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【完結】この神が送り届けよう〜白の世界から迷子救出!〜  作者: 仮面大将G


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第45話 リモコンの世界 その1

 城田が白いドアを開けると、そこは携帯ショップのような空間。だが、置いてあるのは携帯電話やスマートフォンではない。リモコンだ。



「わお!リモコンがいっぱい!ところでリモコンって何の略だっけ?リモートコンセプトカフェ?」



「誰がリモートでそんなとこ行くんですか!?行くならちゃんとリアルで行ってくださいよ!!」



「我は冥土喫茶が好きでな」



「メイド喫茶じゃなくて!?なんだその文字通り地獄みたいなカフェ!?」



「鬼の格好をした店員が「お帰りなさいませ、閻魔様」と出迎えてくれるのが面白くてな」



「うんそれは確かに面白いけども!お前閻魔じゃなくて神だもんな!?」


 いつも通りツッコミを入れる瞬。だが多種多様なリモコンが置いてある店のような空間に、戸惑いを見せる。



「なんか今回の世界いつもとちょっと違うな?コンセプトが定まってない感じが……」



「そー?リモコンいっぱいあって楽しいじゃん!ところでリモコンって何の略だっけ?リモートコンシーラー?」



「どうやって塗るんですか!!え、何遠隔手術みたいなこと!?」



「我も化粧をしてみたくてな。落ち武者になってみたいぞ」



「特殊メイクじゃねえか!!なんでお前神のクセに落ち武者に憧れあんだよ!?」



「頭に薙刀を刺して歩いてみたいだろう」



「刺さり過ぎだろ!!相場矢だろ!!」



「矢はやだな。矢だけに」



「やかましいわ!!」



 いつもならこの辺で世界の管理人が出て来るところなのだが、今回は誰も出て来ない。瞬はさらに戸惑いを見せる。



「いつもと勝手が違うな……。誰も出て来ないけど、どうたしら良いんだ?」



「瞬くん見て!ここのリモコンに「最初に押してください」って書いた紙が貼ってあるよ!」



「うむ。では我が押してみようではないか。まずはそのリモコンのアクリルスタンドを作るぞ」



「推してどうすんだ!!リモコンのアクスタとか持て余すわ!!」



「抽選で50名にハイタッチ会が当たるらしいぞ」



「絶対当たるわ!!そのリモコンのファンお前だけだから!!」



「我は下位賞のサイン入りチェキの方が欲しいぞ」



「どっちでもいいわ!!なんだリモコンの推し活って!?」



「もー二人とも!押さないなら私が押しちゃうよー?えい!」



 真美がリモコンのボタンを押すと、中心にあった大きなモニターに文字が表示された。



「わーいなんか書いてあるよ!なになに……내가 좋아하는 양말은 2개 손가락입니다」



「なんで韓国語なんだよ!!さらっとハングル読むのやめて貰えます!?」



「私の好きな靴下は二本指ですと言っているぞ」



「五本指とかじゃなくて!?なんだ二本指って!!足袋か!!」



「足袋じゃないよ!ちゃんと親指と小指だけ指を入れるところがあってね?」



「気持ち悪い靴下!!アロハのハンドサインみたいになってるじゃないですか!!」



「我がいつも履いている靴下は膝上まであるのだが」



「女子高生か!!なんでお前神のクセにニーハイソックス履いてんの!?」



 一通りやり取りを終えた三人が改めてモニターを見ると、そこには日本語で文字が浮かび上がっていた。決してハングルではない。



「「この中からこの世界を出るためのリモコンを探してください。そのリモコンのボタンを押すと、次の世界へ行けます」って書いてあるね!さて瞬くん、この文章から読み取れる筆者の感情は?」



「国語のテストか!!ねえよそんな感情は!!」



「ブブー!正解は「白いものを食べたい」でしたー!」



「それ城田の感情でしょ!!ああほんとだ消えかかってる!何か白いもの無いんですか?」



「すまぬ。我はここまでのようだ。だが我の人生に悔いは無いぞ」



「なんでお前消えそうな時潔いの!?」



「あ!私バイキングの世界から冷奴持って来てたよ!今食べさせるね!」



「ナイスですけどもしかしてバイキングの世界からずっと小鉢持ったままでした!?」



 真美が城田に冷奴を食べさせ、薄くなっていた城田は元の白さに戻った。



「助かったぞ真美よ。しかし豆腐とは良いものだな。柔らかくてふわふわしていて、ホイップクリームが乗っている」



「パンケーキか何か!?ホイップクリームは確実に乗ってなかっただろ!!」



「でもでも、パンケーキと冷奴って同じじゃない?文字数とか!」



「むしろ文字数だけでしょ!!他に共通点ねえよ!!」



「共通点は最初からあるものではないぞ。お互い寄り添って見つけていくものだ」



「カップルか!!パンケーキと冷奴にそこまでする義務がねえわ!!」



 そんな時、パッとモニターの画面が切り替わる。また違う文字が表示されたようだ。



「えーっとなになに……「早くリモコンを選んでください」だって!わお!怒られちゃった!」



「管理人がいなくても怒られるんですね俺たち……」



「うむ。仕方ないであろう。この作品は我々がボケるためにあるのだから」



「おいこらメタいこと言うな!!良いからとりあえずリモコン探して押してみるぞ!」



「えー?一旦しゃぶしゃぶ食べ放題ブレイクしない?」



「コーヒーブレイクみたいに言うな!!3時間くらいかかるでしょ!!」



「我はスリープブレイクが良いぞ」



「ただの睡眠じゃねえか!!起きろ!!」



 こうして三人は、この世界から出るためのリモコンを探し始めた。

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