表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】この神が送り届けよう〜白の世界から迷子救出!〜  作者: 仮面大将G


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/103

第19話 ゲームセンターの世界 その2

 〜♪

 富士にかかる薄雪よ〜♪

 ひとり酒場で泣かせるな〜♪

 恋しさ胸にしみる酒〜♪

 冷えた心を溶かすよう〜♪



「おいこら待て!!」



 え?今度は何?



「なんで歌から始まってんだ!!てかこれロックンロールの世界で歌った演歌風ロックだろ!!」



 だってオープニングがあると盛り上がるじゃないですか。始まった感もあるし。



「だとしても小説でやるな!これ読まされた読者はなんて思うんだよ!!」



 そりゃもう、ああ泣けるな〜って。



「思うか!!この歌で泣ける層が分かんねえわ!!いいから早く本編!!」



 はいはい、分かりましたよ。ではここから本編スタート!



 三人は早速UFOキャッチャーの前まで来ていた。と言っても、まずは物色の段階だ。


 一つ目のミッションはUFOキャッチャーで景品を獲得すること。なるべく早くクリアする為に、取りやすい景品を選んでいるのだ。



「取りやすいって言っても、結局は欲しいものに目が行っちゃうよね〜!ほら、このハンドスピナーとか」



「懐かしいな!今持ってる人見たこと無いですよ!?」



「我はこの新幹線のおもちゃが……」



「新幹線はもういいわ!!お前どんだけ新幹線引っ張るんだよ!?」



「だがこれは東北新幹線だぞ?緑の車体にピンクのラインがオシャレだろう?」



「知るか!!とりあえずそんなでかいおもちゃ取れないから、小さいぬいぐるみとか探しましょう」



 そう言って瞬は辺りを見渡すと、小さなぬいぐるみやソフビなどが入っている、一回り小さいUFOキャッチャーへ足を運んだ。



「ほら、この辺とかどうですか?落ちそうになってるぬいぐるみとかもありますよ!」



「でもそれ、ワイヤレスマウスのぬいぐるみだよ?要る?」



「ああ遊園地の世界のやつか……。要らねえな……」



 相変わらず酷い言い草である。遊園地の世界にいるワイヤレスマウスは、今頃咽び泣いているであろう。



「ではこのソフビはどうだ?ヒーローのソフビだが……。知っているか?」



「いや知らないな……。なんだこれ?金髪のヒーロー?」



「私も知らないけど、なんか私たちと同じ作者から生み出された感はあるね!」



「先輩、それ以上はやめときましょう。宣伝になっちゃうんで」



「『染髪マン〜髪色で能力が変わる俺はヒーロー活動を始めました〜』という作品の主人公、染髪マンだな。大学デビューで金髪にしたらヒーローになってしまった主人公が、黒髪しか許さない秘密結社と自由を賭けて戦う物語だ」



「がっつり宣伝すんな!!全く、話の中で宣伝させられる俺たちの気持ちも考えろよ?」



 作者の気も済んだところで、三人はプレイするUFOキャッチャーを決めたようだ。



「私たちがやるのは、これだー!」



 真美が指差したUFOキャッチャーの中には、原寸大の餃子のぬいぐるみが入っていた。



「要らねえだろ!……と言いたいところですけど、これはちょっと欲しいですね……」



「でしょでしょ?無駄に焦げ目とかがリアルなところも良いよね?」



「ですね。ていうか、城田はどこ行ったんですか?」



「ああ、なんかホワイトチョコレートを見つけたからそっちやりに行ってるよ」



「何してんだ!自由か!」



 瞬がその場にいない城田にツッコミを入れている間に、真美は既にUFOキャッチャーを始めていた。



「先輩、こういうの得意なんですか?」



「んー、私相撲観戦以外であんまり外に出ないからなー。経験無いんだよね」



「え、大丈夫ですか?お金無駄になりません?」



「だいじょーぶだいじょーぶ!いざとなれば魔法で取るから!」



「大丈夫じゃなかった!!」



 真美が操作するUFOキャッチャーは、一度餃子のぬいぐるみを持ち上げることに成功した。だが持ち上げて獲得口まで移動する途中に、ぬいぐるみは落ちてしまう。



「ああー!何これ、難しいんだけど!?」



「そういうもんですよ。大体UFOキャッチャーってのは確率機ですからね。何回かやったら取れる仕組みになってるんですよ」



「むー、悔しい!こうなったら魔法使っちゃうんだから!粉に牛乳か豆乳を混ぜ、シェイカーに入れて振る者よ!飲み干して己の力にせよ!プロテイン!!」



「それただの工程ですよね!?」



 真美がどこからか取り出した杖をUFOキャッチャーに向けると、アームが突然黒い毛が生えた屈強な腕に変わった。



「え、なんかリアル過ぎる腕出てきたのは何ですか!?」



「ああ、これ腕をゴリラの腕にする呪文なんだよね」



「ピンポイントな呪文!!」



「じゃ、これでやってみよ〜!」



 真美は再び100円玉を投入し、ゴリラの腕になったアームを操作する。


 すると今度はガッチリと餃子のぬいぐるみを掴んで離さない。



「おお!これは取れるんじゃない?餃子の餃子(ぎょうこ)ちゃん、私のところにおいで〜!」



「漢字が変わらないからネーミングが分かりずらいな!!」



 ゴリラアームはぬいぐるみをガッチリと掴んでいるが、どうも様子がおかしい。

 握力が強すぎるのか、ぬいぐるみがミチミチと音を立てているのだ。



「先輩、あれやばくないですか?」



「だいじょーぶでしょ!所詮UFOキャッチャーだからね!」



「それをゴリラの腕に変えたのが先輩なんですけども!?」



 瞬の心配は的中した。獲得口の上までゴリラアームが来た時、ぬいぐるみは限界を迎えたのだ。

 バチン、と弾け飛んだぬいぐるみは、中に入っていた綿をふわふわと落としていた。



餃子(ぎょうこ)ーーーー!!!!」



 ゴリラアームが手を広げ、抜け殻となったぬいぐるみが落ちて行く。


 瞬と真美は真顔で綿と布を回収し、無言で城田の元へ向かった。



 当の城田はと言うと、ホワイトチョコレートのUFOキャッチャーにかかり切りだった。



「おい城田、お前まだそれやってんのかよ!」



「おお瞬に真美よ。無事景品を獲得できたのか?」



「ああうん、獲得できたって言うかなんて言うか……」



 真美は手元にあるぬいぐるみだったものを見る。



「そうか。獲得できたのなら何よりだ。それより助けてはくれぬか?我の力では、このホワイトチョコレートは獲得できなさそうなのだ」



「お前……一体いくら使ったんだよ?」



「ざっと八千円といったところか」



「使い過ぎだろ!!お菓子の景品にここまで使うやつ初めて見たわ!!そんだけ使ったら一つぐらい取れ!?」



「どうしてもこれが欲しいのだ。これがあれば、我はしばらく消えるリスクが無くなる」



「そうだね!城田さんファイト!」



「先輩また魔法でも使ってやってくれません!?」



 更に1時間後、無事城田はホワイトチョコレートの山を獲得したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ