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【完結】この神が送り届けよう〜白の世界から迷子救出!〜  作者: 仮面大将G


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第91話 電気の世界 その1

 城田が白いドアを開けると、そこはバチバチと電流が走る雲の上。雷雲の上に街のようなものがあり、奥にはぼんやりと城のような建物が見える。

 城の周りにも青い電流が迸り、今までの平和な異世界と比べてかなり物騒な様相だ。

 そんな光景を見て真美が声を上げた。



「わお!めっちゃ電気だね!私も一緒に流れようかなー!」



「意味がわかんねえ!!電気になるんですか!?」



「ううん!竹でできたレーンみたいなので流れようかなーって!」



「なんだそれ!!流しそうめんか!!」



「ううん!流しハリネズミ!」



「流すなそんなもん危ねえな!!」



 城田はバチバチと迸る電流を見ながら、どんぶりに盛った白飯をかき込んでいる。



「何してんだお前!!おかずにするもん特殊過ぎるだろ!!」



「うん?電流はジューシーで肉汁が溢れて来るものではないのか?」



「電流のことステーキだと思ってんの!?」



「いや、牛脂だと思っているぞ」



「どっちでもねえわ!!ちょ、いいから米置け!!とりあえずあの城目指すぞ!!」



「えー?なんで?私この電子レンジちゃんと遊びたい!」



「なんで電子レンジがいるんですか!!え!?いつの間に!?」



 瞬が一瞬目を離した隙に、真美は四角い箱のようなものとじゃれていた。

 箱のようなものには目と口が付いていて四足歩行の動物のようになっている。



「こんにちマイクロウエーブ!僕は電気の世界の管理人、蓮司(レンジ)だマイクロウエーブ!」



「語尾マイクロウエーブなのかよ!!主張強いな!!」



「みんなにこの世界のミッションを伝えに来たマイクロウエーブ!みんなは家電に拘りあるマイクロウエーブ?」



 蓮司は主張の強い語尾で三人に問いかける。



「うーん、私はとりあえず全部お札貼ってあればいいかなー!」



「気持ち悪い家電!!どんな人のお古なんですか!!」



「え?そりゃ寺育ちのロックンローラーとか?」



「使いたくねえなそんなやつの中古家電!!」



「うむ。まさにロックンテーラーだな」



「やかましいわ!!お前は黙ってろ!!」



「じゃあお札が貼ってある家電仲間のところへ案内しようかマイクロウエーブ?」



「いんのかよ!!気持ち悪い家電!!」



 気を取り直して、蓮司は三人にミッションを告げる。



「この世界でのミッションは、お城にいる家電キング様が見たことの無い家電を持っていくことでマイクロウエーブ!この世界にはたくさんの家電が眠っているマイクロウエーブが、まだ家電キング様ですら全ての家電は知らないマイクロウエーブ!だからみんなには家電キング様の知らない家電を見つけて貰うマイクロウエーブ!」



「セリフ長えけどマイクロウエーブのせいで1.5倍くらいになってない!?」



 ミッションを聞いた城田と真美は、腕まくりをして気合いを入れる。



「よーし!私頑張って見つけちゃうよ!どんな家電なら家電キングさんびっくりするかなー?喋る電子レンジとか?」



「そこに!!そこにいますよ先輩!!」



「我はZ世代の食洗機とかが良いと思うぞ」



「なんだZ世代の食洗機って!!そいつも喋んの!?」



「うむ。よく『食洗機って電気代と水道代節約してるんだから、その分時給上げてくれないと働きませんよ?』と言っているぞ」



「めんどくせえな喋る家電!!」



「さあ、とりあえずお城に向かう中で新たな家電を見つけるマイクロウエーブ!」



 蓮司の一言で、三人は雷雲の上を城に向かって歩き始めた。



「ところで蓮司はなんで喋れるんだ?」



「僕は家電キング様に拾って貰って、言葉を教えて貰ったマイクロウエーブ!」



「へー!じゃあ家電キングさんは人間なの?」



「違うマイクロウエーブ!家電キング様は喋る炭酸水メーカーだマイクロウエーブ!」



「めちゃくちゃマイナーだった!!よくそんなんが王様やってんな!!」



「ちなみに家電キング様の口癖は『炭酸水って自称意識高い系しか飲まなくね?』だマイクロウエーブ!」



「偏った考え方!!炭酸水メーカーだけはそれ言っちゃダメだろ!!」



 三人と蓮司は話しながら城へ向かって歩く。真美はちょくちょく蓮司の中に生卵を入れて温め、爆発させようとしていた。

 また城田はアルミホイルを温めて発火させようとし、蓮司は必死で抵抗しながら歩いている。



「嫌がらせが過ぎるだろ!!え、なんでそんなこいつ嫌いなんですか!?」



「え、だってうるさいじゃん?マイクロウエーブマイクロウエーブって」



「うるせえけども!!一応こいつここの管理人ですよ!?」



「いや、だが煩いだろう?この蓮司は次の話も着いてくる確率が高いのだぞ?こんな終盤に来てマイクロウエーブで埋め尽くされて良いのか?」



「良くはねえけど!!俺がツッコミ入れてやるからガチの嫌がらせはやめてやれ!?」



 蓮司はそんな瞬の言葉に反応し、中から破裂したたらこを取り出しながらやれやれと首を振った。



「もう手遅れだった!!たらこ破裂してんじゃねえか!!」



「僕は虐められることには慣れてるでマイクロウエーブ。他の家電には手足や顔は無いマイクロウエーブからね。妬まれて嫌がらせをされることは今までにも何回もあったマイクロウエーブ。その度に、僕は手足も顔も無い家電たちに言ってやるんだマイクロウエーブ。『手も足も出ないな!合わせる顔も無いな!』ってねマイクロウエーブ」



「さてはお前嫌なやつだな!?だからマイクロウエーブのせいでセリフ長えんだよ!!」



 城田と真美の嫌がらせを瞬が止めつつ、三人は蓮司と共に新たな家電探しを続けた。

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