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革命のデゼスポワール  作者: 宗篤
第二章 アイリスの三公女
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第四十四話 下された処分

 教官たちが来るころにはヴィクトールはすっかり観念して大人しくなり、素直に教官の指示に従って、自発的に歩くようにまでなっていた。頭が冷えて冷静になったということもあるし、ジヌディーヌがいなくなったことで張っていた気力の糸が切れたということもあろう。

 とりあえず処分が出るまではということで、ヴィクトールは外から鍵のかかる窓には鉄格子がはまった部屋に閉じ込められた。

 後の時代で言うならば軍にある営倉といったところである。素行不良の問題ある生徒を閉じ込めて更生させるための部屋だ。もっともこの時代の規律の緩い軍隊よりも更におおらかな士官学校では数年に一度くらいしか使われない。半ば無用の長物である。

 結論がなかなか出なかったのか、ヴィクトールはなんと丸一日近くそこに閉じ込められることになった。

 食事も差し入れられたし、トイレも汚いながらも設置されていたから最低限必要なものは揃っていたが、暗く小さく鉄格子が(はま)った窓がふたつあるだけで、本も何も無かったから、時間を潰す手段がないのだけが苦痛だった。ヴィクトールは横になって眠くもないのに寝るしかなかった。

 だから処分が決まったと言われてヴィクトール喜んだ。懲罰を言い渡されるのだとしても退屈よりは幾分マシである。

「しかしとんでもないことをしたな。あのターバート伯爵夫人に手を上げるとは」

 校長は部屋に入って来たヴィクトールを見るなり、挨拶も前置きもなくぎろりと睨んだ。

「退学ですか」

「にしたいところだがな。そうするとターバート伯爵夫人も退学させねばならなくなる。なにしろ君だけ退学させたのでは片手落ちもいいところだからな。だがターバート伯爵夫人を退学させるわけにはいかない。彼女は士官学校が平民に解放された初年度ということで、箔をつけるために無理に頼んで入学してもらったという経緯がある。後ろ盾も大きく、無理に退学させれば貴族社会からの反発が大きい。だから釣り合いをとるためにも君にも退学処分を下さない方がいいと結論が出た。とはいえこのまま士官学校に君を置いていては、ターバート伯爵夫人との間でさらなる騒ぎが巻き起こされることは必至だ。だから実地研修という名目で学校を離れてもらう」

 退学は覚悟していただけに、この処分はヴィクトールにとって想定外の出来事だった。

「・・・・・・いつまでですか」

「この騒ぎが収まるまで、君の頭が秩序や階級というものを理解するまで、ターバート伯爵夫人の怒りが収まるまで・・・かな」

「一生、戻ってこれない可能性もあるってことですか」

 なにしろラウラの言葉を借りるなら、ジヌディーヌは大層執念深いということだ。しかも甘やかされて育ったときている。軽く頬をはたかれたことなど、市井(しせい)の人間なら一晩寝れば忘れる程度であろうが、人生初めての経験となったジヌディーヌはそう簡単に忘れ去ってくれそうにない。

「そう言うな。帰る希望があるだけマシだと思え。こちらは辞表を書かなければならなくなったんだ。あと五年は校長を務めるつもりでいたのだがな」

「あ・・・! すみません」

 ヴィクトールは自分のせいで校長が辞任せねばならなくなったことを知り、深々と頭を下げた。

「気にするな。半分はお前のせいではない。生徒が生徒を誘拐する、実行犯の一人とはいえ、士官学校の外で生徒が変死する。しかも本来ならば授業のある時間にだ。これだけで首になるのには十分な理由だ。さらには裏で糸を引いていたのはターバート伯爵夫人という大貴族で、攫われた女生徒の一人は平民の出、これは第二身分と第三身分との間の対立を(あお)りかねない構図で、サウザンブリア公爵の顔に泥を塗ってしまった。誰かが責任を取らねば収まりがつかない。それも生徒などではなく、社会的身分のあるしかるべき人物がな」

「でも半分は私のせいなんですね。すみません」

「そう思うならば、立派な士官になるんだな。士官学校の教官というのは金銭のためだけにする凡百の仕事ではない。国家のため、戦場で兵を指揮できる士官を育て上げる名誉ある仕事だ。もし君が今回のことを教訓に、国の役に立つ立派な士官になってくれるというのならば、校長を首になっただけの甲斐がある」

「はい」

「救国の英雄ブイエ将軍のような、この男の将来の為に校長を首になったのだと私が誇らしい気持ちで皆に自慢できるような人物になれ」

「はい、ありがとうございます」

「励めよ。それから裏でお前を退学にしないよう、あちこちに働きかけてくださったお方がいる。感謝するんだな」

「・・・それは誰ですか?」

「自分で考えろ。目の前の出来事から真実を推察する力こそ戦場で最も求められるものだ。戦場には解答を教えてくれる教官も、明確な解答も無いのだぞ」

「・・・」

「話は以上だ。一時間やる。寮に戻って荷物をまとめて出発の支度を整えることだ」

 確かに賞罰は間髪置かずに行うことが重要と言われてはいるが、あまりにも急な話である。せめて一週間、いや数日は猶予があると思っていたヴィクトールは驚き慌てる。

「今からですか!?」

「今からだ」

「ずいぶんと急ぐんですね」

「当たり前だ。これ以上、揉め事が起こらないように、一刻も早くターバート伯爵夫人の手の届かないところに行ってもらう。(おおやけ)の処分が下った以上、君がターバート伯爵夫人に手を出すことも、ターバート伯爵夫人が君に更なる制裁を与えることも防がねばならんのだ」

「・・・・・・」

「レザンスカ教官、部屋まで付いて行ってくれたまえ」

「別に逃げやしません」

 そこまで自分は信用がないのかと憮然とするヴィクトールに校長は厳然とした顔を向けた。

「君が逃げる逃げないの問題じゃない。誰かが君に危害を加えないための措置だよ」


 ヴィクトールは寮に帰ると荷物を手早く(まと)めた。といってもここは士官学校であり、ヴィクトールは貧乏貴族である。荷物は下着と私服、数冊の本など中くらいの布製のカバンに悠々入りきる程度しかなく、十分(じゅっぷん)も必要なかった。

 寮を出て校門に向かうと、そこにはアルマン、エミリエンヌ、ラウラが待ち構えていた。

 レザンスカ教官は『忘れ物があるから』としばらく場を外す気遣いをしてくれる。

「ありがとうラウラ、俺が退学にならないように動いてくれて」

 ヴィクトールはまずラウラに謝辞を述べる。校長の話の通りにヴィクトールの処分を軽くするよう働きかけた人物がいるとするならば、それはラウラ以外にありえないと思ったからだ。

「どういたしまして。それにしても今回のろくでもない事件にもひとつだけいいことがあったわね」

「何が?」

「ヴィクトールが私に感謝をしたこと。人に感謝することを覚えただけヴィクトールはマシになった」

「それはひどい! ・・・だがまぁ今回のことは反省してるし、ラウラには本当に感謝してる。ありがとう」

「ヴィクトール、だけど感謝を言う相手は私じゃないわよ。私も少しは各方面に働きかけたけど、ナヴァール伯爵家として動いたんじゃなく、私個人で動いただけだから結局のところ大したことはできなかったの」

「それじゃあ誰だ? 俺の処分を退学程度に収めてくれようとした物好きな人物は? 君の父上か?」

「パパはナヴァールの地で今日も蛮族相手に奮闘しているわよ。王都(イス)に来て宮廷工作している暇なんてありゃしない。そもそもたった一日でイスからナヴァールに連絡を取ることすら物理的に不可能なのよ」

「ナヴァール辺境伯家ではないとするなら、いったい誰が?」

「馬鹿ね。貴方のことを知っていて、それだけのことをできる権力を持っている人は一人しかいないでしょ」

 しばらく考え込んだヴィクトールは違うとは思いながらも頭に浮かんだ一人の人物の名前を口にした。

「・・・まさかソフィーか!?」

「なにが『まさか』なのよ。あの方以外、ありえないでしょ? それともヴィクトールには他に権力者の知り合いがいて?」

「確かに・・・でも、そんな馬鹿な!」

「何が馬鹿なのよ。礼儀をわきまえたかと思ったら、すぐにこれだ。ホント、ヴィクトールはどこまでいってもヴィクトールね」

「ソフィーは明らかに大貴族の・・・ジヌディーヌの肩をもっていたじゃないか!」

 ヴィクトールの言葉にラウラは何もわかっちゃいないとでも言いたげに顔を背けて溜息をつく。

「いい、あの方の行動は全て政治的なの。あれはジヌの肩を持ったのではなく、これ以上、ヴィクトールがジヌに対して危害を加えることで処分が重くならないようにするのが第一の目的。第二の目的はヴィクトールの身柄をマリアンヌ様が確保すること。ジヌやその取り巻きに私刑(リンチ)を加えられることのないようにヴィクトールの身の安全を優先したのよ」

「俺だってちょっとやりすぎたかなとは思ってたさ。ソフィーが中に入って仲裁するなら、矛も収めた。あんなやり方で押さえつけることは無いだろう。それとも何か? 俺は言葉が通じない野蛮人にでも見えるのか?」

「見えるわね。喧嘩っ早いのがヴィクトールの悪い癖だもの。でも手荒に扱ったのはそういう理由じゃないわ。第三の目的としてヴィクトールに厳しい態度をとることで、貴族たちの不満を押さえたの。ジヌの頬をぶったことは女性に暴力を振う非紳士的な行為というだけでなく、貴族たちが何よりも重んじる家柄や門地というものを否定したも同然なのよ。ヴィクトールは多くの貴族たちから反感を買ったわ。頭に血が上ったヴィクトールは周囲の状況が見えてなかったから気付かなかったのだろうけど、ジヌの同級の騎兵科の貴族たちは貴方を殺しかねない雰囲気だった。厳しく扱うことで、マリアンヌ様はヴィクトールに正しく厳罰を下すに違いないとその皆に思わせるだけの効果はあった。あの場でヴィクトールを甘く扱えば、マリアンヌ様がヴィクトールに肩入れしていると感じ、どんな処分を下しても彼らは納得しないわ。退学にしないためにはあの方法がベストだった。それにね、もしマリアンヌ様が公然とヴィクトールに味方したらどうなると思う? ヴィクトールとジヌの(いさか)いはエミリちゃんが巻き込まれたこともあって、二人の個人的な争いというよりは平民と貴族の争いと捉えられかねない状況を呈していたわ。平民たちはマリアンヌ様が味方したと思って勇気づけられるでしょうが、同時に調子に乗る者も現れて貴族との対決姿勢を強めるはず。そうなれば貴族たちも黙っちゃいない。士官学校内できっと今回の事件よりも酷い争いが起きる。それではサウザンブリア公の肝煎りで始まった平民への門戸開放が失敗に終わってしまう。マリアンヌ様はそれだけはどういうことがあっても防がなければならない。何故なら平民への門戸開放の失敗は、平民との融和政策を掲げるサウザンブリア公の発言力の低下を引き起こし、微妙な均衡で釣り合いが取れている朝廷内の勢力バランスを崩してしまうからよ。しかも士官学校は平民に門戸を開放したとはいえ、未だ貴族の牙城。これからも起こるであろう貴族と平民との間の争いを防ぐためにも、貴族の暴走を防ぐためにもマリアンヌ様は貴族たちの代表として彼らの手綱を自分の手でいつでも握れるようにしておかなくちゃいけない。いくらサウザンブリア公のご息女だからって言っても皆は無条件に従わないわ。ヴィクトールばかり贔屓していたら貴族たちからの支持を失ってしまう。マリアンヌ様は私と違ってヴィクトール一人の身よりも貴族たちの心を取らなければならない立場の人なのよ。ここに来ない理由もそのせいよ」

「そうか・・・それで」

「マリアンヌ様はヴィクトールにいろいろと謝っておいてくれとおっしゃられていたわ。本当に細やかな、心優しい人なの。マリアンヌ様に感謝しなさいよね」

「ああ。今度会ったら、ぜひお礼を言うさ」

 だがヴィクトールとソフィーとはそもそも身分が違う。士官学校を出てしまえば口を利くどころか二度と会うことは無いかもしれない。

 ヴィクトールは心の中でソフィーに感謝の言葉を呟いた。


 友との別れを惜しむその姿をガスティネルは教室棟を繋ぐ渡り廊下から、じっと観察していた。

 それをヴィクトールに負けた無念さからくるものとルイは忖度(そんたく)し、声をかける。

「いいんですかい、このまま行かせて。勝ち逃げされたんじゃ俺らの面子が立たねぇ」

 ヴィクトールに対する呪詛が飛んでくるかと思ったが、ガスティネルは不思議と優しい表情ではにかんだ笑みを浮かべる。

「友との別れってやつさ。今、あそこに俺たちが出て行くのは野暮ってもんだぜ」

「でも・・・」

 ガスティネルが負けたことが本人よりも悔しいのだろう、ルイは心残りであるかのようにヴィクトールらを恨めしげに見続ける。

 ガスティネルはその間に既に身を(ひるがえ)して渡り廊下を立ち去ろうと歩き始めていた。そして口の中で小さくつぶやく。

「だがこの借りは必ず返す」

 その言葉を聞き取れなかったのか、ガスティネルの後を小走りで追ってきたルイが「なんか言いましたかい?」と問うが、ガスティネルは「なんでもねぇさ」とただ笑った。


 さて実はヴィクトールたちの様子を(うかが)う視線はもう一組、その場に存在した。

 ヴィクトールが士官学校から出ていくと知って、本来立ち入り禁止の校舎の屋上に上がってその様子を見下ろしている一団、ジヌディーヌとその取り巻きである。

「ほほ、いい気味だこと。実地研修と申しますが、(てい)のいい放校処分も同様です。あの者は私に手を出すという大罪に相応しい罰を受けたのです」

 ジヌディーヌはヴィクトールに処分が下ったことが嬉しくてならず、ここ数日にない上機嫌だった。

「いいんですか? ジヌディーヌ様が望んだ退学ではないんですよ?」と取り巻きの一人がジヌディーヌのライバル(一方的に思っているだけだが)であるソフィーの処分が甘いのではないかと言っても「あの小憎らしい顔を見ずに済むだけで十分です」と一向に気分を害した様子は見られないほどだった。普段はソフィーことマリアンヌのマの字でも会話に出るとヒステリーを起こすのにである。

「これであの者もジヌディーヌ様の恐ろしさ、思い知ったことでしょう」

 そうお追従を言われ、ますますジヌディーヌの心は爽快に晴れ上がる。

「もっともっと思い知ってもらわなくてはなりません。幸い、あの者が行くところはラインラントです。年に何回もブルグント軍と衝突が起こる紛争地域。毎年、士官も幾人もの戦死者を出します。その中にあの者が入っていないとは限らない」

 ジヌディーヌの心の内面が滲み出た恐ろしい言葉だった。

「それに・・・弾は必ずしも前方だけから飛んでくるとは限りませんわ」

 言葉と共に笑みに現れた腹中の黒い感情を隠すかのように、ジヌディーヌは扇子(せんす)で口元を覆った。


 ソフィーはその頃、王宮の一室で父であるサウザンブリア公爵と早めの夕食を取っていた。

 王、ダルリアダ公爵、大臣や警察長官や官僚たち、関係する部署が広域に渡る今回の一件を内々にて内密に処理するにはソフィーといえども無理である。宰相として王宮に詰める父サウザンブリア公の力が必要だった。というわけで根回しの為に父に付き添ってもらい、各部署を巡った。

 それはもうとっくに終わり、事件は落着したのだが、士官学校に入ってからは父娘のこういった会話もない、ちょうどいい機会だから食事を共にしようと父に誘われたのだ。

「早々に身分を明かさなければならなくなったのは残念だったな」

 サウザンブリア公爵は五人の子供が生まれたが、現存の子供は彼女一人である。すなわちサウザンブリア公爵位とその広大な領土は彼女が全て受け継ぐことになる。

 士官学校にソフィーを入れた理由は、平民が入学することで貴族たちの足が敬遠しないようにするためである。未来のサウザンブリア公爵夫人とお近づきになれると思えば、平民と机を並べることなど些細(ささい)なことだと考える貴族の子弟は多いのである。ちなみに三公女は同じ目的で集められたといってよい。客寄せパンダなのである。

 だがサウザンブリア公の狙いはそれだけでなく、彼女が世間一般に揉まれ、真の生々しい人間関係を見、一生の友を得、自身の身分がいかに恵まれているかを知り、未来のサウザンブリア公爵家の当主として大きく成長することもまた期待していた。

 それだけに公爵としては今回の一件は実に残念な出来事であった。

「ええ、残念です。ですがまったくの無駄というわけではありませんでした。正体を明かす前にヴィクトールさんに出会えました」

「ヴィクトール? ああ、カミーユの報告にあった、ターバート伯爵夫人を殴ったとかいう、今回の事件にかかわった・・・マリアンヌが正体を明かさねばならない切っ掛けを作った人物ではないか。カミーユの報告ではいらぬ騒ぎを巻き起こす要注意人物とあったぞ。そんな男と出会えただけで満足だと?」

「はい。確かに多少、性格に問題があるお人ですが、貴族という枠に囚われない柔軟な思考の持ち主で、時に冷静で時に熱血。宮廷でもなかなか類例を見ない人物とお見受けしました。あのラウラさんがぞっこんになるくらいで・・・本当にいろいろと面白い方ですのよ」

「ほう、マリアンヌが他人にそこまで興味を持つとはな」

 ソフィーは貧富や身分の高下で人をあからさまに区別しない。それは一件、素晴らしい美徳に思えるけれども、別の言い方をするとソフィーは他人に執着しないとも言い直せる。

 ソフィーは高貴な生まれの上、英才教育の賜物(たまもの)か性格も良く、頭脳も明晰(めいせき)である。他人に対して分け隔てなく接するソフィーのその態度は、実は無意識の優越感によるものではないかとサウザンブリア公は内心危惧していた。

 つまり自分以外を全て劣った者として平等に見下しているから、他人を全て同じように扱えるのではないかというわけだ。

 そのソフィーがヴィクトールという男に僅かではあるが執着を見せるのは良い傾向にも思える。

「仲良くなるのはいいが、ほどほどにな。自分の立場を忘れてはいけないぞ」

 だが相手は爵位どころか一寸の土地も持たぬ貧乏貴族だという。国の大黒柱となるソフィーとは身分が違うという思いがサウザンブリア公爵にそう言わせた。

「分かっております、お父様」

 ソフィーは釘を刺すかのようなサウザンブリア公の言葉に、にこりと微笑んで返した。

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