8 美桜の観察日記より(学園Side:)
今回は美桜ちゃん視点です。
お姉ちゃんの学園見学二日目の夜なのです。
美桜はやり切りました。なんと、夏休みの課題の残りを二日でやり切ったのです。これは最速記録なのです。
美桜はこのワールドエンドミスティアカデミーに、以前から出るとうわさされていた『ざしきわらし』という妖怪の正体を暴くために潜入したのです。
その正体はなんと、かわいいソフィーちゃんに異世界から会いに来た謎の少女だったのです! しかも、しーちゃんというその女の子は美桜と同い年だったのですよ。そして『ざしきわらし』は一人ではなかったのです! しーちゃんの大親友だというれーちゃんという女の子もいたのです! れーちゃんはお姉ちゃんとものすごく仲がいいのです。二人でずーっと黙ったまま本を読んでいるのです。文字で埋め尽くされた本のどこが面白いのか美桜にはまったく理解できないのです。そんなことをするヒマは美桜にはありません。少しでも鍛錬して早く魔法を使えるようにならなければいけないのです。
しーちゃんもれーちゃんも美桜とは別の不思議な能力を持っているようなのですが、こちらはまだまだ調査中なのです。学園長さんはこの学園の創立当初から見た目が変わらないというすごい人なのです。その学園長さんが、学園に来るのを許可しているのですからあの二人にはものすごい秘密が隠されているに違いないのです!
美桜の目は節穴ではありませんよ。あの二人、美桜の考えていることを察知している時があるのです。それが謎の能力に関係していると美桜は読んでいるのです。
さらなる調査をしようとしていたのですが、明日しーちゃんたちは「お出かけするから来られない」と言うのです。動物に触れ合ったり、いろんな遊具もあって一日遊べるという『ハルヴェストの丘』というところに家族で遊びに行くそうなのです!
これは重要なのです。しーちゃんたちの能力を調査するのにうってつけのミッションなのです。
ですが異世界へ転移するには学園長の協力が必要不可欠なのです。宿題が残っていたらお願いは聞いてもらえないにちがいありません。だから美桜はがんばったのです。
しーちゃんたちが元の世界へ戻ってから、美桜は学園長室へ直談判に行ったのです。
「学園長さん、お願いがあるのです。美桜はしーちゃんのことを調査するために明日『ハルヴェストの丘』というところへ潜入しなければならないのです!」
「簡単に言うけど、本当ならしーちゃんたちの世界へ行くのは不可能なんだよ」
「学園長さんならなんとかできるはずなのです! ただでとは言いませんよ。しーちゃんたちの情報と引き換えなのです」
「ふうん。美桜ちゃんはどんな情報を持っているのかな?」
「それはこれからなのですよ。何と言っても美桜はしーちゃんと同い年なのです。お姉ちゃんたちよりも仲良くなれるはずなのです! あの二人、特別な能力を持っているのは間違いないのです」
「なるほどね。だけど、君だけを転移させるといろいろと後で面倒なことになるからね……そうだ、言乃花くんとメイくん、それに冬夜くんを呼んできてくれるかな」
そこで美桜はお姉ちゃんたちを連れて学園長室へ行ったのです。すると学園長さんは、
「明日、君たちにはしーちゃんたちの世界を調査してきてもらいたい。彼女のいる世界は現実世界と似ているが、魔法が一切使えない。そこで君たちには芹澤の作ったこのブレスレットを着けてもらう」
そう言ってテーブルの上に透明なブレスレットを並べたのです。
「このブレスレットを着けると魔法が一切使えなくなるだけでなく、魔力を放出することもできなくなるよ。君たちにとってはいいトレーニングにもなるだろう。それから、これは芹澤からのプレゼントだそうだけれど、タブレットから設定すれば電子マネーを使えるようになるそうだ。お土産やアトラクションを楽しむには必要な機能だと思うよ」
「学園長、アトラクションとはどういうことですか?」
冬夜お兄ちゃんが警戒するように聞いたのです。すると学園長はウィンクをして言ったのです。
「ああ、言ってなかったね。行き先は『ハルヴェストの丘』というテーマパークだよ。これをソフィーくんに渡してほしい。同じような機能があるからね」
そう言って学園長さんはわたしにイチゴの形のブローチを渡したのです。
── ふ、ふ、ふ。明日は楽しい一日になりそうなのですよ!
美桜は本編である人物の観察日記を書いていました。その人物は学園に入学していないので、学園滞在中は別の日記を付けることにしたようです。
さあ、ハルヴェストの丘で何かが起こるんでしょうか?
次回も学園Sideになります。
それでは、また2週間後にお会いしましょう!




