187.星を喰らう獣
アニラが奮闘してる一方、世界各地には、謎の魔物が出現していた。
「う、うわぁあ! なんだぁ!」
獣人国ネログーマ。王都、エヴァシマにて。
「黒い魔物? なんだこれ……!?」
全身が真っ黒の、黒い異形の獣が出現したのだ。
その数は10や20で済まない。
魔物達は人間、建物、関係なく無差別に襲いかかってくる。
「へ、陛下に報告だ! ぐあああああ!」
「隊長ぉお!」
獣人兵士が黒い獣に襲われる。
獣が兵士の腕にかみつくと、腕が消えたのである。
そして、そのまま兵士は闇の獣の体内へと取りこまれてしまった。
それを目撃してた獣人達は、一斉に悲鳴を上げて、逃げ出す。
「ひぇええええええええ!」「いやぁあああああああああ!」
逃げ惑う獣人達。
追いかける黒い獣たち。
そんな様子が、ネログーマだけでなく、この世界のあちこちで起きていた。
謎の黒い魔物は世界中に散らばり、あらゆるものを食べていく。
無差別に、無軌道に。
この星をまるで平らにするかのように。
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