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【完結】この神が送り届けよう〜白の世界から迷子救出!〜  作者: 仮面大将G


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第43話 CDショップの世界 その1

 城田が白いドアを開けると、そこは雑多にCDが置かれ、手書きのポップがところどころに並ぶCDショップ。

 三人は連れ立ってCDショップに入店した。



「わー!なんかいっぱいCDがあるね!ところでCDって何の略だっけ?カントリーロード?」

 


「それじゃCRになるでしょ!!なんだCRって!パチンコか!!」



「神の世界にはCDが無くてな。仕方がないからお手紙書いたさっきの手紙のご用事なあに」



「歌うな!!どこで繋げてんだ!!」



「我は黒山羊さんの方だぞ」



「なんで白ヤギじゃねえんだよ!!あとヤギ漢字で書くちっちゃいボケやめろ!?久しぶりに出てきたな漢字ボケ!!」



 入口付近で騒いでいる三人のところへ、エプロンをした店員風の女が近づいて来る。



「いらっしゃいませー!CDショップの世界へようこそ!私はこの世界の管理人、展張(てんちょう)です!」



「店長じゃねえのかよ!!」



「いえ、私展張がここの店長ですよ?」



「ああもうそうじゃなくて……!日本語って難しいな!!」



 展張と瞬が話をしている中、城田と真美は勝手にCDを物色している。



「二人とも、ちゃんと展張の話聞きましょうよ!」



「城田さん、好きな歌手とかいるの?私は力士乃風っていう重量級レゲエグループが好きでね?」



「だいぶアウトな名前ですけども!?なんだ重量級レゲエグループって!!」



「我は普段あまり音楽を聞けなくてな。暇だから音楽を聞きたい時は我を増やしてバンドを組んでいるぞ」



「悲し過ぎるだろ!!神の力何に使ってんだ!!」



「神の力は使っていないぞ。分身の術だ」



「だとしたらより悲しいわ!!ようするに反復横跳びだろ!?」



「いや、垂直跳びだ」



「なんで縦に飛ぶんだよ!!上下に並ぶバンド見たことねえよ!!」



 会話が止まらない三人を迷惑そうに見ながら、展張が再び口を開く。



「はい聞いてくださいねー。この世界はCDショップの世界。ありとあらゆるCDが売られています!皆さんにはこの中から私の好みに合うCDを選んでいただきます!もし私の好みに合っていれば、この世界はクリアになります!」



「なるほどー!じゃあ早速選びに行こー!ところでCDって何の略だっけ?北大西洋条約機構?」



「先輩それNATO!!もう掠りもしてねえじゃねえか!!」



「CDか。我はCDを見ると逃げ出したくなってしまうのだが」



「カラスか!!なんでお前神なのにCDなんか苦手なんだよ!!」



「カラス?あー!あの透明で窓とかに使われてるやつね?」



「それガラス!!くだらねえわ!!」



「いや、シャンパンやワインを入れるものだ」



「それグラス!!だからくだらねえって!!」



「いやいや、メロディーに合わせて後ろで歌ってる人じゃない?」



「それコーラス!!え、何試されてる!?」



 三人の様子を見て、展張は指でトントンと太ももを叩いている。かなり苛立ちが隠せなくなってきているようだ。


「皆さん?選ぶなら選ぶでさっさとしてくださいね?」



「うわ怖いこの人!城田、先輩、早く選びましょう!」



「おっけー!じゃ、早速マッチングアプリを入れてと」



「パートナー選びしてどうするんですか!!CD選んでくださいよ!!」



「我はなでしこジャパンを選ぶぞ」



「お前女子サッカー日本代表監督なの!?」



「いや、セパタクロールクセンブルク代表の補欠だ」



「じゃあなでしこ選ぶ権利ねえよ!!」



「いい加減にできますか?あなたたち、本当にこの世界を出る気あります?」



 遂に苛立ちを前面に出した展張が、三人に対して直接的に問いかける。

 瞬は焦っているが、城田と真美はどこ吹く風だ。



「さっきから偉そうにしているが、お前は偉いのか?我は神であるぞ?」



「そーだよ!城田さんは神様なんだからね!私も進路を神にしようと思っててね?」



「そんな進路はねえよ!!どこの学校行ったら神になれんだ!?」



「え?進学校じゃない?」



「せめて神学校だろ!!進学校ならただ大学行くだけでしょ!!」



「あなたたち!いい加減に……」



「あーもううるさいな!召喚!ガムテープ!」



 真美はどこからか杖を取り出し、展張に向かって振りかざした。

 すると展張の口元が光り出し、バッテンの形にガムテープが貼られる。



「ーーー!!ーーー!!」



「よし!これでうるさい人はいなくなったね!ゆっくりCDを選ぼー!」



「うむ。やはり静かなのが一番であるな。音が無い空間が至高だ」



「お前多分この世界向いてねえわ!!ていうか先輩、良いんですか?あんな無理やり黙らせちゃって……」



 瞬が心配そうに真美に尋ねる。だが真美は純真無垢な笑顔で返した。



「だいじょーぶだいじょーぶ!いざとなったら瞬くんの毒霧で倒しちゃって!」



「俺悪役レスラーじゃないんですけど!?」



「我も毒霧をできるぞ。毒霧がかかるとインフルエンザに感染するというものなのだが」



「ただのインフルエンザ患者じゃねえか!!毒霧よりタチ悪いわ!!」



「だが我から菌が移動するのだぞ?光栄だとは思わないのか?」



「思わねえよ!!てかお前神なんだからそもそもインフルなんかにかかってんなよ!!」



 果たして三人は無事展張の気に入るCDを見つけだすことができるのだろうか?

皆さんの初めて買ったCDは何ですか?ぜひ感想で教えてください!

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