第10回「Xファイル完全復活!」~お題「Xファイル2016」~(ネタバレあり)
~お題「Xファイル2016」~
祝!Xファイル完全復活!新シリーズ「Xファイル2016」のネタバレあり!
Xファイルは超常現象やオカルト事件を調査する為のFBIのセクション、「Xファイル課」に勤務するオカルト肯定派であるフォック・モルダー&オカルト否定派であるダナ・スカリーのコンビの活躍を描いた人気ドラマシリーズです。
新シリーズ「2016」は前作から数年後が舞台になります。
モルダーとスカリーもFBI辞めている訳ですが、二人の上司であるスキナー副長官の働きで再びFBIに復職し、もう1度「真実」を求めて走り出します。
モルダー役のデイヴィッド・ドゥカヴニー、スカリー役のジリアン・アンダーソンは二人とも役者としても50代ですから体力的には若い頃のようにはいかない・・・との事で、「新シリーズである、今回は6話限定復活」と少ない話数です。
でもXファイルの魅力を堪能するにはとても良い作品でした。
前のテレビシリーズでは諸事情(ギャラの問題)でモルダーがシーズン7最終回でレギュラーを降板してしまいます。(それ以降はゲスト扱いで出演)
「やっぱりモルダーいないとXファイルじゃないだろ!」という思いが強かったので、今回のXファイル復活は本当に待ち望んでいたものでした。
2008年にも劇場版第2弾「Xファイル 真実を求めて」が公開されました。
でもあれは、スカリーがもう「真実を追い求めるのではなく、平穏な暮らしがしたい」というような事を言っていたので、やっぱり「何かが違う!」と感じていました。
「2016」のスカリーはノリノリです。
彼女なりのやり方で科学の力で真実を求めるその姿勢は過去のシリーズのスカリーを彷彿させました。
モルダーとスカリーあってこそのXファイルだと新シリーズ見て改めて思いました。
「2016」ではこれまで語られてきた「真実」を否定するところからスタートします。
前シリーズでは「宇宙人と政府が協力して、地球を植民地化とする地球征服計画を企てている」と語られてきましたが、今回、モルダーはそれを否定します。
モルダー「宇宙人は悪くなかった!全部政府が悪い!」
自分「な、なんだってー!?」
これまで20年以上信じていた事を彼は否定したので凄い驚きました。
モルダー曰く
・第二次世界大戦中に人類は水爆(核兵器)を発明した。
・それを察知した宇宙人は、人類が滅びの道を辿っていると考えた。
・自身の星も似たように核兵器のような物を作ってしまった為に滅びへと向かってしまったから。
・それだけは宇宙人は阻止したいと思った。
・彼らは人類を救うべくUFOで地球までやってきたが、何かトラブルが発生してUFOはアメリカのロズウェルに墜落。
・これが1947年のUFO墜落騒動である「ロズウェル事件」になる。
・墜落したUFOの残骸を政府が回収。解析・分析して異星のテクノロジー入手。
・今世界各国で目撃されているUFOは宇宙人の船ではなく、地球人が宇宙人の船を模して作った新型飛行マシンである。
・また政府はそれを使って人間達を誘拐して、何か人体実験をしている・・・・・
と新シリーズでは語られていました。
何故、彼はこんなトンデモ話をスラスラと言えるのでしょうか・・・・。
ただ、これもモルダーが「きっとそうだ!」と言っているだけなので、本当の事はわかりません。「真実」とはなんなんでしょう?
モルダーは変人なのですが、優秀な捜査官でもあります。頭が良いというのもありますが、彼は「真実」の為なら、なんでもやります。
今回シリーズ第3話「トカゲ男の憂鬱」ではトカゲの化物のおじさんが出てきますが、モルダーはちゃんとトカゲのおじさんの話を聞いてあげます。
他の捜査官なら、間違いなくトカゲ男を銃で撃ち殺すはずなのですが、モルダーはちゃんと相手を理解してあげようと努めます。そこが他の人間と違う部分であるとも思います。
また、第5話「バビロン」ではイスラム問題にも切り込んでいきます。
イスラム教のテロに巻きこまれて瀕死の重傷を負い生死の境を彷徨う青年。
彼と会話出来れば、テロリストの詳細は分かるはずなのですが、意識不明でそれが出来ない。
そしてモルダーが思いついたある方法とは・・・・
モルダー「違法薬物を摂取し副作用でトリップした状態になる事で、瀕死の人間の意識とシンクロする事が出来たという話を聞いた。それを試そう!」
自分「????」
要は、彼は違法薬物を飲むことで脳に刺激を与えれば、一時的に瀕死の人間と会話ができる・・・と言っていました。
そんな方法は知っていても、試そうとは絶対に思いません。やっぱり彼は他の人間とは違う発想ができる人間なのでしょう。
さて、違法薬物を飲んだモルダーがどうなったのか・・・まだ見てない人は楽しみにしてください。違法薬物による幻覚の影響なのか、あの懐かしい人達がモルダーの目の前に現れます。
モルダーはありとあらゆる可能性を信じる人間なのかもしれません。
モルダーは以前、ある人物に
「何故UFO等、存在が確たる証拠がないと言われる物を君は信じる?」
と問われます。それに対し、彼は
「確かにいるという確たる証拠もないが、それがいないという確たる証拠もないから」
と答えました。
そう「UFO、宇宙人いるという証拠」もないですが、「UFO、宇宙人が絶対いないという証拠」もない訳です。
「UFO、宇宙人なんていない」という人も大勢いますが、では、それを最初に言い出した人は一体誰なのでしょう?
その人は宇宙の全部の星を確認してきたのでしょうか?そんな人間は絶対いません。
「宇宙人、UFOがいない」という情報が世界に蔓延してしまったせいで我々は騙されていないか?
「未知なる存在は絶対にいない」という考え方はしてはいけないんのではないか?
自分が「真実と思い込んでいる物こそ実は虚偽である」とありあらゆる可能性を否定してはいけない。
その事を「Xファイル」という作品は訴えているのは出ないかと思います。
要は探究し続けろという話なのでしょう。探求し続ければ、自分のこれまでの価値観も変わって何か新しい発見があるかもしれません。
新シリーズは「そうだ!これが自分の見たかったXファイルだ!」というような出来でした。まだ見たことない人は是非見てください。「真実」とは何かと考えさせられる内容です。
ただ、これ「2017」やるんでしょうかね?やらないとダメなパターンと自分は思っていますが・・・・・




