テンションアップダウン第五回勝負
「待ってたわよ!」
「「「「『…………』」」」」
あれからみんなで着替え、海に向かい今から遊ぶぞと言う時にまたもボクらの前に現れる風紀委員会一同。
「「豆渇さん、うざいですよー」」
「酷い!」
相も変わらず五月蝿い人だ。
「『それで何の用?』」
先程の対応よりもトゲトゲしくなっている吠天先輩。
「『……いい加減にしないと怒るよ?』」
普段は温厚な吠天先輩、しかし一度怒ると手がつけられなくなってしまう。
「あの…そのぅ……」
吠天先輩の雰囲気が変わった為、豆渇の口調に切れがなくなる。
「『…………』」
吠天先輩の態度がみるみるうちに不機嫌なものへと変貌していった。
「……それで何の用なの?」
吠天先輩が不機嫌になっていくのを察して、マナ先輩が変わりに会話を進める。
「…………私達と勝負をしない?」
「っ!」
「丹沙!」
マナ先輩が声を上げて吠天先輩を止める。
「…………邪魔しないで」
「今何をしようとしたの?」
「…………」
言うまでもない、吠天先輩は豆渇に対して暴力を振るおうとしたのだ。
「貴方も何で……」
「…………」
「先輩、勝負を受けてもいいんじゃないでしょうか?」
マナ先輩すらも怒気をはらみ始めた為、ボクが会話に参加し、そこで一つの提案をする。
マナ先輩はボクの表情から何かを察したのか「……わかったわ、丹沙も良いわね」と言い、そのまま吠天先輩にふる。
それに対し吠天先輩は無言で頷く。
「『……好きにして良いわ、でもしばらくは独りにして貰える?』」
吠天先輩はそう言うと無言で歩き出した。
「……じゃあ勝負内容はどうしますか?」
今まで黙っていたフィーが言葉を発する。
「「勝負内容はそっちが決めて良いよ」」
吠天先輩が居なくなってから黙ってしまった豆渇に代わり目姉妹が話し始めた。
「なら今から三時間後にこの紙に名前を書いて貰う、多くの名前を書いてある方が勝ちってことで」
目妹が懐から一枚の紙とペンを取り出す。
「わかった、今から三時間後にまたここで」
マナ先輩がそう言うってボクらは風紀委員会と別れ歩き出す。




