65.ツッコミ祭り
わたしはフェフキという街へとやってきていた。
そこで魔導人形から逃げていた、ドワーフさんたちと合流。
凄い商業ギルドのギルマスであるという、イッコジーさんと知り合いになったのだった。
わたしたちがいるのは、商業ギルド、銀鳳商会のギルド会館。
「なんやてぇ……!? 魔物がおとなしく、人間の言うこときいてはるやないかーい!」
イッコジーさん(実は女性だったらしい)が、くま吉君たちを見て驚いていた。
無理も無い、魔物って言えば人間を襲う、凶暴なものっていうのが一般常識だからね。
『おいっすー、姉ちゃん。おいらくま吉』
「なんやてえええええええええ!?」
またしてもイッコジーさんが驚いてる。
どうしたのかしら……?
「ひ、人の言葉しゃべっとるやんけ! どないなっとんねんな!」
……なんで驚いてるのかしら?
「普通魔物はしゃべらへんがな! 歳を重ねたドラゴンや、知性のある高位の魔物以外!」
「そ、そうなんですね……」
「せやよ! なんやねん! この黄色いクマちゃん!」
するとどや顔で、くま吉君が言う。
『おいらは、キリエ姉ちゃんの力で進化した、黄泉熊!』
「ご……!?」
絶句する、イッコジーさん。
あ、れ……どうしたのかしら……?
「ご、ごごご、ごーるでんべあ!? それって……SSランク……古竜種と同じ、上位魔物やんけぇえええええええ!」
こ、古竜ぅ!?
え、えええ!?
「く、くま吉君……そんな強かったの!?」
『おいらも知らなかった……!』
イッコジーさんが頭を抑える。
「なんや……どないなっとんねん……SSがこんなとこふらついてるねん。SSっちゅーたら、高難易度ダンジョンの迷宮主と同格やで……?」
ダンジョン……迷宮主?
『おいらは元々ただの赤熊だったんだよ。でもキリエ姉ちゃんパワーでこうなったんだ』
『ぐーちゃんもぉ!』『すらーもー』
自分も自分も、と雷狼のわんこちゃんを含めた全員が、わたしの力と主張してくる。
あ、あのね……。
「ちがうわ……」
「なんや、よかった。凄いパワーアップアイテムでも使ったから進化したんやろ?」
「いえ、神に祈っただけですけど」
「祈ったぁああああああああああ!?」
あごがっくーん、と大きく口を開くイッコジーさん。
「はい。我らの信じる神……ノアール神様に祈りを捧げたのです。そうしたら、みんな強くなったんです。ね、みんな?」
『『『ちがーう、キリエ様のおかげー』』』
「ちがわ無い……! ノアール神様のおかげなのっ!」
どうして信じてくれないの!?
「しっかしすごいなキリエ嬢ちゃん……こんな大量の魔物たちを従え、強くし、さらに自分はとんでもなく強いだなんて。バケモンやん」
「はぁ……まあ、魔王種らしいですけど」
「なぁああああああああああああああああああああああああああんやてぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
イッコジーさん、いちいちリアクションが大きすぎて、ちょっとテンションについていけない……。
「魔王種!? いま魔王種って言うたか!?」
「え、ええ……」
「魔王種っていったら、最高位の魔物やん! 世界に数えるほどしか居ない、化け物中の化け物!」
チャトゥラさんが確かそんなこと言ってたわね。
アニラさんも魔王種だって。
「ちゅーか! 魔王種っていうのは、魔物やから! めっちゃ強い魔物のことやから! なんで人間のあんたが魔王種なんやねんな!?」
「さぁ……」
「どうして自分のことなのに、ひとっつも自覚してへんのやぁああああああああああああああああああああああ!?」
そう言われても……。
神がすることなので……人間のわたしにわかるわけがなく……。
【★読者の皆様へ お願いがあります】
ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!
現時点でも構いませんので、
ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!
お好きな★を入れてください!
よろしくお願いします!




