ。


「……大した自信ね?」

「私は自分の強さを過小評価したりはしない……いや、してはいけないと言うべきかもしれないね。私には特別な力がある。そして、特別な役割がある。私は、それを果たさなければならない。力を持つ者として」


 アンナさんは、そう言いながら右手の手のひらを開いて私達に見せてきた。

 すると、そこには三角形の紋章のようなものがある。それは、薄っすらと光っているように見える。


「これは……」

「一体……」


 その光に、私とクラーナは少し後退った。

 そこには確かな力があった。何か底知れない力が。


「……わかってくれたかな?」

「……はい、なんとなくではありますが」

「……あなた、一体何者なの?」

「その話は、また今度にしよう。今は一刻も早く、この町を困らせている魔物を片付けるとしよう」


 アンナさんはそう言って、ゆっくりと立ち上がった。

 その目には、はっきりとした決意が見える。同時に憂いも見えた。それはもしかしたら、魔物に苦しむこの町の人々に向けられたものなのかもしれない。

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