第32話 突然の行為
顔を舐めるという行為を、他の人にしていないか確認したレフィリーナちゃんに対して、ラノアは私とクラーナにはしていると答えた。
恐らく、彼女は独占欲のようなものを感じている。そのため、これから何を言うかは、かなり気になるものだ。
「私、友達がいませんでしたわ」
「え?」
「あなたが初めての友達ですの。だから、こういう仲が良いことを、他の人にして欲しくないと思ってしまいますわ。でも、家族ならそれはいいと思いますわ。仲が良い家族なら、こういうこともしますもの。変なことを聞いてしまって、申し訳ありませんでしたわね」
意外なことに、レフィリーナちゃんは私達は問題ないと判断した。
どうやら、彼女は今の出来事を、頬にキスをするくらいに考えたようである。
それは、仲が良い友達なら確かにするかもしれない。私も友達はいない方なのでよくわからないが、恐らくそういうものなのだろう。
そして、仲が良かったら、家族でもそのくらいのことをする。だから、彼女はそう判断したのだろう。
「えっと……あっ!」
そこで、ラノアは何かを閃いた。
レフィリーナちゃんの思いに、何を返すか思いついたのだろう。
一体、彼女はどのような選択をするのだろうか。彼女の親として、それはかなり気になるものだ。
「んっ……」
「んんっ!?」
「え?」
「あっ……」
「おおっ!」
次の瞬間、ラノアはレフィリーナちゃんの唇に自らの唇を重ねていた。
突然のことに、その場にいる全員が固まってしまう。家の娘は、何をやっているのだろうか。
「んんっ……」
「んんんっ!?」
私達の目の前では、すごい光景が繰り広げられていた。
どうして、いきなりあんなことをしたのか。私もクラーナも、思わず頭を抱えてしまう。
レクリアさんは、目を丸くしている。流石に、これにはかなり驚いているようだ。
「んっ……うん、これでどう?」
「どう? どうとは一体、何を言っていますの!?」
「え? あれ? 私、間違えたのかな?」
唇を離したラノアは、少し混乱していた。
彼女が何を考えて、あのようなことをしたのか、それは大いなる問題である。
「口は舐めてはいけないって、クラーナに止められていたんだ。よくわからないけど、特別な意味らしくて……だから、レフィは特別ということで」
「特別……あなた、その意味をわかっていないでしょう?」
「え? あ、うん。クラーナは、何か言っていた気がするけど、私にはよくわからなかったな」
「よくわからないようなことをするんじゃありませんわよ! びっくりしてしまいましたわ!」
どうやら、ラノアは特別ということで、あんなことをしたようだ。
ラノアには、きちんと恋愛的な意味と伝えておいたはずだが、思い付きで行動したため、それは抜けていたのだろう。
こうして、しばらく、レフィリーナちゃんの混乱の叫びが響くのだった。




