表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/69

第61話 最終決戦へ

 とりあえずの事情をロージーたちは理解してくれた。今はトールと名乗っているデリートがこれから一人の人間として生きていくという事に賛同してくれただけでもありがたい。僕は内心ほっとしていた。ロージーたちに賛同を得られなかったら、僕はどう生きていけばいいか分からなかったのは事実だったから。


「それじゃ、紅竜をどうにかすれば今回の騒動は終了ってことでいいんだな」


 相変わらずロージーの考えることは単純である。しかし、今回に限って言えばそれがありがたい。紅竜を倒せば終了であるというのはある意味正しいからだ。

「君は相変わらずだな」

「ふん、まどろっこしいのは苦手だからな! ところでまどろっこしいってどういう意味だっけ」


 だけど、情報を集めれば集めるほどに紅竜討伐が簡単なものではないというのが分かる。少なくとも、今までに紅竜が何かしらの攻撃で傷ついたという報告はない。それがエレメント魔人国の精鋭部隊の攻撃だったとしてもだ。


「現状、カヴィラ領の近くに戦場を想定しての対策案が挙げられています。そのために紅竜をそこまで誘導するために部隊全員にぺリグリンの召喚が義務付けられており、レイクサイド騎士団が総力を持って……と言っても攻撃が通用する精鋭のみになりますが、そこで迎え撃つというのがハルキ=レイクサイド様の作戦ですね」

「ロージーさん、なんでその作戦で僕らが呼ばれたんですか? ニコラウス先生も僕もいらないでしょ」

「知らん、お前らと一緒に行動しろと理由も教えてもらえんかった」

「ちょっと……」


 ノア=エンザの説明した作戦案は分かりやすかった。迎え撃つのはもちろんロージーが召喚した僕だ。タイタニスとニコラウスは非戦闘員とともに距離をとって迎撃には参加しないらしい。本当に、なんで呼ばれたんだよ。でも、僕が心配していることは他にもある。


「その間……」


「もちろん、ロージー様が召喚を行っている最中にトールの護衛というのは誰もいなくなります。さらにはトールが危険因子ではないということが証明されていない現状では召喚を阻止する指輪の着用が義務付けられるでしょう」

 

 ある程度の覚悟はしていたが、やはり徹底している。あくまでトールを信用することはないという構えだった。だが、ノアが言っている事が本当にハルキ=レイクサイドの意思かどうかは分からないな、とも思う。


 ノアがトールに指輪を渡した。それもらって、心配そうにこちらを見る。


「何もしていないトールを傷つけたら、どうなるか分かってるよね」

「もちろん。ロージー様が貴方を使って世界を焼き尽くすのでしょう? そんな事、させない」


 僕ははったりをかましただけだ。本当のところはレイクサイド騎士団が総力を挙げるまでもなく、トールに召喚されている僕はあっという間に強制送還されてしまうだろうし、ロージーに再召喚されたと言っても好き勝手に世界を滅ぼそうとなんてできるわけない。ただ、それは彼女も分かっているのだろう。


 ロージーが後ろであわあわしてる中、バチバチと火花でも散らしそうな勢いでノアとにらみ合っていたけど、不思議と彼女は信頼できると感じた。そのためか、少しにやけてしまったようだ。


「な、何ですか?」

「いや、君ならばロージーの奥さんとして立派にやっていけるだろうなと思っ……げふっ!」



 そして僕は久々に強制送還された。なんでだよ。



 ***



 住民の避難が終了したカヴィラ領では、レイクサイド騎士団による迎撃戦の準備が進められていた。


「ここで、戦うんだな」


 エレメント魔人国との国境に近い場所である。もともと荒野に近かったカヴィラ領であり、国境付近にも何もない。あるのはちょっとした大きさの岩くらいのもので川すら流れていなかった。ここならば存分に力を奮うことができるだろう。


「ねえ、ロージー」

「なんだ、ヒューマ?」

「なんか、調子悪くない?」


 すでに僕はロージーに再召喚されている。トールは召喚阻止の指輪をはめた状態でレイクサイド騎士団の鎧をもらっていた。御守りとしてタイタニスとニコラウスと一緒にいてもらっている。あの二人もそのくらいは働け。

 それなりに大所帯になっているとはいえレイクサイド騎士団の鎧を着ているということは精鋭の証である。身内に知り合いがあまりいない状態だったとしてもそこまで怪しまれない。幹部連中にはすでにトールがデリートだったことが通達されているが、末端の騎士団員にはそれは思いもつかないだろう。



 しかし、ロージーに再召喚された僕はなにやら調子悪い。というか、あまり強くないんじゃないか?


「ねえ、どういう事?」

「……久しぶりで、どうやって召喚してたっけな……って」

「君、たまに本当にポンコツになるよね」

「言うな」


 すでに「隼」を率いてヘテロ将軍が紅竜の所に向かっているのだ。これからもうちょっとしたら紅竜がここにおびき出されるはずである。なのに、なんてこった。


「大丈夫なのか!?」

「それはこっちのセリフだよ! 君の想像力が僕の全てなんだからね!」

「そんな事言われても仕方ないだろぉ!」

「仕方なくないよ! 君がちゃんとしてれば僕は究極なんだ!」


 これはヤバい。本格的にヤバい、ちょっと説教だ……と思ってたら空のかなたに何か見えた。くそ、無駄に仕事が早い。


「来たぞぉぉぉ!!」

「迎撃準備! 非戦闘員はペリグリン騎乗の上で距離を取れ!」


 将軍たちの号令が飛ぶ中、ど真ん中に陣取ったロージーと僕は焦りしかない。


「やべえ! どうしよう!」

「仕方ないよ、送還して再召喚して!」

「お、お、おう!」


 とりあえず再召喚しなおしてもらう。……変わってない!

 

 こりゃだめだ! さすがにハルキ=レイクサイドが何の対策も練ってないとは思わないけど僕が倒せるならばそれでいいと思っているに違いない。僕のためにもロージーのためにもここで失敗するわけにはいかないんだ。これでは第二形態が維持できるかどうかってくらいなんだけど、究極なんて言えない。多分、ゴッドの方が強いわ。あ、イライラしてきた。





あなたー! 大変よー! あなたー!

活動報告に乗せてた「やめるやめる詐欺」に沢山の人が反応していらっしゃってるわー……って


……おかしいわね、最近になってようやく体調もどったぜって言いながらカクヨム徘徊してたってのに


あなたー! ようやく2か月投稿されてない表示消えたんだから出てらっしゃーい!

え? 本当に完結に向かう? またあ、そんな事いって何言っちゃってるのかしら。無理よ、無理! そんな無理しないでいいわ! どうせ無理だから「やめるやめる詐欺」からの「エタ」になっちゃうんだって……え? 無理無理言うな? あ、どっか行っちゃった。


だいたい、この後書きの茶番だって書き方忘れるくらい書いてなかったってのに、ねえ。あら、ごめんなさいね!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ