アリスの部屋に来たんだけど
俺はお風呂上がりのアリスをみて思わず、いつものように軽口をたたくが内心はバクバクである。だってさ、同級生の家に二人っきりでいる上に、そんな無防備な姿を見せられたら、さすがの俺も意識をしてしまうよ。でもまあ、彼女はこんな俺を信頼してくれているわけで、変な目で見るのは失礼だと思うんだよね。
「とにかく、部屋で本を読んでもいいとは言ったけど、ノートを観ていいなんて一言も言ってないわよ。ちなみに、このノートに名前を書かれたら死ぬわ」
「新世界の神にでもなるの? 俺の知ってるデスノートの外見はそんなに可愛らしくないんだけど、むしろ好きな人の名前とかが、書いてそうなんだけど!
「へぇー、じゃあ、あなたの名前を書いてあげるわね! 一条刹那、死因は……」
「ちょっとまってぇぇぇ!! 死因くらいは俺に決めさせてよ。そうだなぁ……一条刹那。かわいい子にモテモテになって、幸せになって80歳くらいに死ぬとかどうかな?」
「残念ね……デスノートは実際不可能な事を書くと心臓麻痺で死ぬわ。ばいばい、刹那。あなたの事は忘れるまで忘れないわ」
そういうと彼女は俺からノートを没収して、からかうように笑った。よかった、あんまり怒ってないみたいだ。
「せっかくだから、うちにある本で何か興味があるやつあったら借りていく? レンタル代一日FGOのガチャ一回でいいわよ」
「TSUTAYAの方が安いなぁ……でも今のピックアップ中々いいよね。星5も無料でもらえるしさ。あ、なんか奥の方に本あるよ。痛っ!!」
「さっきから言ってるでしょう。乙女の秘密を漁らないの。本当に通報するわよ」
俺が本棚の奥に挟まれた本が気になって取ろうとすると、手をパチンと叩かれた。恨めしそうにアリスをみると彼女は珍しく顔を真っ赤にしている。よっぽど見られたくはなかったのだろう。悪い事しちゃったな……でも、あれだけ恥ずかしがるってことはなんなのかな? エッチな本かBL本だろうか?
「刹那……何か失礼な事考えてない? ちなみに、エッチな本でもBL本でもないわよ」
「待って、アリス俺の心が読めるの!?」
「本当にそんな風に思っていたの……不快ね……慰謝料として、今後カフェのパンケーキをごちそうしなさい」
ちゃっかりたかられてしまった。ちなみにアリスはうちの常連になっており、新作のパンケーキが来るたびに、一人で食べに来るのだ。うちの週代わりのパンケーキってかわいい動物を模しているんだよね。
そして、俺はパンケーキで思い出す。さっき見たノートの中身を思い出す。丁寧に書かれたパンケーキの作り方が書かれたノートの中身を、彼女が本気でパンケーキをごちそうしてくれようとしたっていう事を、苦手な料理を頑張ろうとしてくれたってことをさ。だから俺は彼女に提案をする。
「ねえ、アリス良かったら、ノートのレシピをみながら一緒に作ろうよ」
「いやよ……どうせ、私の事を馬鹿にするつもりでしょう?」
すねたように唇を尖らせるアリスに、俺は笑いかける。っていうかひどいなぁ、俺がアリスを笑いものにするはずないじゃんね。笑われることはあってもさ。
「アリスの家の味を食べてみたいんだ。アリスが俺にごちそうしてくれたアリスの家の味をさ」
「しかたないわね、あと勘違いしないでほしいんだけど……パンケーキを作ろうとしたのは別にあなたのためじゃないんだからね!!」
「ツンデレサービスだぁぁぁぁ!!!」
「うるさい!! 叫ばないの。隣の人から苦情がくるでしょう!!」
そうして俺たちはリベンジをすることにした。叫んでいたけれど、アリスがちょっと嬉しそうに笑ったのは見間違えじゃないと思うんだ。
FGOの更新に間に合った!! 星5はジャンヌにする予定です。聖女ってかわいいですよね。
アリス編はあと二話で終わる予定です。簡単にはデレないアリスちゃんです。
みなさんのおかげでポイントが11000が見えてきました。ありがとうございます。もうちょいだ。更新頑張ります!!
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