第12話 彼女の人となり
私とクラーナは、カルノさんと少し話してみることにした。
彼女の人となりをもっと知りたい。そう思ったからである。
「カルノさん、少しいいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
とりあえず、私はカルノさんに話しかけてみた。
彼女は、いつも通り冷静な声色で応えてくれる。その表情は、あまり変わっていない。ただ、別に話しかけられるのが嫌という訳ではないことは、今までの付き合いでわかっている。
「えっと、カルノさんのことを聞いてもいいですか?」
「私のこと? どういうことでしょうか?」
「考えてみれば、私達はカルノさんの趣味とか、そういうのを知らないと思って……」
「なるほど、確かにそれは話したことがありませんね」
私の言葉に、カルノさんは納得したように頷いた。
それなりの付き合いはあるが、私はカルノさんのそういったことを聞いたことがない。普段から、そういうことを話さない人なのだ。
「しかし、趣味といわれても特にはありませんね……」
「そうなんですか?」
「ええ、思いつきません」
「休日なんかは、何をしているんですか?」
「休日には、槍の訓練などをしています」
「槍の訓練……」
カルノさんは、基本的に槍を武器としている。その訓練を休みの日にしているようだ。
それはつまり、仕事のために休日を使っているということだろうか。いや、単純に体を動かすことが好きということかもしれない。
「カルノさんは、体を動かすことが好きなんですか?」
「そうですね……確かに、気づいたら訓練をしているので、そういうことなのかもしれません」
「技術を磨くことが、楽しいとか?」
「はい、そういう面もあると思います」
カルノさんは、私の質問を大体肯定してくれた。
それはきっと、彼女自身もよくわかっていないからなのだろう。
「槍の訓練以外に、何かしたりしているんですか?」
「精神統一などもしていますね」
「精神統一?」
「座禅を組んで、目を瞑り、精神を研ぎ澄ませるのです……瞑想ともいえますね」
「瞑想……」
カルノさんは、肉体だけではなく精神まで鍛え上げているようだ。
その話を聞いて、私は理解した。彼女の趣味は、修行なのだと。
きっと彼女は、自らを鍛えるのが好きなのだ。それが、仕事にも活かされているというのは、趣味と実益を兼ねているといえるかもしれない。
「すごいですね、カルノさんは」
「そうですか?」
カルノさんの趣味を聞いて、私は少し思った。なんとも、彼女らしい趣味であると。
彼女の人となりは、今までのやり取りで漠然と把握していた。だが、今回話してみて、それは確実なものへと変化したような気がする。




