4 宝石鑑定とソーセージ作り
ソーセージを作るしーちゃんたち。でもれーちゃんの様子が少し変です。
あたしたちは、家族が並んでくれている列にぞろぞろと移動した。さっき母さんたちがいたところに、父さんとれーちゃんのおじさんがいる。交代で母さんたちはトイレに行ったみたいだ。
「ねーねー、父さん! みんなの石を鑑定してよ」
「ん? どういうことだい? ……ああ、宝石探しをしてきたんだね。どれどれ」
父さんたちにそれぞれの石を見てもらった。あたしが取ってきた藍色の一番大きな石は、ラピスラズリという種類の石だった。れーちゃんの持っていたピンクのはローズクォーツ。美桜ちゃんのはフローライト、ソフィーちゃんのはなんと、クリスタル! 水晶なんだって。あたしも取っといたら良かったよ……。そして、メイお姉ちゃんの一番大きな石はレッドジャスパーというらしい。
他にも、アメジスト、オニキス、アマゾナイト、縞瑪瑙……あんまりたくさんありすぎて途中でわけわかんなくなっちゃった。
「ね、ね、父さん。この中で一番お高い石は、どれ?」
そう聞くと、困ったような顔になった。
「宝石の価値はその人によって違うんだよ。詩雛が気に入った石を大事にするといいんじゃないかな」
── えー、それじゃよくわかんないよ。
あたしが唇をとがらせていると、ソフィーちゃんが言った。
「うふふ、わたしにとってはどれも大切な宝物だよ。だってみんなで一緒に取ったんだもの」
「そうだね。私も宝物が見つかったよ」
「ふ、ふ、ふ。異世界の宝物ゲットなのです! お姉ちゃんに自慢できるのです」
メイお姉ちゃんも美桜ちゃんもうれしそうにしている。だから、
── ま、いっか。 異世界のお友達と一緒に宝探しなんて、そうそうできることじゃないもんね。それだけですっごい奇跡だよね!
って。
その時、冬夜兄ちゃんが呼びに来たので、みんなはゴーカートの方へ移動していった。あたしとれーちゃんは急いでトイレに向かった。
ソーセージ作りは楽しかった。二人一組で作ることになったので、父さんたちでワンチーム、あたしとれーちゃんは自分の母さんと組んで一チームずつになった。
れーちゃんはトイレからずっと何か考え事をしているみたいで、時々ぼーっとしてはおばさんに注意されていた。受け取ったお肉をハーブや塩と一緒にボールの中でこねこねするんだけど、時々手が止まっている。何回もおばさんに声をかけられては、ハッとしてこねるのをくり返していた。
あたしが、
── おいしくなーれ、おいしくなーれ。
と一生懸命こねている横で、何回も止まるれーちゃんにいい加減イラーッときたので、
げしっ
肘をお見舞いしてやった、んだけど……。
今回のれーちゃんは手強かった。
時々、温度が上がらないようにソーセージのたねを氷と水の入ったボールの上でこねないといけなかったんだ。揺れるから気をつけないといけないのに、横でバッチャンという音がした。テーブルの上が水びたしになっている。
── あーあ、やっちゃったね、れーちゃん。
みんな汚れてもいいようにビニールのエプロンをしているから、床とテーブルだけで済んだし、かんじんのソーセージの材料も無事だった。だけどさすがあのあたしもあきれて、
「れーちゃん。それはあたしでもやらないよ?」
と冷たーいツッコミを入れてやった。れーちゃんはしょげてたけれど、そこからはちゃんと作業に専念していたので、あたしもおいしいソーセージのために頑張った!
仕上がりが楽しみだったけど、これで出来上がりじゃなくて完成するには時間がかかるんだって。後で取りに来ることになったから、あたしたちは先にお昼ご飯を食べることになった。
フードコートはまだ早い時間だからそんなに混んでなくて、席はすぐに見つかった。母さんたちと注文しに行っている間に、入口からソフィーちゃんたちが入ってきた。
「ここにいたのですね! いっぱい遊んだから美桜はもうお腹ペコペコなのです」
そう言いながら美桜ちゃんが走ってきた。
今回は本編の103,104話とリンクしています。本編既読の方、ソーセージの出来上がりについてはないしょですよ!(笑)
それではまた2週間にお会いしましょう。
本編の宣伝です。
しーちゃんが登場する物語
「We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─古墳に入ったら、異世界の姫様の協力者にされてしまったので、精霊を仲間にして日本を救います! ─」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/
ソフィーが登場する物語
「絶望の箱庭~鳥籠の姫君~」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n3370hf/




