8 動物広場も楽しいね
前回に引き続き、ほのぼのハルヴェストの丘を楽しみます。
「メイ、牛って大きいね」
「そうだね。ソフィー見て。こっちにいるのは羊と山羊みたい」
「うわあ、羊さんの毛って本当にモコモコしているのね」
── ここの動物達ってすごく人懐っこいんだよね。近くに人がいると餌を持ってなくても近づいてきて柵から顔を出してねだってくるんだ。
メイお姉ちゃんとソフィーちゃんの前にもあっという間にたくさん群がってきた。その時冬夜兄ちゃんが、
「ほらメイ、ソフィー。これをやってみろよ」
そう言って餌の入ったスコップを手渡した。
それを見た羊たちがもう唇を近づけてきている。差し出した餌にあっという間に群がってきて、
「うふ、くすぐったい」
「ふふ、すごい食欲だね」
とソフィーちゃんもメイお姉ちゃんもビックリしながらも嬉しそうだ。
「しーちゃん、美桜たちもやるのです」
「そうだね」
「では、誰の餌が一番先になくなるか勝負なのです!」
美桜ちゃんはそう言って張り切っていたけれど、あっという間に山羊に全部餌を食べられていた。
「うう、手がベタベタなのです。羊さんにも餌をあげたかったのです……」
としょんぼりしながら戻ってきた。あたしとれーちゃんは何度か来たことがあるから、あんまり近づきすぎないようにして少しずつ餌をあげるようにしたので、羊にも山羊にも餌をあげることができた。
「くっ、勝負には勝ちましたが、なんだか負けた気がするのです」
「美桜ちゃん、そんなにがっかりしないでね。ここには他にも触れる動物がいっぱいいるから」
「そうなのですね! それでは早速次に行くのです!」
れーちゃんに言われて途端に元気になった美桜ちゃんは、メイお姉ちゃんとソフィーちゃんに突進するように近づいて行くと、二人の手を引っ張るようにして連れてきた。
次に行ったのは、うさぎに触れるところだ。ソフィーちゃんは本物のうさぎを見るのも初めてだったみたいで、
「本物のうさぎさんって茶色いのね」
って言うから、
「ここのは茶色のうさぎさんばっかりだけど、白いうさぎさんもいるよ。もう少し大きいうさぎだから、ここにはいないみたいだね」
「え? 大きいってわたしくらい?」
「いやいや、そこまで大きくないよ。でもここにいるうさぎさんよりは大きいよ。親うさぎは抱っこすると重いんだよ。学校にならいるんだけどねー」
「このこたちみたいにフワフワしてないし、すぐ逃げちゃうけどね」
「もふもふさではソフィーちゃんが優勝なのです!」
「うふふ、美桜ちゃんありがとう」
「メイ、あっちにモルモットもいるぞ」
「うわあ、ちっちゃいのにふわふわでかわいいね」
── メイお姉ちゃんと冬夜兄ちゃんってらぶらぶだなー。付き合ってるのかな? ソフィーちゃんに聞いてみようかな。
「ねえ、ソフィーちゃん」
「しーちゃん、うさぎとモルモット触ったら次は犬のところに行こうよ」
『だめだよ、しーちゃん。そういうの余計なお世話って言うんだよ』
── ちぇー、れーちゃん察しが良すぎるよ。
ダメ押しに黙って首も振られたのであきらめて、
「よおし、じゃあドッグコーナーにとっつげきー」
とみんなを連れて移動した。
動物広場をたっぷり堪能したら、吊り橋を戻って右側の道を進み、遊具のコーナーへ行った。ハルヴェストの丘はジェットコースターみたいな大きいものはなくて、観覧車もそんなに大きくはない。でも、丘の一番高いところにあるから眺めはいいんだよ。だけど……、
「なんなのですか、ここの遊具は! つまんないのです。全然速くないですし、小さいものばっかりなのです!」
美桜ちゃんがブーブー文句を言い出した。
「え? 普通だろう。複合施設になってるんだから遊園地みたいにたくさんはないが、観覧車もメリーゴーランドもあるしな」
「ここの観覧車はけっこう眺めがいいよ。きれいな景色が見えるわけじゃないけど、ハルヴェストの丘は全部見えるし、その周りまで見渡せるよ」
「それは重要なのです。美桜はこの世界を調査に来ているのですから、乗らない選択肢はないのですよ。そうと決まったら、ソフィーちゃん行きますよ」
「ちょーっと待った! あたしもソフィーちゃんと乗りたいよ」
「わたしも」
「むむ、これは負けられない勝負なのです!」
── そして、ソフィーちゃん争奪戦がはじまることになったよ! この戦いには負けられないよっ!
さて、ソフィーちゃん争奪戦に勝つのは?
次回をお楽しみに。
それでは、また2週間後にお会いしましょう。




