170 殴られそうになった誰かをとっさに庇う時、主人公さんは両手を広げて立ち塞がるけどそれよりその誰かの体を引っ張るなり押すなりしてその場から離れさせた方がよくない?
よおあるよねこの展開。
攻撃されそうになった誰かの前にバッと立って両手を広げ庇いキッと相手を睨みつける主人公さん。
もしくは、
攻撃されそうになった誰かの前にバッと立って両手を広げ庇いつつギュッと目を瞑る主人公さん。
※この時もれなく副音声の《他者を守る心を持った勇敢な主人公さんて素敵でしょう?》が聞こえてきます。
いやいやいや。
そんなことで相手の攻撃止むか?庇えるか?
殴りかかってくる多数派なのは横柄な貴族坊ちゃんだったり、素行の悪い騎士崩れみたいな男なんだけど、言葉でうまく反論できない自分の意見が通らないからってだけで女性相手にも平気で手を上げるタイプのメンが別の人間、しかも女性が割り込んできたからってその手を止めるか?
止めないよねえ?
しかもなんかむちゃくちゃテンポ悪いっていうか。
相手が攻撃を仕掛けてきた!まずい!の本来瞬発力が求められてる場面なのに悠長にしっかり立ち塞がって両手までしっかり広げるって何?
絶対そんな時間ないから!
どう考えても正解なのは一緒に地面に倒れこむくらいの勢いで相手を突き飛ばす、じゃないの?
なんぞ5メートル先から敵は歩いてきよるんか?
両手を広げてその場にとどまるだけって何?
アクション映画なら間違いなく駄作って呼ばれそうな仕上がりっていうか。
しかし中にはその場にとどまらずに拳の前にバッと飛び出してしっかり殴られたりビンタされる主人公ちゃんもおります。
正しい庇いできるやんけ……!
ほんで後から知ったヒーローめっちゃキレてるやんけ……!
(参考文献:78 俺の女に手を出した男に普段見せない強烈なとてつも威圧で場全体を恐慌に陥れるヒーロー、それを女性主人公が収める華麗なるマッチポンプについて)
はい、ではなぜ正しい庇いができるのに『両手を広げて立ち塞がる』タイプが存在するのか。
わたくしの統計によると『両手を広げて立ち塞がる』タイプの主人公さんのすぐ後にはヒーローが颯爽と現れ、庇い主人公を逆に庇い救出、相手を威圧ターンが100%用意されています。
主人公さん実はめちゃくちゃ安全なんです。
自分も庇われるので。
相手の腕をヒーローがバシッと掴んで止めてくれるので。
ですので、ヒーロー颯爽登場庇われトキメキ相手はざまあよ☆イベントの為にこの『両手を広げて立ち塞がる』タイプの主人公さんが存在しているとも言えるのです。
もしくは現在敵側の手を出す振りクソ野郎がダークヒーローで主人公の身を挺して庇いムーブを見て主人公に興味を持ち始め――の流れを作る為。
まあそうですね、とにかく『両手を広げて立ち塞がり』も『しっかり庇い殴られ』もヒーローとの絡みの為だけに存在しているという点さえ押さえておけば問題はないでしょう。
こっから余談。
危険な時に目をギュッとつむっちゃうのってそれだけで生存確率減るくない?
一種の諦め現実からの逃避行動っていうか。
あ、でも、ボールが急に飛んできた!石が!みたいな場合目をつむるのは眼球を守ることに繋がるから一概にはすべての目つむりが生存確率低下とまではいかないかも?
ほんで咄嗟に大きなどこまででも通りそうな甲高い悲鳴を上げられるのは生存確率上昇してると思うんだよね。
人々の注意を引くという点で。
萎縮して声が出なくなる動けなくなるタイプがまずいっていうか。
いやでもパニックホラーとかだと声を出すことによって居場所バレみたいな展開もあるし、パニックで騒いで当たり散らすだけの無能な観客のヘイト買う洋画のヒステリック女子キャラみたいなパターンもあるか。
何はともあれ咄嗟に動けるようトレーニングしとけば悲鳴は後からでもええか。
ちょっと古武術習ってくる!
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