113、にやける
井坂視点です。
クリスマスの朝は皆で騒ぎながら朝食をとった後に解散となった。
俺は詩織とデートの約束をしていたので、何年か振りに積もった雪の中を転びそうになりながら何とか自宅に戻り、自室で着替えをする。
そのときに少しでもカッコよく見えるようにと考えて、服を選ぶのに時間がかかった。
詩織と久しぶりに本格的なデートなんだ。
気合い入れないと…
俺は悩んだ末、温かいボアのついた白の長袖パーカーにグレーのダウンベストを身に着けて、ジーンズはダメージ加工されたお気に入りのものを履いた。
そして首にはネックウォーマーをつけ、一応鏡で自分を確認する。
そのとき寝癖が気になって、傍にあったワックスで誤魔化すように髪を少し立てた。
うしっ!これで完璧!!
俺は鏡に映る自分にカッコいいぞ!!と自画自賛して、ポケットに財布とケータイを突っ込んで部屋を出る。
約束の時間には余裕があるけど、じっとなんかしていられない。
早く着きすぎるようだったら詩織の家に迎えに行こうと決めて、俺は玄関で雪でも転びそうにない歩きやすいバッシュを選んだ。
「おいおい、帰ってきたと思ったらまた出かけるのか?忙しい奴だなー。」
俺が靴紐を絞めていると、後ろから兄貴が出かけるのか、俺と同じように普段よりオシャレしてやってきた。
兄貴は俺を押しのけるように横から玄関に出ると、いつも履いている靴を履いて俺を上から見下ろしてくる。
「なに?」
俺が無言で見つめられてる事に耐えられず口を開くと、兄貴がふっとニヒルな笑みを浮かべた。
「お前。詩織ちゃんと仲直りしたろ?」
「は!?」
「隠しても無駄だぞ。数日前のお前とぜっんぜん!!ちげーからな!!」
「ちげーって…どこがだよ?」
俺は平静を装いながら靴紐を絞め終えると、兄貴を見上げた。
兄貴は玄関の壁にもたれかかると腕を組んで自慢げに言う。
「まずは顔だな。あと、纏ってる空気もか。前までこの世の終わりみたいに暗くて、悲壮感たっぷりだったのに。今は気持ち悪いぐらい顔が緩んでる。そのだらしない顔、少しは引き締めねーと詩織ちゃんにげんなりされるんじゃねぇの?」
「げっ!?…!??!」
俺はげんなりされると言われて、思わず自分の顔を手で触る。
すると目の前で兄貴がゲラゲラと笑い出した。
「わはははっ!!おっまえ、本当、分かりやすいよなー!!自分の弟だとは思えねぇ。」
「なっ、なんなんだよ!!俺だって、兄貴が俺の兄貴だとは思いたくもねぇよ!!」
俺はバカにされてると分かったので、黙ってるのが嫌で歯向かった。
すると、この騒ぎに気づいたのか母さんがリビングから出てきて声を上げた。
「玄関で何騒いでるの!?あ、拓海!!帰ってるなら、一回リビングに顔出しなさい!!」
俺は背後から怒られて、そういえば帰るなり自分の部屋にいったな…と思って、「悪かったよ。」とだけ言って立ち上がった。
すると、パタパタと母さんの足音がして、パーカーの袖を引っ張られた。
「拓海。今度はどこに行くの!?」
「あー…。ちょっと…街まで出かけてくる。」
俺は詩織と行くというのを隠して告げた。
以前こっぴどく叱られたのもあって、母さんの前では詩織の話はしないできたからだ。
すると、兄貴が顔を背けて含み笑いするのが見えて、イラッとした。
誰のせいで、俺がこんな堅苦しい思いする羽目になってると思ってんだ!
「街までって…、誰と?昨日は舜君の家でクリスマスパーティしてたんでしょう?二日も連続で遊ぶつもり?」
母さんは赤井とだと思ってるようで、俺はそれにのっかろうと「そうだよ。」とだけ返す。
確か赤井も小波とデートだと言っていたし、ここで赤井とだと言っても問題ないだろう。
すると母さんはじっと俺の横顔を見つめたあと、「嘘ね。」と言ってきて、俺はビックリして母さんに振り返った。
母さんは半眼で俺を睨むように見つめていて、俺はどこで嘘がバレたのかと肩を強張らせた。
「このジーンズお気に入りのやつでしょう?髪にワックスまでつけてオシャレしてるし…。それに、しばらく履いてなかったバッシュまで引っ張り出して…。舜君と遊ぶだけなら、もっと適当な格好で行ってたじゃないの。」
俺は母さんに厳しくチェックをいれられて顔が引きつってくる。
なんで分かるんだよ…
後ろでは兄貴が声を殺しながら笑っている。
「それに、見るからに数日前より顔色がいいわね。…詩織ちゃんと仲直りでもしたの?」
!?!?!?
俺が目を剥いて驚いていると、背後で兄貴がとうとうブハッと吹きだした。
すると母さんは睨んでた目を優しいものに変え、口元に笑みを浮かべて言った。
「本当に詩織ちゃんが大好きなのね~…。拓海のそういう顔がまた見られるようになって、何だか嬉しいわ。」
「!?!?――――っ!!」
母さんから大好きなんて言葉が出るとは思わなくて、俺はぐわっと顔に熱が集まり真っ赤になった。
母さんはそんな俺を見て楽しそうにクスクス笑う。
背後では兄貴が大爆笑だ。
「そこまで分かりやすいと、なんだか陸斗と違って安心するわ。今まで厳しく目を光らせてたけど、大丈夫そうね。」
ここで兄貴の笑いが止まった。
きっと俺と比べられた事に気分を害したに違いない。
いつもそうだから、背後から伝わる空気で気づいた。
でも母さんはそんな兄貴を気にもせずに続ける。
「今度、詩織ちゃんを家につれてきなさい。」
「は!?何で!?」
「だって、これから長い付き合いになりそうだし…。お母さんだって、詩織ちゃんとお話したいから。」
「はぁ!?!?」
俺は何を話すつもりだ!!と声が裏返った。
「拓海。詩織ちゃんをつれてきてくれたら、お母さんも寛大になってもいいのよ~?」
「は…?」
母さんがニコニコしながら、意味深に言ってきて、俺は首を傾げて母さんを見つめた。
「例えば、私たちのいない間に詩織ちゃんを家にあげていても、一回なら目を瞑ってあげてもいいかなぁ~。あ、旅行に行きたいとかあるなら、お父さんにかけ合ってあげてもいいのよ~?」
「マジで!?」
俺は思わぬお許しに自然と声が大きくなって、俺は慌てて口を押さえた。
ヤバ…母さんの口車にのせられた…
俺が口を押えるのも遅く、母さんはキランと目を光らせると、俺の肩を叩いて言った。
「ふふっ!つれてきてくれるの、楽しみにしておくわね。それじゃ、楽しんでいらっしゃい。」
俺は有無を言わせぬ雰囲気で約束させられ、ぽかんとリビングに戻る母さんの背を見つめた。
これは…つれこいって脅迫だな…
そのとき背後で扉の開く音がしたと思ったら、兄貴が「いつまで良い子ちゃん続けるんだか…。」と呟いて出ていった。
俺はそれを耳にしてイラッとしたが、もう口喧嘩するのも面倒だったので、その場でため息をつくと、兄貴が出てしばらくしてから自宅を後にしたのだった。
***
結局、出先に兄貴や母さんと揉めたのもあって、詩織の家に直接迎えに行く時間はできず、待ち合わせ場所の時計公園でベンチに座った。
久しぶりの雪に興奮している小学生を横目に、白い息を吐き出しながら詩織が来るのを待つ。
それにしても今朝は最高な気分だったなぁ~…
俺は詩織の寝顔を思い出して、顔が気持ち悪いぐらい緩む。
俺はそれを周囲に見せないように手で口元を押さえて隠すと、今朝のことを思い返した。
朝方、俺は皆より一足早く目を覚まして、目の前にある詩織の寝顔に癒されていた。
子供みたいに柔らかい頬に口付けると、詩織をギュッと抱きしめて、彼女の温かさに嬉しくなった。
だから幸せすぎて、二度寝してしまったわけだけど…
それに起きてすぐ詩織から「おはよう」と言われたのも堪らなかった。
まるで結婚した夫婦のようで、思わず脳裏にそういう光景が浮かんだ。
俺たちは新婚で、一緒のベッドで寝ていて、目を覚ますと詩織が「おはよう」と言ってくれる。
俺はそんな詩織におはようのキスをして、すぐには起きずに柔らかい詩織を抱き締める。
それからベッドから出るのを渋りながら、二人で朝ごはんの準備をして、コーヒー片手に「休みだったらいいのにね。」なんて笑い合う。
ヤバい…幸せ過ぎて、顔が元に戻らねぇ…
俺は手で隠した下がにやけまくっていて、広がった妄想から抜けられないでいた。
俺の未来には必ず詩織の姿がある。
これから先の大学を想像しても、横には詩織がいて楽しいキャンパスライフを送る。
就職していても、詩織の姿なしには幸せな時間は想像できない。
疲れて家に帰って「おかえり」なんて言われたら最高だ。
俺は自分の妄想に照れて、顔全体を手で隠す。
すると、そのとき前から視線を感じて、手の隙間から前に目を向けると、小学生が3人、雪玉を手にじっと俺を見つめていた。
「何だよ?」
俺が口元を隠したまま小学生に尋ねると、ニット帽をかぶった2年生ぐらいの男子が俺を指さしてきた。
「お兄ちゃん、さっきから一人で笑ってる。なんで?」
子供にズバッと訊かれて、俺は思わずゴフッと息を吹きだした。
「なっ…!?なんでって…!?」
「僕らは皆で雪で遊んでて楽しいから笑ってたけど、お兄ちゃんは一人だよ?一人が楽しいの?」
「一人で雪遊びするの?」
「そんなの楽しくないよ!!それにお兄ちゃんは雪遊びしてなかったよ!!」
俺が答えない間に気の強そうな女の子が、俺に質問してきた男の子とその横のぽっちゃりした男の子に言った。
俺はその女の子のハキハキした言い方から小波を思い出して、じっとその子を見つめてしまう。
「でもお兄ちゃん笑ってたよ!!すっごく嬉しそうだったもん!」
「だけど、雪遊びで笑ってたんじゃないよ!ゆな見てたもん!!お兄ちゃんは何もしてなくても笑ってた!!」
そのゆなちゃんという女の子に何もしてなくても笑ってる所を見られたようで、俺は隠したはずが見えていたのかと恥ずかしくなる。
俺の奇怪な行動に少年、少女の間にケンカが起こりそうで、俺は仲裁するように口を挟む。
「ごめんな。お兄ちゃんが一人で笑ってたから気になったんだよな。」
俺が笑顔を三人に向けると、ニット帽の男の子が目を何度か瞬かせて口を開いた。
「なんで笑ってたの?」
「うー…ん。そうだな…。嬉しい事があったからかな。」
「「嬉しい事!?」」
三人は興味津々なのか俺に詰め寄ってきて、俺は三人からの圧力に仰け反った。
「なに!?教えてよー!!」
「そうだよー!!嬉しい事ってなにー!?」
俺は三人からの圧力に負けて、思いついたことを口にする。
「あっと…、その、今日、デートだからかな…?」
「デート!?」
「デートって何?」
ぽっちゃりとした大人しそうな男の子が『デート』が分からないようで、ゆなちゃんに話しかけると、彼女が「好きな人同士が遊びに行く事だよ!」とハッキリ言う。
俺はそんな子供らしいやり取りを見ていると、ニット帽の男の子に袖を掴まれた。
「お兄ちゃんは好きな人とデートするの?」
「そうだよ。」
俺は自然と詩織の笑顔を思い返して、顔がまた緩んでくる。
するとその子が目を輝かせて嬉しそうに言った。
「だから笑ってたの?」
「そうだな。」
「デート楽しみなんだね。」
「…まぁな。」
俺はなんでこんなことを見ず知らずの子供に話しているんだろうとおかしくなってきた。
そのとき、俺の耳に「井坂くーん!」という詩織の声が入ってきて、俺は反射的に立ち上がると公園の入り口を見た。
そこには詩織がおぼつかない足取りで小走りにこっちにやってきていて、俺は転ぶんじゃないだろうかと思って詩織に駆け寄る。
「詩織!地面、凍ってるとこあるから走るなって!!」
俺が注意すると、詩織はハッとして急に足を止めた。
そして、はにかむような笑顔を見せて「そうだね。」と言ってゆっくり一歩前に足を出した。
その瞬間、ちょうど凍っているところに足をのせたのか、詩織が足を滑らせてバランスを崩すのが見えた。
あぶっ!!!
俺は傍まで来ていたので、思いっきり手を伸ばすとバランスを崩しかけた詩織の腕を掴んだ後、体を支える。
「――――っ!!っぶねーー!!!」
「あ…っははは…。危なかったぁ…。」
詩織は血の気を失ったような青い顔をしていたけど、転ばなかった事にほっとしているのか笑い出す。
俺はそんな詩織を支えながら、気が緩んで同じようにおかしくなってくる。
「ははははっ!!注意しても意味ねぇじゃん!」
「あはははっ!!ごめん、ごめん。」
俺と詩織がそうして笑い合っていると、さっきの小学生が駆け寄ってきて、きゃいきゃい言いながら騒ぎ出した。
「お姉ちゃん、可愛いねぇ~!!髪の毛ふわふわしてるー!!」
ゆなちゃんが女の子目線で詩織の髪型を褒めて、俺はそういえばと詩織の髪を見て驚いた。
詩織は髪を巻いているのかいつもと雰囲気が違う。
俺は少し大人っぽい詩織にドキッとした。
「えへへ。ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。」
詩織は俺から離れるとゆなちゃんの前にしゃがんで嬉しそうに笑っている。
そこへ例の男の子も近寄ってきて、詩織に話しかける。
「お姉ちゃん。そのお兄ちゃんとこれからデートなの?」
「うん。そうだよ。」
「それって笑っちゃうぐらい楽しいの?」
「うん?そうかな?」
ニット帽の子は俺が笑ってた理由がそんなに気になるのか、詩織にまで同じことを聞いていて、俺は横でにやけてた事をバラすなよ~と念を送った。
「じゃあ、お姉ちゃんはデート楽しい?笑っちゃうぐらいに?」
「あははっ!そうだね。笑っちゃうぐらい楽しいかな。」
詩織は満面の笑顔を三人に向けて、小学生たちは楽しそうにきゃあきゃあと騒ぎ出す。
それを見て詩織はニコニコと笑っていて、俺は子供にも優しい詩織が最高だなんて思っていた。
「僕も大きくなったらデートしたいな!」
「そっか。じゃあ、大きくなるのが楽しみだね。」
「僕が大きくなったら、お姉ちゃん。僕とデートしてくれる!?」
は!?!?
俺は子供の発言だとはいえ、ナンパのような言葉に驚いて、頬を赤くしている小学生を睨んだ。
ニット帽の子はキラキラした目を詩織に向けて、本気のような表情で詩織の言葉を待っている。
俺はそんな子供相手にイラッとしてきて、言い返そうと体を小学生に向けた。
そこへ詩織が俺の服の裾を掴んできて、その子を諭すように口を開いた。
「う~ん…と、デートっていうのは、好きな人とするものなんだよ?」
「知ってるよ。」
「じゃあ、なんでお姉ちゃんなのかな?」
「だって、お姉ちゃん、すごく可愛いよ。ふわふわのウサギみたい!!僕、ウサギ大好きなんだ!」
その子のストレートな告白に俺はずっこけそうになった。
確かに今日の詩織は白いふわふわしたダウンを着ていて、フードに真っ白な毛もついているからウサギに見えるかもしれないけど…
それだけで、デートの考えに至るなんて…子供の思考回路はよく分からん。
「そっか~…ウサギみたいか~…。でもなぁ、お姉ちゃんはお兄ちゃんが大好きなんだよね~。」
詩織が困ったように口にした『大好き』という言葉に、俺は過剰に反応する。
ただ『大好き』と聞いただけで顔がニヤけて、思わず顔を横に逸らす。
「だからきっと、君が大きくなっても、お姉ちゃんはお兄ちゃんが大好きだから…デートはできないと思うなぁ~。」
「そっか…。僕のパパとママみたいに、ラブラブなんだね。」
「ラッ!?…う、…ううん…?そ、そうだねぇー……。」
詩織がラブラブという言葉に照れたのか、後ろから見てて分かるほど耳を赤くさせている。
俺はそれを見てるだけで、詩織の気持ちを感じて嬉しくなってくる。
「分かったー!お兄ちゃんもデート嬉しいって言ってたから、僕諦めるよ!!」
げっ!?軽くバラした!!
俺はさっき言ったことをサラッと詩織に言われてしまい、小学生をキッと睨みつけた。
詩織は「そうなんだ…。」と言って、俺にちらっと振り返ってくると、なんとも嬉しそうな笑みを浮かべる。
俺はそれにやられてしまって、小学生に文句を言えなくなった。
まぁ…詩織が喜んでるならいいか…
「ねぇー!!雪合戦するんじゃないのー!?」
ゆなちゃんが俺たちに飽きたのか、雪に興味が戻ったのか、ニット帽の子に叫んできた。
ニット帽の子は「あいつ、うるさいよな。」と詩織に言ってから、「分かったよ!!」とゆなちゃんに返す。
ゆなちゃんはムスッとして「早く!!」と急かしている。
ここで俺にも小学生の関係性がなんとなく分かってきた。
ゆなちゃんはどうやらこのニット帽の男の子が好きみたいだ。
だから、詩織とばかり話すニット帽の子を引き離そうと急に雪合戦と言い出した。
子供らしい可愛い嫉妬だな~と俺は小学生を見守る。
すると、ニット帽の子が詩織に「またね、お姉ちゃん。」と言ってギュッと抱き付いて、俺は目を見張った。
は!?!?
男の子はすぐ離れると、手を振ってゆなちゃんとぽっちゃり男子と一緒に走っていく。
詩織は手を振り返しながら「可愛い~。」と言って笑ってる。
俺は子供とはいえ、ちょっとの間、詩織をとられた気分で、詩織が立ち上がった瞬間にニット帽の子に負けじと詩織を抱きしめた。
「えっ!?井坂君!?」
詩織は俺の行動にビックリしたのか声を上げて、俺は詩織の体をポンポンと叩いてからすぐ離れた。
「うし。行くか。」
「へっ!?今の何?」
俺が詩織の手を掴んで歩き出すと、詩織が頭上にクエスチョンマークをいっぱい浮かべた顔で尋ねてきて、俺は話す気はなかったので「何もねーよ。」と言って歩みを進めたのだった。
いつまで経っても、俺は本当に心が狭い…
俺は背後に聞こえる小学生の騒ぐ声を聞きながら、詩織の手を強く握りしめた。
子供のハイテンションな感じを書くのが楽しいです。
井坂の妄想っぷりも拍車がかかってます。




