73 ウブ娘がヒーローの余裕を崩す流れ
「殿下には触れられても平気なのは何故なのかしら……」
(クソデカ意中の相手にしっかり聞こえる爆音独り言)
「ほんっとに……君は計算なしにそんなことを言っちゃうんだから……」
(いつも余裕綽々俺様ヒーローのレア赤面顔~手のひらで口元抑えを添えて~)
「えっ(わたくし何かおかしなことをまた……!?殿下のお顔が赤いわもしや熱でも!?)」
(ほらわたくしの世慣れぬ物慣れぬ鈍感恥じらい頬赤らめ涙目を見て)
ここまで会話文をカタカタ、タッターン!してて改めて思ったわ。
『ウブ娘がヒーローの余裕を崩す流れ』カタカタしてて思った。
俺はウブ娘に故郷の隠れ里でも燃やされたんかもしれん。
なんぞこの敵対心は。
悪意しかねえ。
文章から立ち昇るイキリの淀み具合すげえわ。
やばい真の聖女に浄化されてしまう。
はんっ! これほどの淀みを浄化できる聖女なんているのかよ?
あの時、俺たちを、国は、お前は……見捨てたんだ!
ならもう俺は我慢しねえ!!!!!
そんなんで好感度上がるんまじかよ初心っ子☆を憎み続けるだけだ!!!!!!
ふふ、聖女様とやらよ、俺の淀みとあんたの力……どっちが強いかな……?
勝負だ……!!!!!!!
(赤面を熱があるのではと勘違いする流れもうやめてくれえ)
(相手のおでこに触れ熱を測ろうとすんな)
(おでことおでこをコツンレベルの最強ウブ娘が俺の力を強くするんだ)




