38 高位貴族教育の矛盾
異世界恋愛ジャンルの物語によくあるんですが、
ライバル当て馬公爵家令嬢が、狙っているとても素晴らしいお家に容姿のヒーローの婚約者である伯爵家令嬢主人公を攻撃してくる。
または、
ライバル当て馬公爵家令嬢が王子様の婚約者の公爵家令嬢である主人公を攻撃してくる。
のような、高位貴族令嬢が読者のヘイトを稼ぐ役割を担っている場合なんですが、
彼女達(高位令嬢)って、
「貴方(の身分)では相応しくありませんし、彼は本当は私を愛しているの」
「私はあの方を愛しているの。だから婚約を解消なさい、いいわね?」
みたいな高位貴族権力振りかざしつつ発言してくる場合あるやん?取り巻き連れて。
あー嫌なやつ来たざまあされる子らやん、て。
あの子らってざまあの為に基本頭おかしめキャラにされがちよな。
でもよくよく考えると、身分を前面に押し出しといて、高位貴族の政略結婚教育受けてその発言っておかしない?
だから頭がおかしめキャラである必要があるんかな?
彼女達の自信の源は高位貴族であること、政略結婚とは何か、を徹底的に叩き込まれているはずなのに、主人公に対しての攻撃方法が『ヒーローと自分の間にある愛情』『自分がヒーローに向ける愛情』を基にしとる場合あるよな。
自分の家との婚姻でもたらされるもの、じゃなくてね。
君らが住んどるファンタジー物語の設定、貴族教育と相反する主張じゃね?
愛情ではなく家の為になるかどうかが政略結婚じゃないの?って。
なのに「私の方が愛されてるの!」を理由に攻撃をしてくる理由ってなに?
まだ「私の家の方がふさわしいのよ」って理由の方がしっくりくるっていうか。
結局は政略じゃない恋愛結婚をしたいってことなんかな?
それにしては「政略結婚なのだから愛されるなんて思わないことね」みたいな発言令嬢もおるやん?
でもきっちりヒーローが好きで、みたいな。
愛なの?違うの?どっちなの?
複雑な乙女心ってやつ?
これが乙女ゲーム系の元平民逆ハー狙い"ヒロイン"が『愛』発言するならまあそうよなってなるよ。
政略結婚なんて教育受けてないもんもんもん。
ほんとのとこは『愛』に隠した『権力欲』だけどな!
無能な王子と有害"ヒロイン"がざまあされるのがメインテーマなら王子がいくら「真実の愛を選ぶ!」発言しても、
「"ヒロイン"ちゃんに毒されとんやな」
「身分違いで結婚できないから真実の愛を選ぶって理由付けが必要なんよな」
で納得できるっちゃあできるんだけども、高位貴族令嬢の場合、ヒーローと結婚はできる身分ではあるじゃん?
なのに『愛』を根拠にヒーローを奪おうとするのってどうしたん?
貴族に囲まれて育った生粋のお嬢様がどこでそういう考え方を手に入れたの?って。
貴族の結婚なんて世継ぎを産んだらお互い好きにしていいんでしょ?
なんで今そんな必死になって恋愛を成就させようとしてるの?
しかもそういう子らって平民を見下してんのがデフォよなあ?
だったら余計「愛だの恋だので結婚相手を選ぶだなんて馬鹿らしいですわ」くらい言いそうなのに。
でも王子様が相手なら必死にもなるか。権力が手に入るんだし。国母だし。自尊心満たされまくり。
それに政略結婚相手がどうしても生理的に無理、もあるかあ。
やばいひどい相手に嫁がされるくらいならわがまま放題で育った令嬢は自分の想いを成就させようとするのは自然な流れ?
でもさ、大体のライバル当て馬高位貴族令嬢って婚約者いない設定だよね?
しかも高位貴族なら変な縁談は家の権力でつぶせるよね?
他国の大国王族関係者相手ならつぶせない可能性もあるけど、それならそもそもヒーローと婚約しても無理だよね?
権力持ってんならいくらでもましな政略結婚ができそうなもんなのに。なんでヒーローにこだわるんだ?
そんなに好条件が揃ってるのかヒーローは。それとも愛か?愛なんか?
もしかしてファンタジー物語内の恋愛小説の影響?愛読してんの?
THE高位貴族令嬢キャラ設定なのに『愛』を根拠に主人公を攻撃してくるのを不思議に思ったいちゃもんエッセイ終わり。
そうじゃないと物語が始まらんやろがい、の指摘はセルフで実施済みだから感想欄荒らさないでね♡




