2 結局実験になるんだよね!?
思念波を受けてしまった師匠芹澤。
一体どうなる!?
昨日の夜、ソフィーちゃん達と別れたあたしとれーちゃんは、シュリーアさんとレイアーナさんに会っていた。その時、れーちゃんが勝手に思念石を増やしていた事がわかったんだ。それからいろいろあって、あたしももう一つ思念石を持つことになったんだよ。
そしたらね、思念波の力が強くなっちゃって、ちょっとしたお願いとかを聞いてもらいやすくなったんだ。
あたしはスマホのゲームに課金してもらうことができた!
── あ、わざとじゃないんだよ?
── このアイテム、欲しいっ!
って思ったら、勝手に思念波が出ちゃった。それが母さんに届いて、
「もう、今回だけよ」
って課金してくれたんだ。
── あたし、悪くないよね?
……で、今。
── しまったーーーっ! 師匠にも同じことしちゃったよっ!?
うっかり強く思ったら、その思念波が師匠を直撃しちゃった。
── もしかして師匠も、お願い聞いてくれるのかな?
そーっと師匠の顔を覗き込むと、下を向いて顎に手を当てたまま固まっている。
── どう、なのかな?
母さんの場合は思念波が届くと突然無表情になって、あたしが言ったのと同じ言葉を繰り返した。それからお願いした通りのことをしてくれたんだけど……。
師匠の顔はよく見えないけれど、昨日の母さんとは反応が違う気がする。
「師匠、どうかしたの?」
そう聞くと師匠は、
「ふむ、実に興味深い。これが思念波を受けるということなのだな。きみの『魔法を教えてほしい』という強い願いが私に届いたぞ!」
そう言って白衣の袖をめくると、皆が付けていたのと同じようなブレスレットが光っていた。ただ違うのは……。
「え? 師匠、これってもしかして受容体!?」
ブレスレットにはめられたきれいな青色の石の中に、水色の光が見えた。
あたしが持っている勾玉と、昨日新しくできたラピスラズリの思念石の中にあるのと同じ水色の光がある。
「ってことは、師匠も協力者なの!?」
びっくりして思わず大声を出してしまったら、師匠が耳をふさいでいた。
「そのように急に大声を出すものではないぞ、我が弟子よ。なに、驚くには値しない。昨日も来ていたと言ったではないか。このブレスレットに入っている光は研究用に彼女達から譲ってもらったものだ。この思念石の反応を元にした試作品がこれらのブレスレットになる」
「なるほどー、だから少しだけ思念波を吸収していたんだね。美桜ちゃんが大人しかったのも、このブレスレットが美桜ちゃんの思念波を吸収してたからかー」
「そうだ。魔法を制限する機能は以前から開発されたものがあったが、感情をコントロールする機能はまだなかった。だが、このブレスレットはそれを可能にしたまさに画期的なものだ! ……しかし、急ごしらえだったからな、想定よりも思念波を吸収する機能が低い結果となってしまった。だが!」
そう言った師匠の目がキラリと光った。
── あ、嫌な予感っ!
ガバっといきなりあたしの腕を掴むと師匠は言った。
「先程の強い思念波は実に興味深い! あのように強いものでもかなりの量を吸収していたぞ! 詩雛くん、ぜひもう一度先程のように思念波を出してくれたまえ!」
── やっぱり、そうなるよね!?
こうしてあたしは、何度も思念波を出して実験に協力させられるハメになった……。
さっきよりも何倍もぐったりして動けなくなった頃、心配したソフィーちゃんと美桜ちゃんが迎えに来てくれて、あたしは二人に抱えられるようにして実験室を出た……。
── 師匠、容赦なさすぎない!?
特別寮の食堂で、あまーいハチミツ入りのホットミルクを飲んでようやくほっとした。
「あれ? 今日はれーちゃんいないのですか?」
美桜ちゃんが聞いてきた。
「あー、れーちゃん今日は家の用事で早帰りしちゃったんだよね。スマホ買ってもらうんだって」
「そういえばしーちゃん達はどうやってこの世界に来ているのです? 次元を超える魔法は学園長しか使えないはずなのです。しーちゃんの世界にはあるのですか?」
「や、あたしの世界、そもそも魔法は存在しないよー。あたしはスマホのアプリを使ってるんだけど、このアプリ変なんだよね」
「何が変なのです?」
なんと、師匠も思念石を持っていました。
実験に付き合わされてヘトヘトになったしーちゃんです(笑)
どうやらアプリには謎がありそう?
続きは2週間後に!
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それでは、またお会いしましょう!




