141.川遊び、満喫【閑話】
わたしはみんなと川遊びすることになった。
『ねえちゃーん! てーい!』
ばしゃー! とくま吉君が水をかけてくる。
きゃっ、水が顔に……ふふっ。
「やったなー、えーい!」
わたしも水をかけ返す。
魔物の赤ちゃんたちと一緒に、わたしは水掛け合いっこする。
魔物大人組は川辺に腰を下ろして涼んだり、ちょっと離れた場所で釣りしたり……。
「ん? くま子さんは何してるのかしら……?」
川の上流。
水着姿のくま子さんが一人たたずんでいる。
ふしゅぅううう……と深呼吸をしたあと……。
「そぉい!」
くま子さんは川面めがけて、高速で手を振る!
すると、ぱしゃーん! と川魚が宙を舞う。
くま子さんの獲った魚は、放物線を描いて、タモ網のなかに収まった。
き、器用……!
「すごいわくま子さん!」
『母ちゃんすげええ!』
わあわあ、とわたしたちが拍手する。
くま子さんは照れくさそうに頬をかいていた。
「くま子のやつ、意外な特技があるじゃあねえか」
「まあくまですしね」
チャトゥラさんとアニラさんは水に入らず、川の外でたき火をしていた。
このあとみんなでお昼ご飯をたべる。
そのために火を用意してくれてるのだ。
でも二人にばかり任せるのはなんだか忍びないし、せっかくみんなで遊んでるのだから、一緒に来ればいいのに……。
誘おう、うん。
「ふたりとも、こっちで遊びましょー?」
「「NO」」
の、ノーって。
あ、そうだ……。
「泳ぐのにが手だったわね、たしか」
「「Yes」」
そうだったわ。
前にそんなことあった……。
でも……せっかくこんな気持ちいいのに……。
「大丈夫よ、足が付くし。少しくらい遊ばない?」
「「まあ……キリエ(様)がそういうなら」」
仲間はずれはよくないものね。




