55 頑な属>鈍感種について一度じっくり腰を据えて話し合おうじゃないか
「え? 君は一体何を――」
スキル《猛烈な話遮り≫発動!
「ええええ。私はわかっていますわ。あなたが本当にお好きな方と結ばれるよう私も祈っておりますわ」
「いやだから――」
スキル《相手の話は聞こえない≫発動!
「婚約解消は早いほうがよろしいのかしら?父には私からいえそちらから話して頂いた方がいえお気になさらずにこれは円満な解消であるのですからそうですわ頂いたこの指輪はどうしましょうやはりお返しすべきですわねでも次の婚約者の方にそのまま同じものを渡すといいうのもおかしな話になるのかしら――(ぺらぺらぺらぺら)」
スキル《独演会≫発動!
落ち着け。
落ち着け。
頑な属主人公落ち着けって!
「……俺と結婚してください」
「え……(ああ!なるほどこれは予行演習なのね!)お相手の方とっても喜ばれると思います!」
「……は?」
「それなら私との偽装恋人の契約も早く終わらせた方がいいでしょうね!こちらの借金返済の目途も立ちそうですし(ぺらぺらぺらぺらぺらららら~ら)」
「…………」
鈍感種!
もう……!!
もう!
さ!
君ら!
さ!
なんでそんなに「私の感じたことは絶対に間違っていないの!」って思ってんのか?くらい頑ななの?
「私の受け取り方以外はこの世に存在しないわ!」
みたいなさあ。
私はこう感じた!
↓
だから事実はこうなの!ほかの選択肢はあり得ない!
みたいな。
その瞬間的な一方的独断偏見判断なんなん。
イキリの才能あるんじゃない?
ええよ?弟子入りしても。
ほんで君らさ?ヒーローの動作とか表情見てみ?
1回落ち着いてゆっくり見てみ?
君らなんかおかしなことゆうてるってわからんか???
こういったケースって、心理学の世界では『認知の歪み』に該当するらしいですよ。
詳しくは知らん!がな!
前に『親ガチャ』って言葉が少し流行ったじゃないですか。
その時に知る機会が増えたんですよ、『親ガチャ』ってどういうものなのか。
で、そっから『認知の歪み』って言葉を知ったんです。
これってもしかして私にも歪みの可能性が……と思いましたね~。
ひやっとしました。ひやっと。
私は絶対に当てはまらないって言い切る人も逆に怖いですよね。知らんけど。
で、「これって頑な鈍感系の子にも当てはまるやん!」ってなったんですよ。
自分の捉え方だけがいつでもどこでも唯一正解で、複数の捉え方選択肢があると仮定した上での言動ができない。
プロポーズを別の女性の為の予行演習だと捉えた主人公ちゃんとかまんま認知の歪みですやん!
(使い方合ってる?)
この認知の歪みっていう概念を知ってしまってからは、もうなろう恋愛界のヒロイン主人公ちゃんたちの多くが巻き起こすただの鈍感すれ違い演出を違う観点から見つめてしまうのよ。
あの子ら、世の中の多くの人達とは違う脳の働き方でもしてんねやろか、みたいな。
ファンタジーライトフィクションラブ物語に対してだぜ???
フィクションだぜ??????
なーにを偉そうに素人が違う観点から見つめてんねん。
見つめんなって。
まとめ
・ヒーローの考えを自分軸で決めつけないこと
・主人公ちゃんの行動すべてが認知の歪みって言われたらもうそれまで
・認知の歪みを用いた論破は封印しよう
・しかしながら自分も認知の歪みな可能性を常に意識する
・そして突然のプロポーズが本当に予行演習だとしたらその男はクソです
・すぐに離れましょう
・周りの女子に言いふらしましょう
・パパにも報告しましょう
・あなたのことを実は好きな王弟、義弟あたりにも報告
・鈍感系ってまじで匙加減難しいね
・じれじれじゃなくていらいら?
・主人公へのヘイト解消の困難さ
・ワイは誰やねん




